発掘11


バッファロー・ビル・コディのサイン。
ショーマンだった彼のサインは比較的多く出回っており、アンティークとしてもポピュラーである。

バッファロー・ビル・コディは、若い頃は軍の斥候などで傑出した働きをした(ことになっている)ヒーローであるが、時代の変化に機敏に対応し、ワイルド・ウエスト・ショーという見世物一座を率い全国を巡業することで成功した。
一般的なガンマンたちは時代に適応できずに消えていったが、彼のショーは西部の文化としてかなりの成功を博し、何とロンドン公演まで果たしている。

この彼の成功をねたみ、金儲けばかり考える商人として批判する声もあった様だ。
またネイティブアメリカンを演出上悪役として使ったことも批判されているが、一方で食べることの出来なかった人たちに職を与えた功績は評価されている。

彼の演出したショーは、現実とはかけ離れたど派手な格好をしたヒーローたちが登場し、それが現代のウエスタンファッションの基礎となると同時に、間違ったイメージを与えて時代考証を滅茶苦茶にした面がある。
しかし現在では、すでにワイルドウエストショーのコスチューム自体がアンティークとして認められ、ひとつの分野として確立されている。

実際にはあれだけ個性的な連中を上手くなだめて使ったのであるから、相当の人物であったと思われる。
彼は一代で財を成したが、投資などに失敗し転落、ショーも最盛期を越え衰退、最後は破産し貧しい状態であったという。
しかしバッファロー・ビルは多くの人の尊敬を得ており、ワイオミング州には彼の名をとったコディという都市がある。

なお日本人は同じビルであるワイルド・ビル・ヒコックと混同している人が多い。
ビル・ヒコックは孤高の凄腕ガンマンであり、派手好きでありながら破滅的・・という強烈な性格の持ち主であった。

彼は時代に適応できなかったタイプで、食うに困り友人のバッファロー・ビルのショーに出演した事もあるが、次々にトラブルを起こして出演を断られた。
ヒコックは酒場でトランプをしているところを、功名心にかられた馬具職人の男に背後から撃たれて死ぬ。
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