発掘5


父親の水筒が出てきた。
僕がもらって棚にしまっておいたのだ。

多分復員兵が食うに困って売り払ったものを、どこかの闇市ででも購入したのだろう・・と勝手に想像している。
母親に聞いたら、釣に出かける時はいつも持って行ったという。

父親からもらった時に、水筒の表面に最初のオーナーの名前がうっすらと書いてあるのに気付いた。
そのことを父親に話したら、当人は気付いていなかったらしく、驚いていたのを覚えている。

母親によると、当時はどこの家庭にもこの水筒がごろごろしていたという。
出掛ける時は、体に斜めにぶら下げて持ち歩いた。

水道が完備されていなかったから、飲み水の確保は重要だったのだ。
自動販売機でいつでもペットボトルが買える今の日本では、そういうことに無頓着になってしまった。
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コメント
 
 
 
Unknown (decca)
2009-07-31 23:04:46
 幼少の頃は、水筒持参は当たり前でしたね。
私は保育園でしたが、当時の先生の言葉は未だに脳裏に残っています。ちゃんと肩越しに紐を取っているかの確認でした。既に40年以上も前の話ですが・・・。(^^) あの頃の水筒にはキャップに方位磁石が付いているのは当たり前でした。今ならGPSでしょうね。(^^)
 
 
 
Unknown (COLKID@自分の部屋)
2009-07-31 23:18:26
僕は遠足に行く時くらいでしたね。
そういえば子供の頃、遊びに夢中になってつい遠征し過ぎてしまい、炎天下の道をとぼとぼ歩くうちに、のどがカラカラになって、このまま死ぬのではないかと心配になったことはあります。
今でも思い出すくらい心細かったです。

アメリカなどで砂漠を走る時は水の確保は重要ですね。
日本は何も考えないで走ることが出来ますが・・・
 
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