体質


LEICA X1

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震災で東北地方にあった重要な原料の生産工場が、いくつかダメージを受けた。
ものによっては、その影響が今になって出ており、全国的に入手困難になった資材もある。

一方で、復興も少しずつ進んでいる。
もう二度と手に入りませんと言われた資材が、ここにきて前言撤回で、急に生産できるようになったと報告を受けたりする。
かなり混乱しているようだ。

その混乱の最中におかしな行動を取り、少なからず信頼を失ったメーカーもある。
日本を代表する企業のひとつである某メーカーは、震災の影響で製品を納入出来ませんと、得意先に一方的に通知を入れた。
それを受けて慌てた得意先は、何とかぎりぎりの数量を供給するよう頼み込み、必死にやり繰りして過ごした。

ところがその同じ時に、そのメーカーは別の新しい会社に出向き、自分たちはたっぷり在庫を持っているが買わないかと話を持ちかけたことがわかった。
今まで世話になった得意先に供給する分は、ぎりぎりに抑えておいて、これを機に他社の得意先を横取りし、ライバルを一掃しようとしたのだ。
それに気付いた同業他社や商社は、非常時にあのような汚いやり方をするとはと憤慨した。

その問題のメーカーとは以前取引があったのだが、何だかおかしな体質の会社だなとは思っていた。
話していても、どうにもお役所的な感覚なのだ。

過去に付き合った中にも、そういう会社がいくつかあったが、大抵は歴史が長く、一時は業界で独占的な地位にあった会社である。
その地位は創業者やそれに続く先輩たちが築いたものであるが、その後に入った社員はその副作用で、極端に世間が狭くなり尊大な態度を取るだけの人間になってしまう。
若い新入社員までが、不幸にも会社の体質に染まり、同じような態度を取るようになるのだ。

彼らも恐らく家庭では、大会社に入った立派な息子やお父さんで通っているのだろうが、現在のような非常事態は、彼らの人間としてのレベルを露呈させるきっかけとなる。
今回その会社がとった軽率な行動は、どうやら上の人間が変わって新しい方針になったことも原因らしい。
しかし憤慨した業界の人たちから、直接関係のない僕のところにまで話が伝わってくるのだから、結果的には会社としてのマイナスは大きいだろうと感じている。



今日の時計ベルト。
バンビ社のスコッチガード・ハイクラス。色はワインだ。
以前より水をはじくスコッチガード加工を施したベルトは販売されていたが、この製品は表、裏、それに中材にまで加工を施すという、撥水効果を徹底させた新商品。
その分通常の商品より価格が高めに設定されているが当然であろう。

雑菌の温床になりやすい中材にまで防水加工をもたせることで、汗対策商品としてかなりの効果が期待できる。
日本の会社の製品であり、当然日本の夏の状況下での使用を考慮して作られていると思われる。
試しに水をたらしてみると、はじかれて丸い塊になり、革の表面にシミはつかない。

今回はワインを選んでみたが、意外にアクアテラにマッチして、腕に着けても違和感がない。
汗対策ベルトとしては案外ダークホースかもしれない。
コメント ( 9 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (やまだ)
2011-06-08 06:11:16
問題なのは、
そのB社が嫌で、近くに実験場もあるからD社の製品を使っていました。
D社は業績不振でT社と事実上の合併をしていました。
そのT社がB社に吸収されてしまったそうです。
Dブランドも実体はB社の一部になってしまったのです。
ダイハツは昔から、最近はスバルまでトヨタですから
メーカーが嫌いとか言ってられません。
現場の組み立て工は各メーカーを渡り歩いているそうです。
経営者のお粗末な行為はただ単に日本の恥になるだけで
何も良い結果を生む事ができませんね。
 
 
 
Unknown (COLKID@会社)
2011-06-08 08:14:50
世の中の情勢の変化に伴い、企業が統合されていく時代もあるでしょうが、企業人が人間的にダメで、企業がそういう体質に染まっていくなら、また新たな力が別の箇所から出てくるでしょう。
ライバルのいなかった東電も同じ傾向だったのでしょうが、事故が起きてからわかってもね・・・
 
 
 
企業の栄枯盛衰 (隠居)
2011-06-08 10:55:54
もう15年以上昔の話ですが トイレタリーの新商品企画でダイエーとイトーヨーカ堂の体質の違いを実感したことがあります。
ダイエーの購買担当は 言ってみれば尊大傲慢で、納入業者を呼びつけて何時間も待たせた後の商談。
一方 同様の業種ですがイトーヨーカ堂の購買担当は実に腰が低く 先方から納入業者の方に赴くほど。
といっても単に腰が低いのではなくて 納入業者が信頼に足るかどうか、訪問して子細にチェックしているのですね。
生産現場まで立ち入り かなり厳しい指導を受けたこともあります。
セールを行うにしてもダイエーは一方的に納入業者に値引き分を負担させ 自社の値引き負担は有りません。
イトーヨーカ堂は自社でも値引き分の負担をするので 納入業者でも一部負担して欲しいとの姿勢です。
その後の両社の栄枯盛衰は世間の知るところで、企業姿勢の違いが結局会社の盛衰を左右します。
時折ダイエーの店内にも行ってみるのですが 今はまるで場末の落ちぶれた企業を感じさせる貧相なものです。
傲慢な体質の企業は必ず落ちぶれる時期が来ます。
 
 
 
Unknown (隠居)
2011-06-08 10:58:11
ところでCOLKIDさんの時計の写真、文字盤を天地逆にしたものが多いのですが
これは「あくまでバンドが主で 時計が従だ」という意思表示なのでしょうか?
 
 
 
Unknown (COLKID@会社)
2011-06-08 11:39:46
ダイエーとヨーカドーの差は以前にもお聞きしましたね。トイレまでチェックするとか・・・
こういう違いが結局何年か後には企業の差となって出るものですね。

先日業界の大御所の方と話したのですが、その時も似た話を聞きました。
その方が若い頃、日本を代表するT社の部品を作っていたのですが、当時のT社の老工場長が飛行機で品質管理にやってきて、町工場の小さいところまで自ら回り、やはり腰の低い対応で、「皆さんの作られたものを当社の名前をつけて売るのでこれだけはやってください」と、その工場の規模でも出来ることを穏やかな口調で指示して言ったそうです。
で、食事の誘いも断り、その日のうちに飛行機で帰っていったそうです。
もう40年も前のことですが、現在のその会社に同じことが出来るだろうか・・と言っていました。

時計の写真ですが、仰られるとおり基本的にはベルトが主のコーナーなので、ベルトの長手の方が見えるようにすると、時計が上下逆さまになってしまうんです。
ただピントは時計盤面のメーカーロゴに合わせてているので、ロゴとベルトの表面がレンズから等距離にくるよう工夫したりしています。
これはスナップ程度で撮っていますが、もし本格的に撮るとなると、ボディへの映り込みや、針の位置、盤面とベルトの輝度差など、時計写真は相当難しそうです。
Photoshopでレイヤー何層にもして・・のコースですね(笑)
 
 
 
Unknown (BB)
2011-06-09 19:08:58
最近の某企業の体質と似た話で・・(笑)
自分が下請け指導とかやっていた頃は、
それは柔らかな頭で対応しておりましたが、
下請け業者の方たちと世間話をするたび、
今の指導とかする立場の人材は、役所的で
頭が硬すぎだと痛感しておりますよ。
大会社だから、不良が出た時の対策費も、
ムダの塊で、湯水のように金使うし、
・・・と言ってると、またおっさんが
ボヤイてるぜって言われちゃうんだなあ。
 
 
 
Unknown (COLKID@自分の部屋)
2011-06-09 19:43:13
結局「体験」というものに乏しいことが問題なのでしょうね。
心のある人というのは意外に少ないものですし、それは経験を積んで様々な立場に自分が立ってみないとわからない。
言葉で言っても、実体験のない人には理解できないです。
しかもそれは最後は致命的な結末につながるような気がします。
 
 
 
ベルトの向き (Twenty Four in Total)
2018-05-08 23:02:17
古い記事へのコメントですみません。
高い時計は持っていませんが私もベルトが好きで、こちらのブログは、これまでも、時々、拝見させて頂いております。
今回、スコッチガードで検索をしていてこちらのブログのこの記事を見つけました。

さてコメントの中で気になったことがあったのですが、

>時計の写真ですが、仰られるとおり基本的にはベルトが主のコーナーなので、ベルトの長手の方が見えるようにすると、時計が上下逆さまになってしまうんです。

通常はベルトは12時側が短い方、6時側が長い方になると思います。
ベルトが主なので長い方を見せるためには時計が逆になるというのはわかりました。
写真を拝見すると、Dバックルがシングルタイプですが、その場合はベルトを逆に付けられてははどうでしょうか?
12時側が長い方で6時側が短い方となります。写真では時計本体が逆になっていますが、正しい向きでベルトは写真の状態にすると言うことです。
こうするとシングルタイプのDバックルは留める時に奥側から手前に動かして止める形となります。これは金属のバックルの留め方と同じ方向です。慣れもあるかと思いますが留める時も操作がしやすいです。
事実、オリエントなどの国産メーカーでは、革ベルトで尾錠がある場合は6時側が長い方と一般的な取り付け方ですが、Dバックルが付いている場合(純正Dバックルはシングルタイプが一般的かと思います)、6時側に短い方を取り付けられています。
もちろん、Dバックルでも観音開きタイプや尾錠を使う場合には通常の取り付け方が良いと思いますが、シングルタイプの場合、ベルトを逆に付けた方が勝手も良くメーカーもそのような形で出荷していたりしています。

そんなこと知った上でこのような付け方かもしれませんし、ベルトが逆に付けるのが気持ち悪いかもしれませんが、一度お試ししてみてはいかがでしょうか?

古い記事へのコメントで大きなお世話だったかもしれませんが、これからもお邪魔させていただきます。
 
 
 
Unknown (COLKID@自分の部屋)
2018-05-09 00:14:26
Twenty Four in Totalさん。
ご指摘ありがとうございます。
確か以前も同じ話が出たことがあります。
パテックのベルトがDバックルの時は逆だとかどうとか・・・

今にして思えば意図的に逆さにするというのもありなのですが、当時はある形に拘っていて、どうしてもベルトを逆につけるのはやりたくなかった・・と記憶しています。
間違って逆さに付けている・・と誰かに指摘されるのが嫌だったのかもしれません(笑)
むしろ撮影しておかしくない方向を向けて撮って、わざとやっていると明記した方がよかったですね。
 
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