320d その後


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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今乗っているG21の320dであるが、そろそろ購入して5年になろうとしている。
今までなら買い替えを考える時期であるが、今回はその予定はない。
一番大きな理由は、僕も年を取り、新しい車が欲しいという意欲が失われたことだ。
BMWの人にも、もう一生この車でもいいよ・・と伝えてある。

他にもいろいろ理由がある。
いまだに電気かハイブリッドかの論争が中途半端で、特にBMWが力を入れている電気は技術的にも発展途上で、買ったところで数年で陳腐化する可能性が高いこと。
車自体の価格が大幅に上がってしまい、今から同じクラスのものを購入するのは難しく、買い替えはグレードダウンになること。
機能の面で現在の車の完成度が高く、ほぼ不満がないこと・・などが挙げられる。

320dツーリングワゴンに5年乗ってみて感想はどうか。

まず車として考えた場合、BMWも大衆的になったな・・という印象が強い。
かつて純粋なFRであった頃には、BMWはどこか危険な香りのする車であった。
それが、もうそういう時代ではないのであろう、自動で4WDに切り替わる構造になり、大幅に走行が安定した。
かつてはアクセル・コントロールの失敗を許さない悪女のような面があったのだが、現在は簡単には滑らない安定志向の車になった。
実際雨や雪の中での安定ぶりは大したもので、他の車がまともに走れないでいる大雨の中をスイスイと走っていく。

ディーゼルエンジンにしても、これは選択した僕の問題ではあるが、本当に機能優先で面白くはない。
トルクフルな上、恐らく四駆に切り替わるので、発進加速は十分であるし、燃費も十分にいい。
しかし回転に伸びがなく、すぐに頭打ちになる。
ガソリンエンジンのような官能的な回り方をしないし、音もきれいではないので、運転の楽しさがないのだ。

まあ、3シリーズのディーゼルは、この機能面での完成度の高さゆえ、昔から評価されており、愛好家が多いのは事実である。
実用性を取るか、気持ちよさを取るかで、あえて機能に徹しているところが、知的で大人っぽく感じられて評価されているのだろう。
絶対的な加速は、2リッタークラスのガソリンエンジンと比べた場合、ディーゼルの方が少しよさそうにも見える。
しかし本来感覚に訴えてくるところが売りのメーカーであっただけに、個人的には何だか大切なものが失われたようにも感じている。

いろいろな意味で、大人の車なのだ。
メーカーが率先して子供っぽい楽しさを排除しているようにも感じる。
僕自身も、もう子供っぽいことをする年齢でも無いので、これでいいかな・・という結論になる。

スペックは本当に大したものだ。
ディーゼルエンジンは僅かずつ燃費性能が悪くなるようだが、それでも街中を普通にドライブして、リッター14~15キロはいく。
高速ならリッター18~20キロで走ると思われるので、満タンで1000キロからの距離の走行が可能であろう。(高速道路をそんな距離走ったことは無いのだが・・・)

自動運転の機能は、この車のものは世代的に古いのであろうが、世間ではこの次のステップに進むのにてこずっており、劇的な進化が見られないようだ。
しかし運転の補助装置と考えた場合、現状でそれなりの完成度を示しており、十分に革新的な機能といえる。
最近は高速道路だけでなく、下の道でもこの機能を多用するようになった。
もう一人の誰かが運転を手伝ってくれているような感じである。
それに伴い、こちらの運転の仕方自体が変わった。

次はどういう車がいいかな・・と、以前はよく考えた。
もうやたら速い必要はないから、荷物が積めて、燃費が良くて、乗り心地が良くて、質感が高くて、室内で4人が快適に過ごせて、悪天候でも安定していて・・と条件を挙げてみて、ほぼすべての条件を、現在の車がクリアしていることに気付く。
論理的に非常に優れた車なのだ。
結局、車に対する情熱が失われたことの原因も、この車にあるのかもしれないな・・・
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