影響


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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日本のアニメーションやマンガが、世界中に影響を与えている。
今や欧州の各国首脳クラスが、日本のアニメの影響下で育ったことを認めており、時にSNSでコメントを発するまでになっている。
もしかすると、マンガの知識を持つことが、既にインテリ層の常識になっているのかもしれない(笑)

自分自身、子供の頃からどっぷりとその世界に浸かって生きてきた。
子供の数も多かったし、多種多様な番組が作られた。
ある意味、とてもいい時代であった・・と言えるだろう。

一方で日本国内では、所詮マンガ・・と見下す風潮も、常にあったのは確かである。
漫画は子供に有害だとして、手塚治虫氏が、PTAにつるし上げを食らったのは有名な話である。
案外海外の国々の方が、抵抗無く受け入れてきたのかもしれない。

先日も書いたが、小学校5年生の夏休みに、1ヶ月ほどパリにいた親戚の家で過ごしたことがある。
現地ではテレビで「ジャングル大帝」を放映していた。
日本の漫画がこんなところで・・と驚いた。
一方で、もう日本では古い番組であったので、子供ながらに、遅れているな・・と思ったのを覚えている。

ただ子供たちは漫画を食い入るように見るので、ああいう番組を毎日のように放映すれば、一種の洗脳にはなる。
テレビ漫画(当時はまだアニメとは呼ばなかった)と言っても、欧米製の追いかけっこばかりのドタバタ劇とは違い、日本のものは真面目にドラマとして作られている。
恐らく多くの家庭では、親や家族も一緒に見ていたであろう。
それが長年続くうちに、日本のアニメを見て育った人たちが何世代かに渡り、無視できないほどの影響力になってきたのだ。

当時の日本のアニメや特撮などの作品の特徴として、正義をテーマとした作品が多いことがあげられると思う。
多くの主人公たちは、正義のために無報酬で戦っていた。
また何故か世界征服という、あまりメリットがあるとは思えない(笑)野望を持つ悪人が、必ず敵役として出てきた。

恐らく太平洋戦争での敗戦経験も、強く影響を与えていたのであろう。
ずたずたにされた自分たちの価値観、倫理観を、社会全体が定義し直す必要があった。
その結果、子供に見せるためだけではなく、大人の世代が自分自身に問い直す・・という面もあったのだと思う。

正義をテーマにした番組なら、輸入する海外の国々も、それほど抵抗無く受け入れたであろう。
子供に見せる番組として、適していると思われたはずだ。
しかしそれを見て育った人達に、共通した倫理観が根付いているとしたら、これは世界中に大変な影響を与えたことになる。

もう一年以上前のことなのだが、自分が見てきたアニメーションや特撮などのテレビ番組について、ここに載せようと思い記事を書いた。
そのまま公開せずに時が経ってしまった。
近くその記事を何回かに分けて掲載してみようと考えている。
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