噴火


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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トンガの噴火より少し前から、日本で起こりうる「超巨大噴火」の話が出ていた。
破局噴火とも言われ、地下のマグマが一気に噴き出して、大陸を焼き尽くし大量絶滅をもたらす。
1万年に一度・・というレベルの頻度なので、これまであまり話題になることはなかった。
当然対策もほとんど行われていない。

というか、被害の規模が大きすぎて、対策のしようが無い・・と言った方がいいだろう。
小惑星の衝突に次ぐ規模の被害をもたらし、広大な地域や国家が消滅してしまうのである。
富士山の噴火がいつ起きてもおかしくないと言われているが、それよりさらに大きい規模の噴火になると考えられている。

ここにきて各地で地震や火山噴火が発生し、急に話が真実味を帯びてきたようで、超巨大噴火の話題をあちこちで聞くようになった。
地質学的に正確に分かっている過去12万年を見ると、世界有数の火山国である日本では、超巨大噴火が10回、九州と北海道で発生しているという。
一番最近発生したのが7300年前の薩摩硫黄島の大噴火で、火砕流が海を渡って50キロほど離れた九州南部にまで達し、大きな被害をもたらした。
その地域の縄文人が全滅し、南九州は以降千年近く人の住む事の出来ない荒廃した土地になったと言われている。

現在の日本で発生すれば、当然とてつもない被害につながる。
半径数十キロに渡り、短時間で数百度の火砕流が覆いつくし、それ以外の地域にも大量の火山灰が降り積もる。
農作物は全滅、交通機関はもちろん、ガス、水道、電気といったライフラインがすべて停止する。

その結果、日本だけで1億人からの死者が出るという試算もある。
仮に火砕流の直接の被害を免れたとしても、生活の物資がすべて途絶えることとなり、助けが来ることもなく餓死してしまうというのだ。
地球規模で気候が大きく変動し、世界中が莫大な被害を受けるだろう。
(ちなみにアメリカのイエローストーン国立公園でも超巨大噴火の可能性が指摘されており、その場合北米だけで2億人の死者が出るという)

こういう記事を見て、最近の自然災害の多発に乗じて恐怖心をあおる報道だと批判の声も出ている。
しかし1万年に1度とはいえ過去に発生しているのは事実で、現在の火山活動の活発化がその前兆ではないかと考える研究者もいる、ということである。
仮に発生すれば、日本という国家が消滅してしまう可能性もある。
せめてライフラインを少しでも継続できる手段を考えて、日本人の半分が生き残ることが出来れば、国家が存続できるのではないか・・という話まで出ている。

あと100年のうちに超巨大噴火が発生する確率は約1%だという。
僕の生きている間に発生するかどうかは分からないが、これは決して小さい数値ではない。
以前災害の専門家のセミナーを受けた話を書いたが、これから大変な災害が続き、自分も天寿を全う出来るかどうか分からない・・とまで口にされていた。(2021年9月17日の日記
噴火の話が何度と無く出たのだが、その時点では富士山の噴火のことしか考えなかった。
しかしこの超巨大噴火のことも意識していたのかもしれない。

こういう巨大な災害に直面すると、人々の人生観そのものが、否応なく変わることになる。
平和時に目指していた明るい未来は、完全に閉ざされてしまうのだ。
しかも被害の規模は、かつて我々の祖先が体験したどの災害よりも大きい。
有史以来、人類が数千年かけて作り上げてきた価値観も、所詮は前回の大噴火以降に作られたもので、恐らくこれだけの巨大災害を前にしては通用しない。
やはり大切なことは、何よりも現在のこの瞬間を満足して生きていくことなのだろう。
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