水路


Z7 + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

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子供の頃、カメを何匹か飼っていた。
中学生や高校生くらいの頃だ。
部屋に水槽や容器を何台か並べて飼っていた。

ご存知の通り、カメは長生きするので、本来飼いだしたら一生付き合う生き物でもある。
僕がたくさん飼っていたので、我が家では父親が毎朝出勤前に近所の川に釣りに行き、餌にする小魚を釣ってきてそれを与えていた。
途中でさすがに飼うのが大変になり、生き物が好きな親戚にお願いして引き継いでもらった。
今はそういう無責任なことは許されず、購入する際にそのことを厳しく注意するお店もあるという。

飼っているうちに死んでしまうこともあるが、上手く育てば長生きするのは確かなようだ。
高校時代の同窓生が、自宅で何十年か飼っているカメを時折Facebookに載せる。
今は成人したお子さんが、生まれた時からずっとこのカメと一緒に育った・・という書き込みも読んだ。
意外にカメを飼っている家庭は多いのかもしれない。

カメは自分の糞や尿などで水をどんどん汚す。
自然の川や池であれば問題ないが、水槽でたくさん飼う場合は、水を毎日のように換えてやらなければならない。
しかも変温動物なので、自分の体温を調節することが出来ない。
そのため、甲羅干しするための陸上と、体を冷やすための水中の、両方の環境を作ってやらなければならない。
狭い水槽の中でその両方の環境を作るのは至難の業で、本来飼うのは難しい生き物なのだ。

現在は自分ではカメは飼っていないが、それでもカメを飼う理想の環境を、時々空想することがある。
水を常時きれいにしてやることが重要である。
しかし水槽の水替え作業はけっこうな労力で時間がかかる。
何匹も飼うようになると、だんだんとそれが億劫になってくる。

まず思いつくのは、飼っている容器を水道と直結して、そこに水を常に流し込む方式だ。
容器がいくつかあるなら、ホースを分岐して各容器に水が流れていくようにすればいい。
水道料金がかかるが、ジャージャー大量に出すわけではなく、少量流す程度ならそれほどでもあるまい。
チョロチョロと流れ込む程度でいい。

あるいは常時でなく、決まった時間だけ蛇口を開けて、水を入れ替えてやってもいいだろう。
日中に水を少し流し、夜は止める・・というローテーションで十分だ。
飼育の容器が満杯にならないように、ある水位までいったら水が溢れ出るよう、容器の側面の適切な位置に排水の穴を開ける必要がある。

これが出来れば、常に水はきれいな状態が保てるし、水替えの手間も省ける。
シンプルで優れたやり方だと思うのだが、意外にまだ実行したという話を聞かない。
次に自分が飼う機会があったら、ぜひ試してみたい方法だ。

高校生の頃に、更に大掛かりな仕組みを考えたこともある。
自宅の庭にカメを飼う池を作り、大型のポンプで水を吸い上げる。
背の高さほどの位置まで持ち上げた水を専用の水路に流し込み、だんだんと高さを落としながら家を一周させる。

水は低い方へと水路を流れていくだろう。
その途中で濾過槽を通し、浄化してまた池に戻そうというのだ。
途中の水路にはドブ板で蓋をして、雨の日などは隙間から雨水が入ってもいい。
そんな妄想を抱いていたが、後にオーディオ評論家の長岡鉄男氏も、まったく同じアイディアを雑誌に書いているのを読んで驚いた。

当時この計画を得々と親に語ったのだが、猛反対を食らった(笑)
池など水を溜めるものは、病人が出るから庭に作ってはいけない・・と言われた。
まあそれ以前に、家の周りをぐるぐると水など流したら、湿気で家が傷むであろう。
家の出入りに邪魔になるし、それだけ道中が長いとメンテナンスも大変なはずだ。
さすがに僕も、この案をいつか実践したいとは思っていない(笑)
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