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Z7 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

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千駄ヶ谷の古靴店SUPER 8 SHOESからオリジナルの靴が発売された。
その名をフレンドリー。
オリジナルと言っても外観はどこかで見たことがある。
A社のモディファイドラストのアルゴンキンとそっくりである。

数日前からブログに写真だけ出ていて、新品らしき黒いアルゴンキンが何足も並んでいるので、一体どこで仕入れたのだろうと思っていた。
その後オリジナルシューズを発売することになったという記事を読んで、驚いてお店に向かった。
反響は大きいようで、発表してほんの数日で初回ロットの半分以上が売れてしまったという。
次回入荷は9月のようなので、早い者勝ちの状態になっている。



オリジナルと言ってもお店で最初から企画して作り出した靴ではない。
たまたま打合せに行った先でサンプルを見せられて、出来が非常に良かったので、これならと販売させてもらうことになったのだという。
製造会社が見て欲しいと言うくらいだからかなりの自信作で、アイディアのベースがモディファイドラストだとしても、さらに発展させて独自に作り込んであるようだ。
いわゆる隠れた名品に出会ったというパターンである。

価格も29,000円（税抜）とよく抑えられている。
ちょっと買ってみようか、という気になる上手い価格設定である。
最初から自社の完全オリジナルとして企画して、ラストからこだわって作り上げていったら、この倍の価格でも難しいだろう。

したがってSUPER 8 SHOESでも、この靴こそ最高峰・・という売り方はしていない。
古靴のコレクターからも、高品質の古靴とは別に普段使いの出来る靴も欲しいという要望が出ているそうで、まさにそれにちょうどいい気楽に履ける靴という立ち位置だ。
フレンドリーという名称にもその性格がよく表れている。



うまくコストダウンしているが、見た目は十分アルゴンキンで、何も言わなければ本物と見分けがつかない（笑）
アウトソールは一見レザーであるが実はラバー製で、リーガルのような硬いものとは違い、しなやかに曲がってくれるしクッション性も悪くない。
いろいろな場所で試してみたが、滑ることなく地面に食らいついてくれて、安心して歩くことが出来た。
ラバーなので雨にも強く、天気にかかわらず気軽に履くことができる。

アッパーは油分が多めのカーフで、多少水をはじく傾向があるようで、これも雨に強いと謳う理由になっている。
革は価格から言っても程ほどのものだと言うが、肌理こそ粗めであるが感触はしっとりしていて悪くは無い。
現行のA社のフットバランス系に使われているツルッとした質感の黒いカーフよりこちらの方がよく感じられた。

安価ではあってもラストにはこだわりがあり、いわゆる踵をしっかりホールドしてつま先を自由にするというモディファイドラストのスタイルだ。
日本には他にもモディファイドを目指して作られた靴がいくつかあるが、その中でもこの靴はトップクラスのフィッティングと言えそうである。
少なくともこの価格帯の製品の中では他を圧倒しているだろう。
製法も通常の靴より複雑だそうで、製造部門への誤差の指示など独自のノウハウが必要らしい。



僕の選んだのはサイズ6である。
製造会社の都合でヨーロッパ表記のようで、米国表記にするとUS7.5Dくらいに相当するらしい。
タイトなフィッティングで足を締め上げてくるので、これはどこか当たるかな・・という恐れもあった。
しかしひとつ上の6.5では、踵のホールドが甘くなり、土踏まずの位置も設計からずれる感じがあった。

悩んだ末にサイズ6を選んだのだが、どうも沈みによる変化が大きいタイプのようで、お店で1時間ほど試着していたら、角が取れてまあまあのフィッティングになってきた。
その後一日使ってみたが、使うにつれて足の形に馴染んできて、今のところ当たるところも無くいい感じである。

愛用のA社の幅広モディファイドのような圧倒的なフィット感はないのだが、フレンドリーもかなり優れた靴であることは間違いない。
A社の愛好家の方から、日本で売られているD幅のモディファイドよりフィッティングは上なのではないか・・という評価も出ているらしい。
それがこの価格で買えて、雨の日も惜しむことなく履けるのであるから文句は無い。

ブラックのVチップはカジュアルにもビジネスにも使えて便利であるし、オリジナルシューズの第一弾としてはいいところを突いている。
今後の展開として早くもブラウンのモデルを出して欲しいという要望が出ているという。
実際かなりの人気で、お店にいた全員が試着でこの靴を履いていたので、足元が見事に揃ってしまい、さすがに「ちょっとなあ・・」ということになった（笑）
なるべく早く次の展開を期待したいところである。