傷跡


D3 + AF-S NIKKOR 85mm f/1.4G

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子供の頃は年中怪我をして、あちこち傷だらけだった。
脚には、自転車でまともに転んだ時にめり込んだ小石が、今でも入っている。
屋根づたいに飛び移る時も、自分なりに注意しながら飛ぶのだが、時折ミスッて滑り落ちて怪我をした。
家が工場だったこともあり、そういう遊び場には不自由しなかった。
点検口から屋根裏に入り込み、踏み外して天井を抜いて落ちたこともある。

時折へまをして、病院で縫ってもらわなければならない大きな傷を負った。
家の外階段から飛び降りた時に、横に生えていた木に腕が当たり、ザックリと切ってしまったことがある。
着地すると足元に血がボタボタとたれた。

夜遅かったが、そのまま親戚の車に乗せられて、広尾の日赤に運び込まれた。
肘の内側が5センチくらい、三又に裂けていた。
皮が縮こまっていたが、引っ張って縫い合わせた。
今でもその傷は、くっきりと残っている。
男だから、そのくらいの傷はむしろ勲章といえる。

中学生の時に、泊まりに来た友達とふざけて枕投げをしていて、真っ暗な中で背後に回ろうとしたら、足をガラスの扉に突っ込んでしまった。
ガラスが割れて、足先がザックリと深く斜めに切れた。
当然血が噴出すように出てきた。

とりあえず包帯を巻いて、自分で自転車に乗って病院に行った。
怪我を負った足で自転車に乗るなんて、ずいぶん無茶な話である。
包帯は見る見る血で染まっていったが、漕がなければ前に進まない。

すぐに縫い合わせることになり、医者が傷口のそばに麻酔の注射を打ってくれた。
ところが傷口の皮が斜めにめくれ上がっており、注射針が上手く患部に届かなかったのか、麻酔がほとんど効かない。

その状態で縫合を始めたのだから堪らない。
針がグサリと刺さるのがわかり、体の中をグググ・・と通過して、また出て行くのがわかる。
その後を追って糸がずるずると続き、最後に糸をクッ、クッと引っ張って緩みを取る。
その一連の動作が繰り返されるのだが、その度に息を止めて痛みに耐えた。

針が刺さると「う・・」という声が出て、抜けると「ふー」とため息が出る。
額に脂汗が流れ出た。
治療後は、片足をぶら下げるようにして、また自転車で帰った。

その傷も、今でも足に残っているが、先ほど確かめてみたら、なかなか見つけられないほど薄くなっていた。
よく考えてみたら、どの傷も遊んでいる時に負ったもので、仕事や戦いの最中に負傷したわけではない。
決して自慢できるものではない事に気付いた(笑)
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