酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

人馬が織り成す宿命のドラマ~人生こそ競馬の比喩?

2014-04-17 22:31:58 | 競馬
 米ワシントン・ポストと英ガーディアンがピュリツァー賞を受賞した。エドワード・スノーデン氏(元CIA、NSA局員)の証言を基に、米政府の違法な情報活動を告発したことが評価された。敵が国家であっても、自由と民主主義を阻害するなら決して許さないという姿勢と対照的に、安倍機関と化した日本のメディアは〝大本営発表〟を垂れ流している。

 アーケイド・ファイアがフジロックにブッキングされ、前稿で記した希望的観測が現実になった。コーチェラでの映像を見たが、祝祭的なパフォーマンスを展開していた。前後に単独公演をセットしてほしい。同じくヘッドライナーを務めたミューズには、体調不良や家庭の問題が囁かれているが、煮詰まっているという印象は否めない。億単位のギャラを得ながら反抗を掲げるという矛盾から解放される日は来るだろうか。

 1999年の米三冠レースを追ったドキュメンタリーを見た。「カリズマティック~名ジョッキーの運命と共に走った最強馬」(JSPORTS)である。2歳時は7戦1勝、3歳になっても⑤⑤着のカリズマティックは、クレーミング競走(売却を前提にしたレース)出走を余儀なくされたほど裏街道を歩んでいた。

 クリス・アントレーは18歳で年間最多勝(469勝)を挙げた天才騎手だが、馬主、調教師、ファンからのプレッシャーに耐え切れず、薬物と酒に溺れて転落する。治療を受けてリハビリに励み、シェイプアップしたアントレーに再起のチャンスが訪れた。ケンタッキーダービーでカリズマティックの騎乗を依頼されたのだ。

 米三冠レースはインターバルが短い。12番人気という気楽さもあり、完璧な騎乗でダービーを首差で制するや、2週後のプリークネスSを楽勝し、中2週でベルモントSに向かう。燃え盛る業火に放り込まれたアントレーの様子に不安を覚え、関係者に騎手変更を提案する者もいた。

 才能を突然開花させた馬、地獄から這い上がった騎手……。21年ぶりの三冠馬誕生に期待を寄せた競馬ファンは、想定外の歴史的シーンを目撃する。先行したカリズマティックは直線で力尽き、3着に終わる。異変に気付いたアントレーはすぐさま下馬し、折れ曲がった同馬の脚を抱え、馬運車の到着を待った。応急処置が奏功し、カリズマティックは生き永らえる。

 人馬のその後は、決して平坦ではなかった。カリズマティックは02年に日本に渡ったが、活躍馬はワンダーアキュートだけだ。年内に引退したアントレーは翌年、遺体で発見される。不審な点はあったものの、薬物の過剰摂取が死因と発表された。家族の証言によれば、アントレーは日々壊れていったという。「人生こそ競馬の比喩なんだ」と語った寺山修司は、栄光と悲劇に彩られた人馬のドラマをどのように表現しただろう。

 皐月賞の枠順が確定した。俺が注目するのはフジキセキ産駒のイスラボニータとロサギガンティアだ。競馬サークルを残酷なほどの格差社会に変えたのはサンデーサイレンスである。その初年度産駒がフジキセキだが、種牡馬としての守備範囲は、マイル以下とダートだった。種付けが終了した今、ラストクロップとなる上記2頭が定説を覆せば、血の魔力によるドラマチックなエピローグになる。

 POG指名馬ステファノスに中山2000は厳しいが、雨が降れば馬券に絡む可能性もある。さらに、カリズマティックと同じストームバード系のアジアエクスプレスも買う。理屈より心情を重視し、◎⑬ロサギガンディア、○②イスラボニータ、▲⑧ステファノス、注⑯アジアエクスプレスの4頭をチョイスした。少額投資でレースを楽しむことにする。
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