酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

困った時は拓郎頼み~オヤジ的カラオケ法

2005-04-10 16:10:48 | 音楽

 先日、3年ぶりにカラオケに行った。同世代のグループだったこともあり、懐かしい曲ばかり歌った。

 俺の場合、歌える曲と聴く音楽のギャップが大きい。10代の頃はロックも聴くが、演歌だって口ずさんでいた。二十歳を過ぎると嗜好が偏り、乾いて閉じた音ばかりを求めるようになる。パンク、ニューウエーブ、グランジなど、いくら聴いても歌える代物ではない。ブランキーやミシェルガンに挑戦したって、断末魔のガチョウみたいに喘いでいるだけなのだ。

 歌うという行為は、深層の拍数や湿度に制限されるのだろう。俺が人並みにカラオケで歌えるのは、感性を接ぎ木する前の曲ばかりである。とりわけお世話になったのは吉田拓郎だ。「たどり着いたらいつも雨降り」「置き去りにした悲しみは」「落陽」「冷たい雨が降っている」「爪」がベスト5だろう。

 デビュー曲「イメージの詩」の衝撃は今も忘れられない。岡林信康ら先輩のフォークシンガーから反骨精神を引き継いでいるが、拓郎の真の魅力は、普遍的な感覚や感情を、詞やメロディーに託せることだと思う。音は外すわ、声は割れるわで、うまい歌手といえないだろうが、高揚感、一体感を呼び覚ます力は唯一無比だ。大掛かりな野外コンサートを企画したり、「フォーライフ」を立ち上げたりと、世代の旗手、アジテーターと呼ぶべき存在だった。

 俺より年長者は、岡本おさみと組んでいた頃の拓郎を支持する。70年代の空気を反映し、閉塞感、喪失感に溢れる「祭りのあと」「ひらひら」といった曲たちである。俺が一番好きなアルバムは、松本隆の繊細な詞がマッチした「ローリング30」だ。浅田美代子との新婚時代だったが、浮ついた感じはなく、「外は白い雪の夜」のように、愛の終わりを痛切に描いた曲もあった。発売直前、自らDJを務める「セイ!ヤング」で、全曲を解説付きで流してくれた。この快挙(愚挙!)に感謝した記憶がある。

 カラオケの翌日、タワーレコードに行った。「ライブ73」と「ローリング30」が棚になかったので、HPを調べてみると、取り寄せになるらしい。桜花賞次第で注文するつもりだったが、結果は▲ラインクラフト、△シーザリオの1、2着で、馬連のみの元返し。◎アンブロワーズが14着とはトホホである。
コメント (1)
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