酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

教育という名の凶器~「チームアジア」を阻むもの

2004-12-14 04:19:11 | 社会、政治

 帰省して母や伯母とテレビを見ていると、画面に北朝鮮の映像が流れたりする。金親子への崇拝、統制された国民、貧しい農村etc……。二人の老婆は口を揃える。「昔の日本とおんなじや」と。

 なるほど、ニュースフィルムで戦前の日本の映像を見ると、子供たちは笑みを作り、「立派な兵隊になってお国に尽くします」と健気に決意を述べている。

 パレスチナでの自爆テロを日本人は他人事のように眺めているが、原点は日本赤軍による空港乱射事件であり、遡れば特攻隊へと行き着く。命を天皇に捧げる「散華」こそ皇国教育の極致だったが、今も形を変えてアラブ社会に根付いているのだ。

 教育とは狂気を育み、凶器にもなる。中国での反日教育は問題だが、明治維新から1945年まで「中国人、朝鮮人は劣等民族」と洗脳し続けた日本の教育のありようにも心を留めるべきだと思う。

 10代の頃、東京のラジオ局をチューニングするたび、北京放送に邪魔をされた。「日米の帝国主義者を倒すため、日中の人民は連帯して戦おう」なんておかしな抑揚の日本語でアジっていたが、国交が回復するや、「田中角栄同志」と180度転換する。豹変する国であり、棘さえ抜けば旧に復する可能性もある。

 中国が反日教育を推進するのは、国民の不満をそらす標的を設定しないと共産党支配がもたないからだといわれている。日本の常任理事国入りにブレーキを掛け、アジアNO・1に君臨したいという「中華思想」も根底にあるだろう。それじゃあ、「棘=参拝問題」を抜き、あちらのお手並み拝見というのもどうだろう。

 保守派、改憲派の総大将たる中曽根氏は首相時代、靖国神社に一度だけ参拝したが、その際は中国首脳に十分根回しして、「問題にせず」との言質を取っていた。85年8月15日にはアジア諸国に配慮し、参拝取りやめの理由を官房長官談話の形で公表している。リアリスティックな判断と、護憲派の後藤田氏を官房長官に据えたバランス感覚は、「朝日寄り」の俺でさえ評価せざるをえないのだが。
コメント (1)
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