今年も残りわずか。スポーツ界もビッグニュース目白押しの一年だった。以下に、試合そのものにスポットを当て、極私的ベスト10を選んでみた。
①イチローのシーズン安打記録更新~認知された日本野球(MLB)
②ピストンズがレイカースを粉砕~ラリー・ブラウンの執念(NBA)
③ギリシャのユーロ2004制覇~欧州過密日程が生んだ大穴(サッカー)
④P・マニングのタッチダウン新記録~全米熱狂のマリーノ超え(NFL)
⑤レッスルマニア20でゲレロ&ベノワ戴冠~ブラック・タイガーとワイルドペガサスの到達点(WWE)
⑥マットを這ったビッグネームたち~ロイ・ジョーンズとデラホーヤの落日(ボクシング)
⑦立命と関学の死闘~シナリオのない2幕の傑作劇(関西大学アメフト)
⑧バルセロナ復活~オランダ色を一掃したライカールトの賭け(サッカー)
⑨Qちゃん落選と野口の金~曖昧さが拭えぬ選考ドラマ(アテネ五輪)
⑩同志社復活の兆し~数年後の日本一に向け(大学ラグビー)
スポーツに限らず、アイデンティティーをたやすく感じることがない。そんな俺だが、イチローは熱心に応援した。記録達成が迫るにつれ、割り算したり引き算したりの日々が続く。10月2日朝には、大きな感動と解放感を味わうことが出来た。イチローは個人主義者、新人類と評されることが多いが、守備、走塁に至るまでフォア・ザ・チームに徹している。純粋で頑固、クールで無欲。シーズン中は孤高を保ち、不言実行を貫く。「遅れてきた侍」というのが、真実の姿に近いのでは。
最近のスポーツ界では、金満チームが選手をかき集めている。そんな中、ピストンズに快哉を叫んだ。重長厚大の見本で絶対本命のレイカースを、組織的な守備、スピード、運動量で4勝1敗と圧倒する。エキサイティングで胸がすく10日間だった。
以上が04年の1、2位だが、来年もスポーツに熱くなりそうだ。年明け早々、大学ラグビーで同志社が早稲田に挑む。俺は30年来、対戦相手が母校であっても同志社を応援してきた。そしてW杯予選。テレビの前で声を嗄らさねばならぬ。日本に声援? いや、俺は10代の頃からオランダサポーターなのである。
ひねくれ者、それとも外れ者? さらに言えば「非国民」……。
学問に励まない「非学生」、仕事嫌いな「非社員」はごまんといる。スポーツぐらい「非国民」でもいいと思うのだが……。