<1071> 台風11号
台風の 過ぎ行き椋鳥(むく)の 群来たる
台風10号、11号の影響で四国、九州では記録的な雨になり、被害も出ているが、11号では奈良県でもかなりの雨量になり、昨日は奈良盆地の中央を東西に流れる大和川の流域で冠水の被害があって、ニュースになった。大和川は日ごろ流量の少ない川であるが、大和平野の水が集中する川で、一旦大雨になると、天井川ということもあって、昔からよく洪水を引き起こして来た。
最近は、護岸工事によって洪水に見舞われることも少なくなったが、それでも、大雨や長雨になると、増水した川に水が流れなくなり、ときには逆流する形になって冠水を招く。昨日は生駒郡安堵町辺りで冠水が見られたようであるが、対岸の磯城郡川西町辺りでは頻繁に起きる大和川の洪水に備え、二階部分を住まいにした民家が多く見られたという。
11号は高知県の安芸市付近に上陸した後、四国を横断して、赤穂市付近で本州に再上陸し、日本海に抜けた。その間、奈良盆地の大和平野は強い風雨の空模様になり、ときに激しく降った。午後二時ごろには、空が少し明るくなり、雨も止んで、我が家の近くの電線にムクドリの群がどこからともなくやって来て羽を休めているのが見られた。
しかし、いつもと違って羽を頻りに動かしていた。激しい雨のときはどこに潜んでいたのだろうか。餌にもありつけていないのではないか。しかし、みな元気な様子に見えた。こうして出て来ているということは台風が峠を越え、風雨が徐々に収まって行くということであろう。虫や鳥のような小さな生きものほど自然の状況に敏感で、その動きには信憑性がある。
これは本能によるところで、本能は生きものが長い間、何代もの経験によって得て来たものであろうから、ムクドリの群が現れたということは台風の騒動も収まりに向かっているということになる。それにしてもよく降った。もしかして、台風一過は涼しくなるのかも知れない。半分は期待であるが。 写真は電線に止まるムクドリの群。