Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

親心

2014年09月29日 | Weblog
康誥に曰く、赤子を保つが如しと。

心誠に之れを求むれば、中らずと雖も遠からず。

未だ子を養うことを学んで、而る后嫁する者有らざるなり。


【意訳】

『書経』周書・康誥篇に、

「人君が人民大衆を統治するには、母親が赤ん坊を慈しむようにするのがよい。」と書かれています。

母親が真心を尽くして赤ん坊が求めていることを知ろうとすれば、当たらずと雖も遠からず、その思いを知ることができます。

あらかじめ子育ての方法を学んで、その上で結婚する者はいませんが、真心を尽くせば誰でも赤ん坊の心を察することができるのです。

だから、民衆を治めるのもこのような心で向き合っていけば良いのです。



これは、四書五経の中で、
諸学の入徳之門と言われ重んじられている『大学』の記述です。

私が「親心の学び舎」という親御さんとの学舎を作り続けてきて、
いつも考えているのは、
知識ではなく「心」が大切だと言うこと。

「親心」が大切だということなのです。

「親思ふ 心にまさる 親心 今日のおとづれ何と聞くらむ」(吉田松陰)

知識でも理論でもなく、
わが子を心から慈しむ心。

それが人間の原初にある大切なものだと私は思います。

人としての真心を学ぶこと。
それが若者にとっても、
親にとっても大切なことだと思います。

私は新しい科学の成果とやらよりも、
何千年の風雪に耐えた、古の聖賢の教えの中に、
人の心の真実を見ています。

心は心でしか動かない。

私の経験は、私にそう語りかけてくれます。



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