Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

直すことと治すこと

2010年09月20日 | Weblog
壊れたツリーを直していてふと遠い記憶が蘇ってきました。
父と、或いは母と、子どもの頃に「壊れた何か」を直している場面の記憶です。

それは、おもちゃだったような気もします。
あるいは、器だったような気もします。
あるいはまた、人形だったような気もします。

そこに小さくしゃがみ込んでいたような気もしますし、
小さく額を付き合わせていたような気もします。

もう何かも解らないほど、随分曖昧な記憶ではあるのですが、
確かに何かが壊れてしまって悲しんでいる私の側で、
一緒に寄り添って直してくれている時の父母の空気が、
時を超えて、ふと流れ込んできました。

物が溢れかえっている現代、
壊れた物を「直す」ということをしなくなりました。

たしかに買い換えた方が安い。
また、ブラックボックスとなった複雑な部品が使われているから
素人には修理のしようもない。だから、買い換えるしかない。
そんな時代になってしまいました。

私がふと思ったのは、
「直すこと」は「治すこと」に通じていたのではないかということです。

私は怒りにまかせて何かを壊してしまうことを否定はしません。
勿論、それは好ましからざる事であり、
時として許されぬ事でもあります。
また、今のキレやすいと言われる子どもたちを良しとするつもりもありません。

では、物を大切にする心はどのようにして、
芽生えてくるのでしょうか?

それは、子どもの頃、
物が壊れてどうしようもなく悲しい思いを抱えている時に、
何とか直してあげようと一生懸命に心を砕いてくれた大人が
側にいてくれたからではないでしょうか。

子どもの力では、どうしても直すことの出来ないものを、
とことんまで直そうとしてくれる姿に、
叡智と愛情を感じ、感謝の念を抱き、
子ども心にも救いを得ていたのではないでしょうか。

それは、
「物を直す」作業でありながら、
傷ついた「心を治す」作業でもあったように思います。

壊れた物の方は直らなかったかもしれないけれど、
そのかけがえのない時間のおかけで、
傷ついた心の方は治っていったのではないでしょうか。

そのことが、
物を大切にするという心を育んでくれただけでなく、
心そのものを豊かにしてくれていたように思えてなりません。

「物を直すこと」は、単に物を直すことにとどまらず、
「心を治すこと」にもつながっているのだということを、
教育に携わる者として忘れないようにしようと思いました。
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素直な心

2010年09月18日 | Weblog
素直な心が人間を成長させてくれることを実感しています。

私の尊敬する方々も皆さん素直でいらっしゃいます。
謙虚に人の話に耳を傾けて下さる方ばかりです。

素直であれば衆知が集まるからうまくいくのだと思います。
どんなに優れた人間でも一人でやれることには限りがある。
だから多くの人に学ぶ姿勢を持つことが、
更にその人を大きく成長させていくのだと思います。
また、自分の考えの正しさを検証することに繋がるのだと思います。

生徒たちも素直な子ほど伸びていくことを感じます。

素直とは、単なるお利口さんのことをいうのではありません。
自分の考えもしっかり持っていて、やんちゃでもいい。
ときには失敗をしでかすことがあってもいい。
でも、素直に何かを吸収してやろうという姿勢がなければいけない。

この素直さがなくなった時に人間は成長が止まるのだと思います。

私自身、いつも素直でいよう、笑顔でいようと、改めて思う今日この頃です。

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子どもの暴力事件の多発に思う

2010年09月15日 | Weblog
子どもたちの暴力事件が、
ここ数年、連続して増加しています。

「コミュニケーション能力が不足し、感情を抑えられない子が増えている」

というのが文部科学省の見解ですが、誠にその通りだと思います。

ただ、問題は「どうするか」ということだけです。

今、子どもたちにとって必要なのは、
一人の人間としてしっかり向き合ってくれる大人の存在だと思います。

家庭の中でも親の忙しさのために、
あるいは、
親が大人になれておらず、その身勝手さゆえに、
しっかりと向き合ってもらえない子どもたちが大勢いると思います。

一方、学校は学校で、多くの子どもたちを一斉に教育する場ですから、
当然、一人一人と向き合う時間は限られています。

結局、多くの子どもたちが
大人に真正面から向き合ってもらえない状況が
生まれてきたのではないでしょうか。

べたべたと甘やかすのが向き合うことではありません。
当然、大人としての見識や品位が求められてきます。
大人の生きる哲学が求められているといっても過言ではない。


また、
「個に対する教育」と「集団に対する教育」が
混乱していることも大きな問題だと思います。

「個」に向き合うだけでは、集団統率などできません。
逆に、「集団」としてとらえるだけでは「個」が見えてきません。

マナー教育なども、
「個」に対して行えば素敵で有効な指導が、
「集団」で行えば不気味な姿になることはいくらでもあります。

要は、その匙加減が出来る感性を、
教師や親がしっかりともっているかどうかだと思います。

おそらく、今回のニュースをきっかけとして、
家庭や学校で「躾教育の見直し」を「もっと厳しい指導を」
という声が大きくなることでしょう。

しかし、それでは問題は解決しないと思います。
対処療法ではなく、二手先、三手先を読めば、
「子どもを可愛がる」という選択肢や、
「子どもを信じる」という選択肢が大切な意味を持つはずです。
結果的に行動の変化をもたらすためには、
真っ直ぐなボールを投げることが必ずしも正解ではないのです。

そのことの意味を分かって下さる大人が、
一人でも多くなることを祈りつつ、
私もまた人材育成に全力で立ち向かっていこうと思います。
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教育の難しさ

2010年09月14日 | Weblog
教育の難しさを痛感する日々が続きます。

おそらくその鍵は、
松下幸之助さんが最も大切な事として説かれた、
「素直な心」を持つことができるかどうかということに
かかっているのだと思います。

子どもの頃に親ができる最大の教育は、
「素直な人間に育てる」ということだと思います。

単純なことですが、
「はい」と返事が出来たり、
「こんにちは」と挨拶が出来たり、
それだけのことが、
大人になってから実に
大きな意味を持つようになるものなのだと思います。

また、それだけのことが、
大人になっても実に身についていないものだと感じます。

素直な子どもは大きく伸びるし、
素直な大人も大きく伸びるものだと、
様々な教育の場で痛感します。

能力などではないのです。

素直な心を持った人は、
人に可愛がられ、信頼されます。
そして、その素直さ故に、
沢山のことを吸収し、大きく成長していきます。

私ももっともっと素直さを磨いていきたいと思います。
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賭け

2010年09月09日 | Weblog
自分の持てる力を極限まで高め、
それを伝えられるチャンスを極限まで活かす。

「志の教育」
「言語能力向上」
「プレゼンテーション」
「親としての心の持ち方」etc…。

いずれも
自分を磨かなければならないことばかりだし、
自分自身が学ばなければならないことだらけです。

そして、他人の言葉でしか語ることの出来ない自分であってはいけない。

自分自身の言葉を探し続け、
自分自身の言葉で語る自分へと自己変革を続ける事が
何よりも大切なことなのだと思っています。
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親心の学び舎②

2010年09月06日 | Weblog
親心の学び舎について書いていたら、
とても嬉しいコメントをいただきました。

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今日、先生のブログを拝見して、
この6年間を 振り返り、また涙してしまいました。

第1回 佐賀空港で、Kさんが、涙して語ったことを
とても鮮明に覚えています。

私も 6年前の 木村先生の講座を受け、
とてもとても心に響き、看護師を辞め
親になることの大切さを 選びました。

看護師が大好きだった私も、あのまま続けていたら、
今の子育てはできなかったし、
子供たちの変化を見過ごしていたかも、と思います。

最近は、うちの小さな畑に なっているミニトマトを
三才の娘が いつも 収穫し、お客さんに振る舞っています。

家業を一緒にするようになり、とても大変な時期がありました。
でも、今最大の夢であった、自宅の敷地内で仕事ができ、
子育てでき、の環境が整おうとしています。

これからも 子供たちと たくさんの出来事を
一緒に 見たり 感じたりしたいと思っています。

これからも、たくさんの お話を聞かせてください。

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色々な方と人生の一瞬に出会い、
その出会いがお互いに新たなエネルギーを生じさせ、
次の新たな道が開かれていく…。

人間とは何と不思議な存在なのだろうと思います。

「教学同時」

私もまた学ばせていただいているのです。
受講してくださっている皆様に、心から感謝を申し上げます。

そして、また、私が、新たな私として、
皆様の前に立たせていただくことが出来るよう、
一日一日を大切に、学び続けていたいと思います。

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親心の学び舎

2010年09月04日 | Weblog
昨日は、佐賀で「親心の学び舎」セミナーでした。
「親心の学び舎」をスタートさせてもう6年になります。

ささやかな試みではありますが、
皆様、本当に熱心に学んで下さって、
私としては嬉しい思いで一杯です。

6年間もの長きに亘って付き合わせていただいている
お母様方の成長は本当に嬉しいものですし、
色々な苦しみを乗り越えて行かれたお母様方の姿も
私の心にしっかりと刻まれています。

子育てにはマニュアルなど無いと思います。
あるのは、親としての心の持ち方だけ。

私にできることは、少しでも「気づき」のお手伝いをし、
変化のきっかけとなる瞬間を共有させていただくこと。
それだけです。

大いに楽しみ、大いにリフレッシュして、
明日からの子育てを頑張ってくださったら、
それだけで私は幸せです。

より良い人生を送りましょう!!

また、お会いできる日を楽しみにしています。





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