
金曜日の昼、福岡空港から鹿児島空港へ飛んだ。
土曜の朝、鹿児島空港から羽田空港へ飛んだ。
月曜日の今日、羽田空港から最終便で福岡空港へ飛んでいる。
機内のビデオでは安曇野の映像が流れている。
大学を卒業してサラリーマンになった頃、
「安曇野の春」という絵を買った。
毎月一万円ずつ二年間かけて支払っていった。
安月給の新入社員にとっては大変な買い物だったが、
それほど気に入ったのである。
今、その絵は私の福岡事務所の応接室にかけられている。
やはり変わらず気に入っている。
ビデオを見ていて安曇野を旅したいという思いが募った。
日本の素晴らしい場所をあちこち訪ねてみたいと思う。
横山大観ゆかりの五浦にも行ってみたい。
「人生は旅である」という言葉は、
言い古されているものの、やはりそうだと思う。
私の人生の旅はどういう結末を迎えるのだろうか。
最近、高校で詩の授業をやっているのだが、
「千の風になって」の英詩をもとに、
自由に詩の世界を作らせたところ、
素晴らしい31の詩が誕生した。
生徒も私もその詩を目にして鳥肌が立った。
そして、一緒に読みながら涙ぐんでいた。
・・・ふと思ったことがある。
私の父は、自分の墓に「風居」とだけ文字を刻んだ。
気性の激しい、そして暖かい、父の字である。
亡き父は、この詩を知っていたのだろうか。