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未唯への手紙

未唯への手紙

ウィーン包囲の衝撃 テュルクとヨーロッパ

2016年09月16日 | 4.歴史
『チュルクを知るための61章』より

中央ユーラシアを西進した遊牧騎馬民のヨーロッパ侵入としては、4世紀から5世紀にかけてゲルマン大移動の契機も作ったフン族のそれがよく知られている。その後も、テュルクに属するブルガルが5世紀にビザンツ帝国領を窺い、6世紀にはユスティニアヌス一世時代のコンスタンティノープルを包囲した。また7世紀にやはりテュルク系のハザルがヴォルガ下流域から北コーカサスに国家をたてたことも知られている。さら11世紀になるとオグズが黒海北岸からバルカン半島へ入ってビザンツ領内を寇掠した。このように、史上多くのテュルクが黒海北岸を通ってヨーロッパヘ入った流れを受ける形で、11世紀後半以降、イスラム化したセルジューク朝がイランから黒海南岸のアナトリアヘ入り、さらにオスマン朝が14世紀にバルカンヘの進出を始めたのである。

オスマン朝の第十代スルタン、スレイマン一世(在位1520~66)は即位の翌年にベオグラードを攻略してバルカン高地からハンガリー平原へ下る関門を押さえると、良質の小麦と馬とを産し、トランシルヴァニアやオーストリアヘもつながるこの平原を支配すべく、1526年にハンガリー遠征軍を起こして国王を敗死させ、その首都ブダを占領した。スルタンに服従を誓ったハンガリー諸侯は後継国王にトランシルヴァニア侯サポヤイ・ヤーノシュを選んだが、ハプスブルク家のオーストリア大公フェルディナントを頼る諸侯もおり、まもなくサポヤイはフェルディナントによってブダを逐われた。サポヤイの支援要請を受けて、スレイマン一世は1529年5月に再度ハンガリーヘ遠征し、途中、サポヤイを臣従させた上であらためて王位に就けると、ブダを攻めてこれを陥落させた。そしてさらに、敵対勢力の背後にいるハプスブルクを討つべく、ウィーンヘ向かったのである。

スレイマンの動きを見てフェルディナントはウィーンの後方へ待避し、一方その兄カール五世もフランス王フランソワ一世対策で東方を支援するゆとりを持っていなかった。ウィーンの危機は深刻だったが、この年の悪天候がウィーンに幸いした。大雨と洪水とに悩まされてブダ入城までにも2か月を費やしたオスマン軍は、その後も泥淳に行軍を妨げられ、ようやくウィーン城下へ到着した9月末近い日も大雨だったと記録されている。城壁砲撃用に準備した巨大砲も行軍の妨げになるとして途中放擲してきたオスマン軍に対し、ウィーン側は十分な準備期間を得て、人員、武器弾薬の調達を済ませ、城壁の補修も終えていた。こうしたなか、10月1日から攻撃を始めたオスマン軍は、城壁を突破することができないまま降雪を迎え、2週間あまりで撤退を余儀なくされたのである。

陥落を免れたとはいえ、神聖ローマ皇帝の本拠地が包囲されたことはキリスト教世界に大きな衝撃を与えた。だが、その衝撃の結果、「トルコの脅威」を目の当たりにしたヨーロッパがただ怯えたりあるいは一致協力してその脅威にあたろうとする機運を生み出したりしたわけではなかった。まず、即位以来カール五世と対立し、1525年にはフランソワー世自身がハプスブルク軍に敗れてスペインで捕虜になるという危機を迎えていたフランスが、ハプスブルクに対抗し得る勢力を糾合しようとしてスレイマン一世に接近を図っていた。そしてウィーン包囲後の1534年から35年にかけ、両国の使節が相互に双方の首都を訪問し合い、同盟関係の確認がなされるに至った。なおこの間、1532年にはスレイマンは3回目のハンガリー遠征を行い、その後オーストリアヘ入ってウィーンの南を進んでグラーツにまで進軍していた。フランソワー世は、こうした強大なオスマン軍の存在を背景に、ハプスブルクの圧力を回避することに成功し、やがて国内の集権化を進めて近代的主権国家の基礎を確立することになるのである。

同じようにカトリック皇帝カール五世と争う形で勢力の確立を目指していたドイツの新教諸侯にとってもまた、オスマン帝国の存在は重要だった。1521年に教皇から破門されていたルターは、オスマン軍の侵攻をローマの腐敗堕落に対する神罰と認識し、「トルコ人」と戦うことに反対するほどであったことが知られている。1526年にスレイマン一世によってハンガリー遠征軍が起こされると、新教諸侯はハプスブルク兄弟(カール五世、フェルディナント)からの支援要請を受けて、シュパイアーにおける帝国議会で新教諸侯ならびに帝国都市が教義を選ぶ自由を獲得した。さらに1532年のオスマン軍による第三回ハンガリー遠征に際してはニュルンベルクの宗教和議締結を引き出すなど、1555年にルター派を公式に容認させるアウクスブルク宗教和議に至る過程で、皇帝の背後を脅かすオスマン帝国の存在は。ドイツ新教諸侯にとって常に大きな意味を持っていた。

やはりハプスブルクの支配を受けていたネーデルラントのカンルヴァン派(ユグノ-)にとっても、オスマン帝国の存在は重要だった。カール五世から同地を生前に譲り受けた、その長子であるスペイン王フェリペニ世は、熱烈なカトリック戦士として新教の弾圧を強行していたが、同時にフェリペは地中海においてオスマン海軍に対する大規模な挑戦を始めていた。この活動がネーデルラント独立運動に対するスペインの圧力を弱めることを理解した運動の指導者オランイェ公ウィレムは、イスタンブルヘ使節を送ってスペインに対するオスマン海軍の攻撃継続を要請したのである。

このように、ハプスブルク家の支配ないし脅威を脱して、近代主権国家へと連なる権力の確立を目指した諸勢力にとって、オスマン帝国の後ろ盾は大きな意味を持っていたが、ハプスブルクの王たちもまた、イスラームあるいはトルコの脅威からヨーロッパキリスト教世界を防衛する「神聖な任務」を遂行するものとして自らを表象することで、その支配の強化を図ることができた。とくにボヘミアにおいてはフェルディナントが「トルコの脅威」を掲げつつ新教派の都市を抑圧したり、銀山採掘権を手中に収めたりしながら、その支配を強めていったのである。

こうしてヨーロッパ諸国が変容を遂げる上でオスマン帝国の存在は小さからぬ役割を果たしたが、スレイマンの遠征から1世紀半後の1683年にオスマン軍が二度目のウィーン包囲に失敗して敗走すると、オーストリア、ポーランド、ヴェネツィアが「神聖同盟」を結んで攻勢に転じ、オスマン領を奪取し始める。そしてこの攻勢は、19世紀になると「東方問題」を生み出すことになるのである。

偶然には意図がある

2016年09月15日 | 1.私
偶然には意図がある

 偶然には意図がある。それはシステム開発の時に感じた。全く新しいオンラインシステムを作ろうとしたときに、それに必要な機能が始めた途端にIBMから出てきた。同じように、人間も必要なものが出てきて、邪魔なものが去りました。やる決意次第です。

 その後は、出てくるものから推測すると何を創らせようとしているかが見えてきた。未来を知って、そのために何が必要なのかを考え始めた。偶然から全てが始まる。

 豊田市に帰って、新刊書が手に入るようになった。新刊書が偶然の可能性を拡げてくれた。

コンパクトな持ち物

 持ち歩くものが決まりました。いつでも未唯宇宙を見ることができ、コンパクトです。この際 、10Kg やせようか。そしたら、ヨーロッパに行ける。やせるためには、体重測定から始めましょう。朝一番に体重計ですね。

乃木坂とはバーチャルな関係

 やはり、全握は行かないことにします。あまりにも見えない。乃木坂に関しては全て、ネットの上で片付けます。リアルはバーチャルだから。現地でも遠くにある、ビジョンを見るだけです。

連続するスケジュール

 中間の時間に何をしていたかで、そのステージを色分けます。第1ステージ:8時~9時半なら、9時が中間の時間です。そこで使う言葉は登録制です。「反映」「アップ」「読書」など

 代表の項目が終わったら、未唯宇宙の詳細に取りかかります。

私は無の存在

 決して、自分からはアクセスしない。無の存在です。気がつかれなければ、そのまま。これは中野の時に習得したスタンスです。

リクの看取りはいつ

 『イヌの看取りガイド』唯一の話相手のリクは何を考えているのだろう。この最近は、床にへばっていることが多い。

岡崎市図書館の10冊

2016年09月15日 | 6.本
396.2『アシュリーの戦争』米軍特殊部隊を最前線で支えた、知られざる「女性部隊」の記録

316.4『テロリズムと現代の安全保障』テロ対策と民主主義

494.5『孤独を克服するがん治療』患者と家族のための心の処方箋

210.4『分裂から天下統一へ』シリーズ日本中世史④

645.6『イヌの看取りガイド』イヌのきもちと病気と介護がマルわかり

942.7『テロ』

780.6『学問としてのオリンピック』

167.1『イスラーム信仰概論』

289.3『チャーチル・ファクター』たった一人で歴史と世界を変える力

229.2『ウラジオストク』日本人居留民の歴史 1860~1937年

待っといてくれる人

2016年09月14日 | 7.生活
名古屋のスタバ

 やっと、名古屋に来れました。以前の通勤時間の高速バスで来て、吉野家で並卵を食べ、スタバへ。今日はIさんが出勤しています。

 「久しぶりです。ご無沙汰しています。緑です」「この間、メールを送ったから(来てくれたんですね)」

 「違和感がない。毎日来ているみたいな感覚でした」「今後は、いる日とかピンポイントで連絡しますので」「イベントがある日は居ます」「9月1日(新しいアニバーサリー)とか9月9日(コーヒーの倫理的調達の日)とかは居ました」「こっちまで、来てもらうのも大変だから」

 (全然変わらないんですね)「そうはいっても、まだ、半年しか経っていないので」(髪型が一緒のバリスタが豊田に居て、間違えた)「雰囲気変わりますよね」「気持ちは豊田まで運んでいますので」「ゆっくりしていってください」

 2分の会話後はラテを飲んで、ミッドランドスクエアへ。

待っていてくれる人がいる

 待っていてくれる心が嬉しいんです。乃木坂の握手会に行く人の心理がよく分かる。スタバも握手会をすればいいのに。今週末のポートメッセの全握に行こうかな。

未唯宇宙1.2

 未唯宇宙1.2は「本質」ではなく、「存在する意味」にします。「夢」は最初ではなく、最後です。

Iさんとのやりとり

 Iさんへは季節の挨拶を合図で送るから、それに対して、対応可能な日をリプライして下さい。そろそろ、行きたい、逢いたい、見たいという合図です。この前なら、「暑いですね」でした。そのままのリプライで動けなかった。

1.3.4「存在の力」

 意思の力を存在の力で崩していくのが、1.3.4「存在の力」です。組織とか社会は意思の力です。その矛盾を突いて、ハイアラキーに攻撃を仕掛ける。その最大の武器がサファイアです。ローカル中心の循環で活性化させる。

 「サファイア」は生ちゃんのリボンの騎士の役名と同じです。こんなところにもつながりを感じます。ついでに言えば、サファイア循環の「サファイア」はパートナーの誕生石です。

映画館の最前列で気分休め

 映画は「超高速参勤交代リターンズ」にした。何も考えずにいられるので。最前列の真ん中に居座った。後方座席には割と多くの人たちが居た。

 舞台は茨城でなく、もっと上のようでした。久保田さんには間違って送ってしまった。

 映画のコンテンツに広さは感じなかった。のんびりメガネを外して見ていた。

未唯宇宙の位置づけ

 未唯宇宙そのものは分化であり、統合への道筋を示すもの。存在と無の最初は矛盾とかではなく、もっと先を見たモノです。進む道です。未来学者になる、未来を知る、そっちへ持って行かないと。

 出発点が存在と無ということ。そこから答えは一つしかない。存在は内なる世界を作り上げて、それを数学者として分析することは未来を示す。それが出発点。出発点が答え。

孤立と孤独は説明

 孤立と孤独は説明です。存在しなくなる、つまり、無になることがある以上、それが放り込まれたことで起こった以上は、他者の存在は気にしないし、承認は受けない。

 答えとして、真理を求めていく。当然の流れです。真理は存在の証し。自分自身が納得するもの。皆にとっての真理ではなく、自分にとっての真理のために、社会学はするけど、数学と哲学がベースとなる。

トポロジーは大きなヒント

 その中で、トポロジーの説明をしています。順番はかなり変わってきます。

 トポロジーを習ったのは偶然ではなく、必然です。ベースとなるものから答えを持ってくる。そのツールとして、トポロジーがある。トポロジーは従来の考え方と大きく変わっていた。空間を作り上げること、つまり、近傍系から全体を作り上げることが可能です。

 これに気づいているものは多くない。ごちゃごちゃしたことの組み合わせで考えていて、そこでいかに金儲けするとか、自分の場所を見つけることに汲々としているが、ベースはもっと単純です。点から関わってくること、それに位相を入れること。

 そういう全体の座標系がなくてもできることが、今、求められているものです。それが存在の力のベースになっている。この並び順序も変えていかないといけない。トポロジーというものがあって、それは部分と全体に分かれる。部分を統合して、全体が作り出される。最終的にモデルがある。モデルがあって、モデルは先でも後でもいい。

未唯宇宙1.2は存在の説明

 夢の部分は作られたモノです。外部との接触がなければ、夢はない。仕事は夢を実現してきた。外なる世界に対して、何をしたらいいのか。やってみると、自分のために準備されたものがいかに多いか。インターネットにしても、パソコンにしても、会社にしても全て用意されていた。この感覚がある限り、自分は主役です。脇役はいません。

 未唯宇宙はオーラルだけでも膨大なものになりそうですね。一個一個をつながりという面と単独が持っている独立性で考えていく。独立性を重要視していく。そこにあるものは偶然ではない。

人間の悪が平和の条件である

2016年09月14日 | 3.社会
カント『永遠平和のために』NHK講座より

「共和的な体制」の条件とは

 カントは、永遠平和を実現するためには「世界国家」ではなく、「国際的な連合」をつくるべきだと主張しました。国家の集合体である連合をつくるには、まずはそれぞれの国家がすでに法的な安定状態を確立していることが前提となります。そこで今回は、国家(国内)体制のあり方について、カントがどう考えていたのかをみていこうと思います。

 第二章「国家間における永遠平和のための確定条項」のなかの第一確定条項が、国内の体制について書かれた部分です。ここでカントはまず、国際的な平和連合をつくるためには「どの国の市民的な体制も、共和的なものであること」が重要であると述べています。そして、その成立に必要な条件を以下のように記しています。

  共和的な体制を構成する条件が三つある。第一は、各人が社会の成員として、自由であるという原理が守られること、第二は、社会のすべての成員が臣民として、唯一で共同の法に従属するという原則が守られること、第三は、社会のすべての成員が国家の市民として、平等であるという法則が守られることである。この共和的な体制こそが、原初の契約の理念から生まれたものであり、民族のすべての正当な立法の基礎となるものである。

 ごく素直に読めば、「個人の自由と平等が守られていて、すべての人が共通の法にしたがうのが共和的体制である」という意味にとれますが、ここでカントが言っている「自由」「平等」は、現代の私たちが用いる言葉とは若干意味が異なることに注意が必要です。カントの「自由」「平等」は、どちらも法のあり方やそれに対する関係のことを表しています。

 「自由」というと私たちは、他人に迷惑をかけないかぎり何をしてもよいといったことをイメージしがちです。しかしカントがここで言っている「自由」とは、「国民は自分たちが同意した法にだけしたがい、同意していないもの、つまり誰かに勝手に押し付けられた法にはしたがわなくていい」ということです。

 「平等」のほうも、「男女平等」とか「人間には貴賤はない」といった意味が込められているのではありません。「法にはすべての人がしたがうべきで、例外は認められない」ということです。国民全員が同じ法の下に拘束されてはじめて、法の下の平等は実現されます。「他人に法にしたがうことを要求しておきながら、自分は法にしたがわなくていい」という人聞かいるのでは平等とは言えません。カントは、「法の公平性」というものを重視し、それが担保されている社会が共和的な体制であると考えたのです。

 共和的な体制を構成する三つの条件を挙げた後に、カントは引用文で「この共和的な体制こそが、原初の契約の理念から生まれたものであり、民族のすべての正当な立法の基礎となる」と続けています。「原初の契約」とは、第1回でご説明した「社会契約」のことです。自然状態では人間は互いに争い合ってしまうので、それぞれの権利や安全を守るために共通の法を自ら定め、それにしたがうことを互いに約束することで、国家(政府)をつくったーと考えたのが社会契約説でした。社会契約説を素直に解釈すれば、人びとが自ら政府をつくったのだから、国家の主権は人びとにある、ということになります。人びとが自ら定めた法にのみ平等にしたがう共和的体制こそ、社会契約の理念から直接生まれてくるものであり、それこそが立法の正当な基盤となる、ということです。したがって、カントがここで言っている「共和的な体制」とは、現代で言えば「主権在民」、すなわち国民が主権をもつ国民国家の体制に該当します。

「民主制」という言葉の意味

 ではなぜ、「共和的な体制」こそが永遠平和を実現するために適したものなのでしょうか。カントはその理由を以下のように述べています。

  この体制では戦争をする場合には、「戦争するかどうか」について、国民の同意をえる必要がある。共和的な体制で、それ以外の方法で戦争を始めることはありえないのである。そして国民は戦争を始めた場合にみずからにふりかかってくる恐れのあるすべての事柄について、決断しなければならなくなる。みずから兵士として戦わなければならないし、戦争の経費を自分の資産から支払わねばならないし、戦争が残す惨禍をつぐなわねばならない。さらにこれらの諸悪に加えて、たえず次の戦争が控えているために、完済することのできない借金の重荷を背負わねばならず、そのために平和の時期すらも耐えがたいものになる。だから国民は、このような割に合わないくばくち〉を始めることに慎重になるのは、ごく当然のことである。

 この部分はとてもわかりやすい論理で書かれています。専制君主国家では、戦争をするかしないかは君主が一人で決めるのに対して、国民が主権を持った国家(共和制国家)では、それを決めるのは国民自身です。そうなると、おのずと自分たちの命を危険にさらすような馬鹿な真似はしなくなります。誰だって死にたくはないし、軍備を拡張するために高い税金を課せられるのは嫌でしょう。だから、戦争を起こさなくするためには国民主権の国家体制が望ましい、とカントは言うのです。

 ただし、少しややこしい問題があります。というのも、カントはこの少し後でこう述べているからです。「共和的な体制は、民主的な体制と混同されることが多いが、この二つを区別するには次の点に配慮する必要がある」と。カントによれば、共和的な体制と民主的な体制は別のものだということです。このカントの指摘を受けて、両者が具体的にどう違うのかと戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。少し説明しておきましょう。

 カントは、国家のあり方を分類する基準として「支配の形式」と「統治の形式」の二つを挙げています。まず、「支配の形式」とは、支配する権力を握っている者の人数によって分類する方法のことで、権力者が一人の場合は「君主制」、複数人の場合は「貴族制」、すべての人が支配する権力を握っている場合は「民主制」に分類されます。「民主制」という言葉の意味が当時と現代とでは少し異なるんですね。つまり、カントの言う「民主制」とは、国民全員が国会に参加して、すべてをみんなで決め、さらに国民全員でそれを執行するという体制-つまり「直接民主制」のことを指しています。

 この分類にしたがうなら、現在の日本のあり方は民主制ではなく、貴族制に近いということになります。日本では主権は国民にありますが、国民は選挙で国会議員を選び、その国会議員で構成される国会が立法権を有し、さらに法の執行は国会とは区別された行政機関が行うという間接民主制ですから、すべてのことを全員が直接決めて執行する直接民主制とは異なります。

 カントはこうした「支配の形式」よりも、「統治の形式」に注目することこそが、平和な国家を実現するうえでは重要だと考えました。「統治の形式」とは、立法権と行政権の関係によって国家のあり方を分類する方法のことです。カントは、統治の形式において国家のあり方は「共和政体」と「専制政体」の二種類に分けられるとして、その違いを述べています。

  共和政体とは、行政権(統治権)が立法権と分離されている国家原理であり、専制政体とは、国家がみずから定めた法律を独断で執行する国家原理である。

 要するに、行政権と立法権が分離しているのが共和政体で、行政権と立法権が分離せずひとつになっているのが専制政体です。カントは共和政体を支持しました。ルールを定める側(立法)と、それを実際に執行する側(行政)が分離していないと、執行する側が自分に都合のよい法を勝手につくり、やりたい放題の状態になってしまうからです。

 第1回でもお話ししたように、「人間は邪悪な存在である」という人間観をカントは持っていました。人間は好きなことをしていい状況におかれると、自分だけの利益を考えてよからぬ方向に向かうものである。だからこそ、そうならないために、立法と行政はしっかり分けるべきだー-’とカントは考えたのです。

 カントが「民主制」を否定したのも、この論理とつながっています。ここでの「民主制」とは直接民主制のことを指しますから、民主制国家とは、国民全員で法を定め、国民全員でそれを執行する国家ということになります。いわば全体主義です。全員で立法と行政をになうため、立法権と行政権は分離されえず、カントの論理でいえば、「民主制=専制政体↓否定すべきもの」となるのです。

 話がややこしくなりましたが、要はカントの言う「共和的な体制」とは、現代で言う「民主的な体制」のことを指していると考えてください。

未唯宇宙を考えていたい

2016年09月13日 | 1.私
今の危機感

 平和ぼけ? 今が平和? その言葉自体が危機感です。

未唯宇宙を考えていたい

 ずっと、未唯宇宙を考えていられるのはどうしたらいいか。残り少ない時間をこれに費やしたい。他の選択肢はなくなっています。

 板を持ちましょう。メソポタミアのタブレット(粘土板)として。そのために持ち運ぶ道具を工夫している。

存在と無という矛盾

 存在と無という矛盾から始まった。存在は内なる世界につながる。考え抜くことで時間を超えないといけない。

乙女座との相性はいいのにつながらない

 乙女座との相性は95なのに、まるで現れない。ケータイの向こうに居る感じがしない。「元気?」ぐらいのプッシュをしてみようか。そうなると反応を待つことになる。これは更につらいことになる。

 中野の時を思い出す。あきらめるのに、半年かかった。それから20年。未だに待っているところがある。

未唯宇宙1.1

 未唯宇宙1.1もロジックになっていない。特に最期の1.1.4空間の意味合いが不明。これはトポロジーとします。矛盾から始まって、内なる世界、そこは孤立と孤独の世界。そこから真理を求める。真理を求めるところで空間が出てきた。真理から数学へ行って、空間に行っています。

玲子さんが退行している

 玲子さんが何か幼稚化しています。退行している。

 あまりにも暇だから、明日、スタバでおしゃべりしましょう、とお誘いがあったけど、名古屋に行くつもりであったので、断ってしまった。その時の電話の向こうがおかしかった。

 「おじさんに断れた」という声が聞こえていた。後から電話すると言っていたが、未だにない。まあ、信頼を破ることはないから、待ちましょう。

NHKはネット配信が分かっていない

 テレビと同じようにプッシュすればいいのではない。コンテンツをバラバラにして、プルを可能にすることです。関心がある人がボランティアでやっていく。ユーザーとの合作です。図書館のように無料です。

書き込み自由なキンドルが欲しい

 キンドル・オアシスならば、書き込むことを自由にすればいい。本は読むだけでなく、書くもの。そのためのタブレットでしょう。

OCR化した7冊

2016年09月12日 | 6.本
『タイの基礎知識』

 「居心地」の良い社会

 急増する外国人労働者

 拡大する第三次産業

 「自由」な社会と「不自由」な社会

『人間と実存』

 人生観

『民主主義の内なる敵』

 民主主義の将来

 民主主義--夢と現実

 私たちの内なる敵

 再生に向かって?

『日出づる国の誕生』

 天智天皇--東アジアの激動の中で

  誕生から政治世界への登場

   誕生と名前

   田村皇子の即位

   舒明の殯における誄の奏上

  改新前夜

   東アジアの風雲

   国内支配のいきづまり

   中臣鎌足

   改新派の結集

  大化改新

   乙巳の変

   新政権の樹立

   地方への使者派遣

   改新の詔

   部民制の廃止

   評と国

   冠位制と中央官制

   難波遷都

   二つの謀略

   白雄改元

  造都と北征

   倭京改造

   有間皇子の変

  百済の役

   改新後の外交

   船団による北征

   百済の役

   国土防衛

   甲子の宣

  近江の都

   近江遷都と即位

   庚午年籍

   遊楽と鎌足の死

『地球温暖化は解決できるのか』

 私たちに何ができるのか?

 第1節 温暖化対策を進めるために必要なこと

  電気を脱炭素化するために必要なこと

  再生可能エネルギーの課題と解決策

  考えてみよう! 日本のエネルギー選択と温室効果ガス削減目標

『ナッツの歴史』

 ドングリ

 マカダミアナッツ

 現代のナッツ産業

『サイバー戦争論』

 21世紀の戦争

  国家総力戦から複合戦争へ

  サイバー攻撃と戦争

  純粋サイバー戦争

  サイバー戦争の終わらせ方

 エストニア共和国に対するサイバー攻撃 一国を震憾させたサイバー攻撃事件

  強国の盛衰に翻弄された歴史

  真犯人は不明のまま

 イスラエルによるシリア空爆にと屯なうサイバー攻撃

  戦闘を支援するためのサイバー攻撃

  スラエル空軍機は探知されなかった

  敵ネットワークに侵入してシステムを阻害?

 ロシア・ジョージア戦争におけるサイバー攻撃 民間人が自ら戦争に参加する時代

  サイバー攻撃は戦闘と連携していた

  民間人が自らの意志で戦争に参加、協力した


反映対比表 2016 Week 35

2016年09月12日 | 1.私
08月29日

 読書は格闘技 6.2.2.1(2) 読書は格闘技

 ウィトゲンシュタインにおける仕事  1.2.3.1(3) 本質が見える

 論考の理論 1.4.1.2(2) 根源を考える

 一年半ぶりの歯医者 7.2.2.1(4) 悪くなる

08月30日

 台風を乗り越えた 7.5.3.1(2) 女性の笑顔

 違和感 7.2.2.1(4) 悪くなる

 玲ちゃんの昼寝 7.5.3.1(3) 女性の生き方

08月31日

 話を聞いてくれる人 1.4.3.2(2) 仏陀にスジャータ

 グループの運営 10.3.4.3(1) 運営

 ギリシャをサービス立国に 10.2.2.4(3) サービス立国

09月01日

 機能よりもコンテンツ 8.6.3.4(3) コンテンツ

 乃木坂は先を見ている 9.6.3.4(1) 配置で再構成

 ライブ専用スタジアム 9.8.2.4(4) ローカル活動を保障

 エコットは再設計の時期 3.2.3.3(4) 市民会議を仕切る

 販売店システムは高度サービス 9.8.2.3(1) 資本からサービス

 歴史上最初の環境問題のスタバマグ 9.1.2.1(4) 有限である

09月02日

 スマホの時代は終わった? 3.1.1.4(4) コミュニティ化

 コミュニティとコミュニケーション 8.4.3.2(4) コミュニケーション

 豊田市図書館の新刊書 6.3.1.2(1) 新刊書争い

 137億年のなかの<今>を感じて 1.3.2.1(2) なぜ、<今>なのか

 未唯の子ども 7.2.1.4(1) 未唯(Ⅱ)に引継

 神宮3日間の感想を生ちゃんがアップ 7.5.3.1(2) 女性の笑顔

 木曜日はエコットでの100円コーヒー 3.2.3.3(1) 市民グループ結成

 6次産業化政策の登場 10.3.4.3(2) 論理的なつながり

 青森市のコンパクトシティ 10.3.3.2(1) コンパクトシティ

 「記憶を還元する」--図書館-- 6.1.1.1(4) 図書館とは

 『図書館戦争』 6.3.4.4(3) 図書館戦争

09月03日

 リアルの本が読みづらい 6.2.3.3(2) 読書経験が進化

 「地域」の定義としての近傍系 2.5.3.1(1) 領域を定義

 心の整理というけれど 7.6.2.2(1) メリハリ

 未唯へ

 監視と自由 10.2.4.3(3) 監視と自由

 格差は主観的なもの 9.1.1.2(1) 社会格差

 ユダヤ教について学ぶ意義 4.3.1.3(3) 偶然が歴史を創出

 カタチにならないものの強さ 1.1.3.2(2) 存在を確認

 資本主義の帰結としての消費社会 9.6.3.3(4) 共有による資本主義

 消費社会における人間の疎外 4.5.2.1(3) 地域は手段を喪失

 孤立する消費者たち 10.2.4.2(2) 消費者社会

 監視社会 10.2.4.3(3) 監視と自由

09月04日

 図書館は分化と統合の場 6.5.1.3(4) 意識と知識を保証

 ラジオによる台所の統制 4.1.3.2(2) 地方を中央に直属

 「無駄なくせ闘争」の十ヵ条 4.1.3.2(4) 依存は心地いい

 沖縄の高校生が『図書館戦争』を読んだら 6.3.4.4(3) 図書館戦争

反映対比表 2016 Week 34

2016年09月12日 | 1.私
08月22日

 未唯宇宙のコンテンツ 1.6.2.2(2) コンテンツ

 行動の連続性 2.5.3.3(2) 行動の連続性

 インド現代史 不目然な国 4.7.4.3(2) 中国とインドの二軸

 インド現代史 インドが生き残る理由 4.7.4.3(2) 中国とインドの二軸

08月23日

 現在の状況 7.3.1.4(1) 生活パターン

 現状からの脱出 7.3.1.4(1) 生活パターン

 オリンピックへの感想 4.8.2.4(1) 地球規模の課題

08月24日

 車の運転はいつまでできるか 7.2.2.4(1) 行動の影響

 行けない口実を求めている 7.5.3.1(4) 心を開いて!

 本はなぜ、バラバラにできないのか 6.7.4.2(3) バラバラにする

 テロを徹底させるとしたら 4.3.3.1(3) 民族・国家の争い

 チェの戦い 4.3.1.1(4) 殺される

 東アジアの厄災 4.7.4.3(2) 中国とインドの二軸

08月25日

 心配事 7.3.1.4(1) 生活パターン

08月26日

 ラジオ局でネットテレビ 8.1.4.2(4) ネット放送

 生産性と存在 7.4.4.4(2) 生活規範

 最終コンタクトから結論 7.5.3.1(1) メールはトラウマ

 歯が痛い7.3.1.4

 記念すべき日 6.3.1.2(1) 新刊書争い

 中華ソビエト共和国 4.1.4.2(3) 広大な中央集権国家

 ワシントンに救われる 4.1.4.2(2) 中国全体を取り込む

08月27日

 考える単位 4.1.1.2(4) アラブの春その後

 人は移動しない。国が移動する 7.2.3.3(4) 作り上げる

 故郷を作り上げる 7.2.3.3(4) 作り上げる

 字が読めなくなっている 7.2.3.3(2) ものを書く

 移民に対する考え方 4.4.3.1(1) 地政学

 玲ちゃんからメール 7.5.3.1(3) 女性の生き方

 オランダとギリシャのユダヤ人の命運  7.2.3.3(3) 組織に対抗

 我々はヒトラーの世界の中を動き回る 4.5.1.3(1) 分化した市民

08月28日

 EUという超国家 4.7.4.1(1) ユーロ崩壊

 極右は全体を表していない 9.2.4.3

 神宮の先にあるもの 7.5.3.2(1) 無であること

 すべては集中から始まる 7.7.1.2(3) 集中する

 ブレイクダウン:先延ばしを克服する 7.5.2.1(4) 先延ばししない

反映対比表 2016 Week 33

2016年09月12日 | 1.私
08月15日

 編集という仕事 7.2.3.3(2) ものを書く

 編集の役割--読むこと、そして挑発=媒介 6.7.3.2(1) 集め、整理を一元化

08月16日

 動けられなくなっている 7.2.2.4(1) 行動の影響

 相性はいい日なのに、何もない 7.5.3.1(4) 心を開いて!

 未唯空間1.2「本質」から『存在の意味」1.2 本質

08月17日

 図書館の未来 6.8.4.3(2) 図書館クラウド

 クラウドでのハイパーリンク 6.6.1.4(3) ハイパーリンク

 本には著作権はない 6.7.4.2(2) ビジネス変革

 社会の革新を図る 9.2.4.3(4) 社会の革新

 データベースの配置 10.4.1.4(2) 想像力の基盤

 「部品表」から仕事を始めた 5.1.1.1(3) 大容量データ解析

 単目的での行動 7.4.1.4(3) 心のままに

 ハレー彗星はいつ戻る 7.5.3.1(3) 女性の生き方

 未唯宇宙の対象 10.8.2.3(1) 対象

 コグニファイング(認知化していく) 8.7.3.1(2) 認知化

 フローイング(流れていく) 8.5.2.4(4) 流れていく

 アクセシング(接続していく) 8.7.3.4(2) 接続していく

08月18日

 駐車場の狭いコンビニが生きる道 3.1.1.2(2) 地域特性を研究

 こんな世界はどうでもいい 1.4.2.1(4) 他者の承認は不要

 トラッキング(追跡していく) 1.6.2.4(2) 追跡可能にする

 ビカミング(なっていく) 10.5.4.3(2) さあ!始まる

08月19日

 小乗と大乗 10.5.1.1(3) 南無阿弥陀仏

 図書館サービスコスト 6.3.2.3(4) 図書館サービス

 民主主義の自由と生ちゃんの自由 10.2.4.1(4) さまざまな自由

 自由と専制と中間の場 4.6.1.4(1) 自由を保証

 行政による専制 9.2.1.4(2) 地域の自律

 自由のあるデモクラシーの可能 9.6.4.4(2) 市民に武器

 監視社会への警戒心 9.6.4.4(2) 市民に武器

 アーレントの政治哲学 9.2.4.3(3) 新しい常識

 『特別の教科 道徳Q&A』より どうして今、道徳教育なの? ⇒ 生きるためのインフラを変えるには、何をしたらいいのか? 大人から変わる手段が必要!

 今の子どもたちにはどんな未来が待っているの?(子どもたちが生きる未来社会) 7.7.4.2(3) 子どもの未来

 未来を生きる子どもたちはどんな力を身に付けれはいいの?(成熟社会で求められる力) 7.4.1.1(2) 生きるは考える

 そもそも道徳って何?(道徳の定義) 10.5.1.4(3) 道徳に転嫁

 道徳教育は「いかに生きるべきか」に答えてくれるの?(生きる力を育てる道徳教育) 10.5.1.4(3) 道徳に転嫁

 外国にも道徳教育があるの?(諸外国の道徳教育) 10.5.1.4(3) 道徳に転嫁

 日本の人口転換における長寿化と少子化の作用メカニズム 9.1.1.1(2) 少子化問題

 縮減する社会の危機 9.1.1.1(3) 有限が課題

 社会システムの持続可能性 9.8.3.1(1) 地域活性から循環

08月20日

 日産の「新」エンジン報道 5.1.1.2(3) 技術者思考ロジック

 豊田市図書館の新刊書 6.3.1.2(1) 新刊書争い

 メンテナンス中 7.3.1.4(1) 生活パターン

 全握に参加しようか 7.5.3.2(2) つながる瞬間

 カフェバッハを凌駕するスタバであって欲しい 9.8.2.3(2) サービスで生活

 道徳という教科は誰が教えるの 10.5.1.4(3) 道徳に転嫁

 カフェの役割 9.8.2.3(2) サービスで生活

 お客様の来店動機は希薄 9.8.2.3(3) 夢のあるもの

 サービス業の情報共有 9.8.2.3(4) スタバの価値

 奇怪な状況 4.5.2.2(2) クライシス対応

 われわれが全能なのは、われわれが無力だからである 4.5.2.2(4) 崩壊の連鎖

 ソクラテスという人物と彼の哲学 10.2.1.1(2) ソクラテス

 ソクラテスの問答 10.2.1.1(2) ソクラテス

08月21日

 若月はエバンジェリスト 7.5.3.1(2) 女性の笑顔

 ネット放送の可能性は大きい 8.1.4.2(4) ネット放送

 視力ダウンが進んでいる 7.3.1.1(2) シンプルに対応

 本の電子化のアウトソーシング 6.7.2.1(3) アウトソーシング

 アブラムの旅立ち 創世記 10.5.1.1(1) クルアーン

 日本人は宗教なくして道徳を身につけてきた 10.5.1.4(3) 道徳に転嫁

 生きているからこそすべてはある、という新しい世界観 1.3.2.3(4) 人間を循環で見る