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未唯宇宙項目の見直し 7. 生活(後半)

他者がいない

 独我論
  依存できない
  不安定な心
  宇宙の旅人
  無限次元空間

 情報を得る
  システム思考
  多様な本の存在
  組織を使う
  ソーシャルネット

 女性が活きる社会
  女性への思い
  つながる楽しさ
  循環を楽しむ
  夢がかなう社会

 歴史のシナリオ
  サファイアを提案
  未来を描く
  変化を待とう
  内なる世界を反映

今、やること

 未唯空間を完成
  書くこと
  表現方法
  ロジック提案
  未唯宇宙の意味

 生活を決める
  思いを整理
  情報処理体制
  未唯への対応
  家庭生活

 社会とのかかわり
  公共図書館
  哲学思考
  位相化の動き
  将来の予言

 知の世界イメージ
  全てを知りたい
  未唯空間の骨格
  電子書籍の衝撃
  意思決定の変革

全てを知る

 全てを知る
  時間が与えられた
  まとめる
  大いなる意思の力
  組織の活用

 プロセス
  毎日を表現
  つぶやくこと
  ライフログ
  未唯空間に反映

 全てを表わす
  新刊書のDNA
  書き表わす
  心のままに表わす
  考えをまとめる

 未来を知る
  未唯空間を推敲
  未来イメージ
  歴史の変節点
  未来の存在を信じる

存在の無

 新しい数学
  未来方程式
  近傍系表現
  部分から全体
  部分=全体の空間

 社会の位相化
  組織が存続するために
  組織への揺さぶり
  生活を変える
  位相化する

 歴史の変革
  国民国家に存在の力
  時間コード
  時空間として見る
  歴史は変わる

 無為
  存在と無から出発
  内なる世界から外に
  全てを知る意味
  存在の無に至る
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未唯宇宙項目の見直し 7. 生活 7.7~7.8

全てを知る

 全てを知る

  時間が与えられた
   所与の5年間
   <今>という時間
   自分の時間を自分の為に
   残りの時間を活用

  まとめる
   孤立と孤独の一日
   未唯空間は目標
   人に尋ねる
   サファイア社会を完成

  大いなる意思の力
   考えがつながる
   つながる瞬間を楽しむ
   伝えるのが役割
   偶然は啓示による

  組織の活用
   組織の圧迫に反発
   会社の内部は脆弱
   事実を知り、表現
   ブロガーで社会を表現

 プロセス

  毎日を表現
   雑記帳に一日をまとめる
   情報を全て入れ込む
   ブログのテーマ表現
   未唯空間に反映

  つぶやくこと
   思い付きをツイート
   音声を書き起こし
   相手は未唯的な人
   呟きから自分を観察

  ライフログ
   ログとして残す
   余分なモノは捨てる
   女性へメッセージ
   考えることに気付く

  未唯空間に反映
   7ジャンルに8項目
   未唯空間に全てを表現
   ジャンルが影響しあう
   一覧で全てを表現

 全てを表わす

  新刊書のDNA
   キンドルで読書
   ヘーゲルと勝負
   多様な意見を聞く
   読むことは書くこと

  書き表わす
   30年来の雑記帳
   未唯に伝えたいこと
   事実を捉える
   書くことがエネルギー

  心のままに表わす
   拘りを粘って表現
   喪失感をそのまま表現
   いい加減さが素敵
   生活を表現

  考えをまとめる
   考えるとは生きること
   考えない自分も好き
   ホンは考える道具
   根源的に考える

 未来を知る

  未唯空間を推敲
   意見の受容可否レベル
   全域に関わる
   未唯空間から提案
   書き慣れる

  未来イメージ
   図書館からシェア社会
   歴史からLL=GGの世界
   数学から分化と統合
   技術から未来はない

  歴史の変節点
   ローカルから現象拡大
   変節点に向けた流れ
   自分なりのシナリオ
   すべてを知る意味

  未来の存在を信じる
   個人出版は容易
   未唯宇宙を表現
   未来を確信する
   未来を確実にする

存在の無

 新しい数学

  未来方程式
   未来に向けたロジック
   環境社会への思考実験
   情報共有パラメーター
   サファイア循環の適用

  近傍系表現
   空間認識能力が拡大
   循環で近傍を表現
   点が集合で、集合が点
   未唯宇宙で全体認識

  部分から全体
   トポロジストの姿
   部分から全体をつくる
   言葉の空間も対象
   歴史哲学で歴史を再構成

  部分=全体の空間
   哲学的な論理
   空間認識とアナロジー
   地方=国で社会変革
   社会・歴史で思考実験

 社会の位相化

  組織が存続するために
   コミュニティが自律
   メンバーがコラボ・発信
   組織が高度な分化
   組織が地域の原動力

  組織への揺さぶり
   組織を超える人々
   内部統制を崩す
   一点集中の外部攻撃
   個人レベルで変化

  生活を変える
   消費者から生活者
   静脈主体マーケティング
   企業の価値観が変わる
   家庭に存在の力

  位相化する
   周縁から中核へ攻め入る
   組織の隙間を埋める
   未来方程式に従う
   地域が全体を支える

 歴史の変革

  国民国家に存在の力
   明治維新で国民国家
   太平洋戦争で集団的浅慮
   クライシスで地域の変革
   歴史から学ぶ

  時間コード
   未来の歴史に収束
   時間は超圧縮コードへ
   時間は節目を向かえる
   啓示と預言で方向づけ

  時空間として見る
   国境線は偶々の地政学
   歴史の複雑な絡み合い
   世界は共存に向かう
   政治は市民が主導権

  歴史は変わる
   赤ピラミッドの啓示
   アラブの春は市民が主役
   市民意識は預言で変わる
   歴史の変革点

 無為

  存在と無から出発
   孤立と孤独を得る
   存在の力から覚醒
   一瞬たりとも…
   生まれてきた理由を知る

  内なる世界から外に
   内部でシナリオを創出
   分かろうとする人はいる
   問われれば、応える
   やるべき人に渡す

  全てを知る意味
   存在の力で全てを知る
   エッセンスを抜き出す
   知るためのシステム設計
   知ることが目的

  存在の無に至る
   内なる世界のロジック
   死は内と外の境界線
   存在の無に向かう
   そこは無為の世界
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インフラがなくて済む交通手段

部分と全体が同じ

 部分と全体が同じということと点が集合で集合が点だということ。これらが一緒です。

インフラがなくて済む交通手段

 インフラがなくて済む、交通手段というのはないのか。歩くことぐらいがないとしたら、それ自体をインフラにしてしまえばいいかも。

 それとも、空中を使うことですね。ぶつからないために、無限次元ならば可能です。自分の次元を決めてしまえばいい。夢というのは、多分、その類なんでしょう。
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沖縄決戦の敗因

『戦後70年』より 昭和天皇独白録(抜粋)第二巻

沖縄決戦の敗因

 之は陸海作戦の不一致にあると思ふ、沖縄は本当は三ケ師団で守るべき所で、私も心配した。梅津は初め二ケ師団で充分と思ってゐたが、後で兵力不足を感じ一ケ師団を増援に送り度いと思った時には已に輸送の方法が立たぬといふ状況であった。

 所謂特攻作戦も行ったが、天候が悪く、弾薬はなく、飛行機も良いものはなく、たとへ天候が幸ひしても、駄目だったのではないかと思ふ。

 特攻作戦といふものは、実に情に於て忍びないものがある、敢て之をせざるを得ざる処に無理があった。

 海軍は「レイテ」で艦隊の殆んど全部を失ったので、とっておきの大和をこの際出動させた、之も飛行機の連絡なしで出したものだから失敗した。

 陸軍が決戦を延ばしてゐるのに、海軍では捨鉢の決戦に出動し、作戦不一致、全く馬鹿くしい戦闘であった、詳〔し〕い事は作戦記録に譲るが、私は之が最后の決戦で、これに敗れたら、無条件降伏も亦已むを得ぬと思った。

 沖縄で敗れた後は、海上戦の見込は立たぬ、唯一綾の望みは、「ビルマ」作戦と呼応して、雲南を叩けば、英米に対して、相当打撃を与へ得るのではないかと思って、梅津に話したが、彼は補給が続かぬと云って反対した。

 当時賀陽宮が陸大の校長だったから、この話をしたら、一時的には出来るかも知れぬが、とにかく研究して見ようと云ふ事であった。然し之はうやむやになって終った。

 〈注〉特攻については、昭和十九年十月二十五日のいわゆる〝神風特別攻撃隊〟の第一弾が実行され、その報告を聞いたときの天皇の言葉がすべてをあらわしている。

 「号令台に上がって中島中佐はこの電文を読み上げた。『天皇陛下は、神風特別攻撃隊の奮戦を聞し召されて、軍令部総長にたいし次のようなお言葉をたまわった--〝そのようにまでせねばならなかったか、しかしよくやった〟--」(『昭和史の天皇』)

結論

 開戦の際東条内閣の決定を私が裁可したのは立憲政治下に於る立憲君主として已むを得ぬ事である。若し己が好む所は裁可し、好まざる所は裁可しないとすれば、之は専制君主と何等異る所はない。

 終戦の際は、然し乍ら、之とは事情を異にし、廟議がまとまらず、鈴木総理は議論分裂のまゝその裁断を私に求めたのである。

 そこで私は、国家、民族の為に私が是なりと信んずる所に依て、事を裁いたのである。

 今から回顧すると、最初の私の考は正しかった。陸海軍の兵力の極度に弱った終戦の時に於てすら無条件降伏に対し「クーデター」様のものが起った位だから、若し開戦の閣議決定に対し私が「べトー」を行ったとしたらば、一体どうなったであらうか。

 日本が多年錬成を積んだ陸海軍の精鋭を持ち乍ら愈ゝと云ふ時に噺起を許さぬとしたらば、時のたつにつれて、段と石油は無くなって、艦隊は動けなくなる、人造石油を作って之に補給しよーとすれば、日本の産業を殆んど、全部その犠牲とせねばならぬ、それでは国は亡びる、かくなってから、無理注文をつけられては、それでは国が亡〔び〕る、かくなってからは、無理注文をつけられて無条件降伏となる。

 開戦当時に於る日本の将来の見透しは、斯くの如き有様であっだのだから、私が若し開戦の決定に対して「ベトー」したとしよう。国内は必ず大内乱となり、私の信頼する周囲の者は殺され、私の生命も保証出来ない、それは良いとしても結局狂暴な戦争が展開され、今次の戦争に数倍する悲惨事が行はれ、果ては終戦も出来兼ねる始末となり、日本は亡びる事になっ〔た〕であらうと思ふ。
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OCRした10冊

『自分が変わった方がお得という考え方』

 ICT革命に活路
 労働生産性向上を促す産業構造へ転換
 科学革命と自然支配
 自然の原理・原則を腕力で屈服させる技術
 膨張の時代
 地球の限界と化石燃料時代の終焉
 ペティ・クラークの法則
 第二次産業主役の時代は終わった
 GDPの四分の三、第三次産業が稼ぐ
 消費のモノ離れ
 ICT革命が産業の労働生産性向上に貢献
 日常生活の中にすでに浸透
 オンライン教育や遠隔医療などすそ野が広がる
 コスト高のアセンブリー工場
 技術集約的で付加価値の高い部品産業を育てる
 工場の無人化による生産性の向上も
 進む製造業のサービス化
 サプライチェーン・マネジメントの深化
 農業部門の変革にも影響
 六次産業化の推進
 徳島県・上勝町の葉っぱビジネス
 自然資本に付加価値をつけ、ビジネスに結びつける
 一億人いれば、一億件のビジネスが誕生
 ICT革命はこれからが本番
 未来を共にデザィンし、共創するために
 バックキャスティング
 マルチステークホルダーと市民力
 CSRを日本の競争力に結びつける
 ミクロのCSRからマクロのCSRへ

『なぜネット社会ほど権力の暴走を招くのか』

 メディアと民主主義を守れ駅馬車の最後

『高校生物』

 生物の進化と系統
 進化の証拠
 進化の仕組み
 生命の起源
 生物の変遷
 陸上植物の出現
 生物の分類と系統

『思想史論集』

 行為の結果ではあるが、設計の結果ではないもの
 遠縁の従兄ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインの思い出

『ライフスタイルとライフコース』

 仕事 なぜ非正規雇用が増えたのか
 働き方の変化
 雇用者増加の陰で減少し続けていたもの
 キャリア形成と格差--初期キャリアに注目する理由
 分析結果--なぜ非正規労働者が増えたのか
  離学後一〇年間の初期キャリア
  性別・世代・学歴
  性別による違い
  世代による違い
  学歴による違い
  学歴と世代の関連
 初期キャリア形成の格差
 自営と無職の減少による非正規労働者の増加
 救いは正規化にあるのか?
 孤立感 なぜ不安を抱くの カローラ・ホメリヒ Carola Hommerich
 帰属感の喪失
 過剰な不安のメカニズム
 退職後 プレ団塊世代にとってサークル活動のジレンマとは
 健康寿命の延び
 自由な時間を過ごすことの困難
 分析結果--サークルでの退職後の活動
  参加以前の暮らし
  日々の活動
  試行錯誤の「ものづくり」
  増産のための管理とためらい
 退職後における過去とのつきあい方
 社会格差の広がりと退職後のゆくえ

『心が揺れないクセづけ』

 一人きりで思い悩まない 良きアドバイザーに会いにいく
 他人の言葉を真に受けない レッテルを貼られたら、軽く受け流す
 「自分はどうしたいか」を考える 人の期待に振り回されない
 「かもしれない」を捨て去る 心配しなくていいことで悩まない
 無理だとわかったら、あきらめる 動揺しない人は、あきらめ上手
 自己顕示欲を抑える すると、感情の起伏もおさまる
 「自分の問題」と「他人の問題」を分ける 自分がやるべきことをやる、他人がどう思うかは気にしない
 新しい環境では、賢く素直に振る舞う 「ヘビのように賢く、ハ卜のように素直に」
 思いを素直に発言する みんなと違う意見を言ってもいい
 動揺している時、重要な判断を下さない 時が自然に解決することもある

『マーケティングに使える「家計調査」』

 「スタバではグランデを買え?」いや「カフエでは紅茶を売れ!」の時代
 年収が低いほど支出が大きい商品
 好ましい「感情」におカネを払う
 高所得世帯への販売に安定して成功している食料品はあるのか?
 自動車メーカーの利益の源泉
 外見が気にならないテレビの消費行動
 高所得世帯の消費が伸びそうな「教養娯楽サービス」
 成功例としての外国パック旅行

『日本の大問題「10年後」を考える』

 「これからの一〇年」の二大問題

『商店街はいま必要なのか』

 コンビニエンス・ストア--日本型コンビニと家族経営
 「日本型コンビニ」は家族経営
 コンビニエンス・ストアの四つの特徴
 一九二〇年代アメリカの氷の小売販売店が起源
 日本では一九六〇年代終わりから
 日本型コンビニヘの道
 多頻度小口配送はどのように実現したのか
 コンビニおにぎりを支えるしくみ
 メーカーとの商品開発
 特定地域に集中出店する理由
 脱サラ組の増加とフランチャイズ店
 なぜ近所に同じチェーンの店ができるのか?
 「廃棄ロスを恐れるな」と言われても
 「見切り販売」
 人件費をめぐる問題
 コンビニの労働問題
 コンビニ店長への調査結果
 ブラックバイトとコンビニ
 コンビニは日本型流通の究極の形か?

『戦後70年』

 昭和天皇独白録(抜粋)第二巻
 宣戦の詔書
 「ローマ」法皇庁に使節派遣
 詔書煥発要望の拒否及伊勢神宮親拝
 敗戦の原因
 東条内閣の外交
 東条内閣の内政
 東条と云ふ人物
 東条の辞職
 小磯内閣
 鈴木内閣
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敗戦の原因は四つある

『戦後70年』より 昭和天皇独白録(抜粋)第二巻

宣戦の詔書

 東条は度ゝ宣戦の詔書案を持って来た。

 最后の案を裁可する時に、私は東条に対し明治天皇以来、英国とは厚い誼があり、私も外遊の際、歓待されたことのある、その英国と挟を別つのは、実に断腸の思があると話したが、東条は後で木戸に、対英感情は斯くも違ふものかと感想を述べた相である。

「ローマ」法皇庁に使節派遣

 開戦后法皇庁に初めて使節を派遣した、之は私の発意である。

 私は嘗て「ローマ」訪問以来、法皇庁とは、どうしても、連絡をとらねばならぬと思ってゐた、日本移民の問題に付ても必要があるからである。第一次近衛内閣の時、広田〔外相〕にこの事を話したら、広田も賛成したが、実現には至らなかった。

 開戦后、私は「ローマ」法皇庁と連絡のある事が、戦の終結時期に於て好都合なるべき事、又世界の情報蒐集の上にも便宜あること竝に「ローマ」法皇庁の全世界に及ぼす精神的支配力の強大なること等を考へて、東条に公使派遣方を要望した次第である〔昭和十七年四月、特命全権公使原田健着任〕。

 後では大使でもよかったと云ふので、大使を送って置けば良かったと思ふ。唯戦争中なので、内地から有能な者を選んで送る事が出来なかったことゝ、日独同盟の関係上、「ヒトラー」と疎遠な関係にある法皇庁に対し、充分なる活動の出来なかった事は残念な事であった。

詔書煥発要望の拒否及伊勢神宮親拝

 戦時中国民を鼓舞激励する意味で詔書を出して頂き度いと云ふ事を、東条内閣の末期、それから小磯〔国昭〕、鈴木〔貫太郎〕と引続き各総理から要望があった。

 が、出すとなると、速かに平和に還れとも云へぬからどうしても、戦争を謳歌し、侵略に賛成する言葉しか使へない、そうなると皇室の伝統に反する事になるから断り続けた。木戸も同意見であった。

 此際私が十七年十二月十日伊勢神宮に参拝した時の気持を云って置き度い、あの時の告文を見ればわかるが、勝利を祈るよりも寧ろ速かに平和の日が来る様にお祈りした次第である。

敗戦の原因

 敗戦の原因は四つあると思ふ。

 第一、兵法の研究が不充分であった事、即孫子の、敵を知り、己を知らねば、百戦危からずといふ根本原理を体得してゐなかったこと。

 第二、余りに精神に重きを置き過ぎて科学の力を軽視した事。

 第三、陸海軍の不一致。

 第四、常識ある主脳者の存在しなかった事。往年の山鯨〔有朋〕、大山〔巌〕、山本権兵衛、と云ふ様な大人物に訣け、政戦両略の不充分の点が多く、且軍の主脳者の多くは専門家であって部下統率の力量に訣け、所謂下剋上の状態を招いた事。

 「我が国人が あまりに皇国を信じ過ぎて 英米をあなどったことである

 我が軍人は 精神に重きをおきすぎて科学を忘れたことである

 明治天皇の時には 山鯨 大山 山本等の如き名将があったが 今度の時はあたかも第一次世界大戦の独国の如く 軍人がバッコして大局を考えず 進むを知って 退くことを知らなかったからです」

 天皇のいわば不動の太平洋戦争観が、この二つの文書からはっきりとみてとれる。

東条内閣の外交

 最初米英が「アフリカ」を攻略しよーとする計書の有った時、私は独乙がソビエト戦に重点を置くよりも寧ろ「アフリカ」に重点を置く様に勧めたらどうかと、東条に注意を与へた事がある。これを先方に通じたかどうか、大島の事だからはっきり判らぬ。

 次は米英が仏本土に上陸した時〔昭和十九年六月〕、独乙に対し、ソビエト側は単なる防禦に止め、主力を以て米英側に一撃を与へる様に頼んだ事がある。最后にソビエト軍が愈と独乙領に侵入した時、思切って独ソの和睦を申入〔込〕ませた、之は大島が先方に通じたと思ふ、然し之には独乙が承諾しなかった。

 日独利害関係の不一致は、外交上に於ける日本の敗囚となった。

 「陛下より、憲法を尊重せよ、ソ連を刺戟するようなことはするな、とのお言葉がありました」(『近衛日記』--小磯の挨拶)

 天皇がソ連にたいしてなみなみならぬ関心をもっていたことが窺われる。

 また、天皇発言にあるとおり、ベルリンの大島は九月四日にリッベントロップ外相、つづいてヒトラー総統とも会い、独ソ和平問題について仲介する用意のあることを伝えている。ヒトラーは答えた。

 「自分はスターリンの性格ややり口を十分に研究した。かれは弱味を認めないかぎり和平に応じることはないと思う。自分としてはもう一度東方においてソ連軍を叩かねばならないと考えている」

 ヒトラーは、新開発のロケット兵器V1号およびV2号に大きな期待をかけ、軍事的成功に望みをかけていた。
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コンビニは日本型流通の究極の形か?

『商店街はいま必要なのか』より コンビニエンス・ストア--日本型コンビニと家族経営

この章では、日本型コンビニが、さまざまな革新的要素に満ちあふれた画期的な小売業態であることを説明してきました。POSシステムによる単品管理の導入、多頻度小口配送の実現、フランチャイズ・システムの「効率性」などを基盤として、安売りはしないが、売れ筋商品を揃えて年中無休・長時間営業・最寄り立地という利便性によって、「厚利多売」とも言える画期的なビジネスモデルを生み出したという内容です。

コンビニという新業態の登場は、既存の中小小売店の近代化・活性化にもつながるものでした。すでに確認した通り、実際に、コンビニのフランチャイズ店には、地元で近所の酒店、食料品店として続いてきた小売店から転換したものが多かったからです。本部企業の側も、そうした中小小売商がもつ便利な立地や資産の蓄積を活かすことで、速中かに店舗を広げることができました。そのようなタイプのフランチャイズ店が、直営店を上回る売り上げをあげていたととも、本論のなかでみた通りです。

言い換えれば、日本型コンビニの発展を支えてきたのは、フランチャイズ店の経営に手を挙げた、まちの酒店、食料品店などの中小小売商だったのです。そのなかには、商店街に立地する小売店も少なくなかったことでしょう。日本の中小小売店が、全体として一九八〇年代半ばから減少へ転じ、商店街がさびれていく状況があらわれてからも、コンビニという業態のなかで、多くの中小小売商が発展のチャンスをつかんできました。

一方で、コンビニ店の経営をめぐっては、「コンビニ会計」におけるロス・チャージや、オーナー夫婦による過重労働、そして、それに基因する「ブラックバイト」など、さまざまな問題も生じています。これらは、それ自体として、間違いなく大きな問題と言えます。

しかし、本部企業は、そこから得た利益も含めて、商品開発や情報基盤整備に投資することで、消費者にとってますます魅力的な店舗を運営できるよう努力を重ねています。その意味では、日本型コンビニの姿は、利便性やサービスに重きを置く、日本の消費者が育ててきたものであるという見方もできるでしょう。

このように整理してみると、フランチャイズ・システムにおける家族経営の担い手も、品質やサービスに対する高い要求水準をもつ消費者も、ともに日本型流通の歴史のなかで培われてきたものであり、日本のコンビニを、日本型流通の申し子として捉え直すことができると思います。

ここまで本書を通じてみてきたように、日本型流通の歴史には、商店街という場において、消費の論理が、地域の論理や労働の論理と、ときに緊張をはらみつつも、総じてづフンスをとりながら、モノの売り買いが行われてきた時代がありました。商店街は、消費と労働と地域を結び合わせる商人家族に支えられ、そこでモノを買う人びとは、そうした商人家族に対して、ひとりの人間として、お互いの顔が見える形で向き合っていました。

それに対して、近年のさびれゆく商店街の状況と、「まちづくり」による活性化の難しさは、消費の論理と地域の論理が接点をもちにくい「いま」の流通を照らしています。商業機能と結びつかない形で、どんなにコミュニティ活動に力を入れても、それは真の意味で商店街を活性化させることにはならず、「まちづくり」が商業機能と結びつかないのであれば、商店街というコミュニティの形にこだわる理由も見いだせません。

逆に、日本型流通の申し子たるコンビニは、消費者のために、いわば消費の論理を突き詰めることで急速な成長を遂げてきました。しかし、結果として、そのことが労働へのしわ寄せとなって表れ、消費の論理と労働の論理が大きくバランスを崩しているように見受けられます。

消費者のために、安く、便利に……。しかし、そもそも人は消費者としてのみ生きているわけではなく、「消費者の利益」を追求することは、それ自体として、ただちに万人の幸福を約束するわけではない。本書から見えてきたのは、このような、考えてみればどく当たり前とも言えることです。それではいったい、「消費者」とは誰のことであり、「消費者の利益」とはどのような「利益」なのでしょうか?

こうした問題を念頭に置きつつ、小売革新の展開が私たちの暮らしを豊かなものにしてきた歴史もしっかりと見据えながら、改めて、地域社会のありようや人びとの働き方の視点を含む、トータルな人間としての「生活」をどのようなものと考えていくのか。「商店街はいま必要なのか」という問いに答えを出すのは、このような議論を積み重ねてからでも遅くはないと思います。消費と労働と地域を結び合わせる「生活」が、いま、問われています。
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