切り干しは「大根やサツマイモを千切り、または薄い輪切りにして日に干すこと。または、そのほしたもの」と辞書にはある。我が家では、大根を薄く短冊形に切り日に干したものを切り干しと呼んでいる。
三世代大家族の子どもころには少々ではない量の切り干しを作っていた。大根は、父が仕事の合間に畑で作っていたそれだった。母と祖母の二人で切り、庭に広げた何枚もの筵に干していた。日に何度も混ぜ返し早く均一に干しあがるよう気を配っていた。切り干しの時期には庭で遊べなかった。
今は共同農園で収穫した大根、それとほぼ定期的にいただく野菜とともに届く大根、これが我が家の大根の正体。お裾分けもするが、新鮮なうちに切り干しにする。切るのは包丁に変わって、祖母が亡くなったころからは、今はわが町で生まれ世界へ広まっているベンリナー。祖母が知ったら「包丁で切った方が美味しい」と言いそうな気がする。
カラカラに乾くと驚くほど重さは軽く嵩は小さくなる。煮しめや酢の物など田舎の食卓には欠かせない。子どものころは1斗缶に貯蔵していたように記憶する。大根を頂くと、何本かこうして加工する。よくいただく生椎茸も天日に干している。太陽の恵みが凝縮された贅沢な食材になる。感謝していただいている。
(今日の575) ニンジンとダイコン嫌う子が多し
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます