同好会の集合場所へ急いでいると、会の一人が駆け寄って来て「スッポン、スッポン、写真、写真」と来た方に連れ戻された。巾40~50㌢ほどの排水路の交差点にじっとしている1匹がいる。大きさは30㌢弱ほど。昔、成人式の日、町内の青年団の入会を兼ねた祝賀会が開かれた。その時、生きているスッポンを初めて目にした。先輩の調理でスッポン鍋を食べたが味は記憶にない。
それ以来の出会いだから60年以上になる。排水路の茂った草が倒れているので、スッポンが通った跡かもしれないと話す。汚れた排水がわずかに流れている。コンクリート製のその場所へどうやって来たのだろか、周りにはそれらしい個所は無いことはよく分かっているので、目の前にいるということが不思議だ。
スッポンに指をかまれたら嚙み切られる、という話は聞いており手出しはしなかった。市内の食事処にすっぽん料理専門コーナーがあり賑わっていたが入ったことはない。スッポンは滋養強壮の食材としてCMでも流れている。低カロリー、たんぱく質やコラーゲンを豊富に含むという。
集合場所でスッポンの話になり、捕まえるときは尻尾をつかまないとかぶられると話すが、捕まえようと行動を起こす人はいなかった。スッポンは漢字で「鼈」。広辞苑には「鼈が時をつくる、鼈茸、鼈煮、鼈擬き」などが載っている。「鼈が時をつくる」は世にあるはずのない事のたとえとある。ここに鼈がいるはずもないのに居たのはなんとしよう。夕方には消えていた。
(驚異の575) スッポンは絶滅危惧種指定あり
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