子どものころは3世代同居。部屋の仕切りは襖か障子、障子の張り替えは祖母の担当だった。桟に残ったはがし残りの紙は洗いおとす。自家製の糊を刷毛でパタパタとつける。障子紙は2段分の大きさ、障子1枚に数枚を貼る。仕上がるとまじないに南天の葉を1枚張り付けていた。その意味は記憶していないが、いま思えば飾り気のない障子のアクセサリーにも思える。
そんなことを思い出しながら張り替えをした、といっても家は3代目で障子は4枚。張り替えるといっても、白色の障子紙が少し色変わりしてきたからで、破れがあるわけではない。以前、張り替えたと話したら障子紙の品質はと問われ困ったことがある。市販の障子紙だが包装紙の説明から調べてみると品質は下位に近い物だった。今回も同じだが部屋は明るくなり満足している。
障子張りには市販の専用糊をつかっている。容器の口が桟に糊をつけやすい構造になっているが、なんといっても張り替えの時に剥がしやすいのが気にいている。桟を湿すだけで古い障子紙は簡単にそして綺麗に剥がれる。これは手間が省け助かる。
障子の張り替えは「この頃」と最適な時期があるのだろうか。我が家は祖母のころから夏が終わってからの家事のように思う。台風一過、気持ちよく晴れて爽やかな風が部屋に入る。半日の作業、遺影の祖母はどんな思いで見下ろしていただろう。
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