地紋入りでちょっと意味深そうな赤い色の表紙、タイトルもちょっと意味ありそうな「馴染みの客」というエッセイ集が届いた。今は解散となったエッセイサロンで、共に楽しく同人として書くことを学んでいた元会員のKさんが還暦記念として年明けに自費出版される、昨秋の終わるころに聞いていた。
届いた100頁ほどには、これまで各紙に投稿され掲載された60数編が載っている。Kさんは県西部に住まいされていて酒造会社に勤務されている。毎年、たっぷり酒分のある酒の粕を頂いていた。そんな忙しい中でも年数回は新幹線で県の東端での月例会に出席されていた。そのことだけでもエッセイに対する思い入れの深さが伺える。
エッセイサロン元代表は「出版に寄せて」の中で「家族・孫・遠くに住むご両親のことを中心に、趣味や仕事にまつわるなどを、何気ない日常の中で感性鋭くとらえてエッセイにしておられます」と書かれている。例会でちょっと笑みながらも、的を得た指摘と、働いているからこその見方やとらえ方が披露され参考になっていた。
艶っぽい本のタイトルはエッセイ集の巻頭を飾る初掲載のタイトルという。生まれた時から浮気もせずに参拝している神社との関係、時にはずうずうしく、時には駆け込み祈願の様子などが面白い。おわりに「私は私が主人公の物語を、不器用でもまだ精一杯生きてステキな物語を作っていきたい。私の人生の中では私が主人公」と結んである。第2集の出版を待っています。
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