「かって幕府の天領として栄えた上下は、備後・備中5万石を支配する代官所が置かれ、いち早く中央の文化が伝わった歴史と文化の町です。当時を偲ばせる白壁やなまこ壁が、訪れる人々をロマンへと誘います」。
石見銀山からの銀を運ぶ街道の中継地点として栄えた「上下(じょうげ)」の観光案内にはこう記されている。また「白壁のにあうロマンのまち」とも自賛している。観光案内どおりの当時の威容を偲ばせる土蔵や町屋が並び、白壁になまこ壁や格子窓といったロマンをただよわせる静かな町並みを散策した。
そんな町屋の中で「指物」と書かれた暖簾、竹ざおにさがった大きなそれは年月を感じさせる色合いで、入口の障子戸とよくつりあっている。
指物といえば木の板や細い角材などを組合わや糊貼り付けして小物の箱などを作る仕事で釘は使わない。小学校の帰りその店先で覗き込んで静かに眺めていた。邪魔と怒られたことは無かった。
そこの入口に置かれたアンティークな椅子のうえの小さな板切れに「coffee room」と小さな文字が書いてある。格子の隙間から中をうかがうと確かに喫茶店風な造りだ。通りに似合う町屋の入口に置かれた英語標記の小さな看板、クスリと笑った。
町名の由来は中心部付近が芦田川(瀬戸内海側)水系と江の川(日本海側)水系の分水嶺になっていることからきたといわれ、04年の合併で広島県甲奴郡から府中市上下町になた。散策路はJR福塩線上下駅前のロータリーから始まる。
(写真:目にとまった指物の暖簾、左下にアンティークな椅子が見える)
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「エッセイになりますやら」、難しいといわず挑戦してみたいのですが。
ロマンより浪漫のほうが似合う、そんな思いがしました。
それほどに、古き良き昔が偲ばれる町並みでした。
翁座もよかったですね。「指物」さすが目の付け所がいいですね。