みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

もっとも聖なるもの

2019年03月11日 | 出エジプト記

出エジプト記 30章22−38節

 34−38節には、香の壇で焚くための香の調合についての指示が記されています。

 ナフタ香とは没薬の一種で、木から採れる樹脂状のゴムのようなもの、「ナフタ」ということばは「水滴」という意味。ですから、ある木からにじみ出て滴る香りの高い樹脂なのでしょう。シェヘレテ香は紅海の沼地に生長する小動物の殻、カタツムリではないかと考えられています。そして、ヘルベナ香はガルバナムと呼ばれ、昆虫などが植物の葉や枝を傷つけた際に出てくる樹液から採られる香料とのことで、エジプトではミイラの防腐剤として用いられました。現在でも、高級な香水に配合されています。

 調合した香はもっぱら香の壇で焚くためだけに用いられ、他に流用することは禁じられていました。そのことを「あなたがたにとって最も聖なるもの」と表しています。「聖なるもの」とか「聖」とかいうことばの意味は、「分ける」とか「分離する」です。つまり、このようにして調合された香は、他のものとは区別されて神のために焚くことだけに用いられるというのです。

 聖書は、キリストを信じた者を「聖徒」ということばで表すことがあります。「聖徒」と呼ばれると、「いいえ、そんな者じゃありません」と引いてしまいそうですが、キリストを信じた一人一人は、神のために用いられる者となるという意味で、聖徒なのだといえるのです。新しいこの立場を受け入れて、ふさわしい者として歩みたいと願います。


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