shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

In The Court Of The Crimson King / King Crimson

2009-12-15 | Rock & Pops (70's)
 9月から約3ヶ月半、年間の1/3弱を連続してビートルズ関係の盤ばかり取り上げて勝手に盛り上がっていたのだが、ほとんどビートルズ一色だった中で細々と(笑)他の音楽も聴いていた。そんな中で最大の収穫は、あの一度見たら忘れられないエグいジャケットで有名なキング・クリムゾン衝撃のファースト・アルバム「クリムゾン・キングの宮殿」の UK ファースト・プレス、通称 “ピンク i レーベル” 盤(マト番 A2/B2 )をついにゲットしたことだった。
 このアルバムを買うのはこれで4枚目で、初めて買った日本盤 LP はモコモコしたトホホな音だったし、次に大いなる期待を抱いて買った日本盤紙ジャケ CD はゴールド CD であるにも関わらず(←私はこれまで音の良いゴールド CD を聴いたためしがない...)、普通の CD と大して変わらん音質で、当時リマスタリング技術で一歩先を行っていたジャズの CD 並みの音を期待していた私には物足りないものだった。
 ところが2005年に発売された “オリジナル・マスター・エディション” と呼ばれるリマスター CD は音が全然違うということで、騙されたと思って私も買ってみたのだが、そのクリアーで生々しい音にビックリ(゜o゜) それはそれまで自分が聴いてきた「宮殿」は一体何やってん!と言いたくなるぐらいの鮮烈なサウンドで、音の情報量も段違いだった。色々調べてみると、この世紀を揺るがす大名盤のオリジナル・マスターはあろうことか紛失して行方が分からず、“ピンク・リム・パーム・トゥリー・レーベル” と呼ばれるセカンド・プレス(島の絵のレーベルです)以降はコピー・マスターが使用されていたとのこと。それだけが原因ではないだろうが、どうりで高音の伸びがイマイチなわけだ。要するにリマスタリング技術云々ではなく、元々のマスター・テープの音質の差があまりにも大きかったということなのだが、その “紛失” したオリジナル・マスター・テープがアイランド・レコードではなく何故かヴァージンの倉庫から出てきたというから一体何がどーなっているのかワケがわからない...(>_<)
 とにかくこの圧倒的高音質の “オリジナル・マスター・エディション” CD で「宮殿」に関しては決着がついたと喜んでいたのだが、ある日ふと “ CD でこんだけ素晴らしい音がするっちゅーことは UK ファースト・プレスのオリジ LP はもっと凄いんちゃうか...” などと余計な好奇心がムクムクと湧き上がり、 eBay やヤフオクでチェックする日々が始まった。しかしその相場は安くても1万円台後半、状態の良い物は軽く3万円を超えてビッドが殺到するという修羅場の連続で、ヘタレな私はいつも指をくわえてただ眺めているばかりだった。
 そして先月、ついに eBay で格好の獲物を見つけた。表示は VG+ ながら、写真で見る限りそれほど状態は悪くなさそうだったので、今年1年の自分へのご褒美(笑)の意味も込めて一気に勝負に出て £63.00でゲット、送料込みでも約1万円というのだからもう嬉しくてたまらない(^o^)丿 早朝5時起きでスナイプが成功した日は睡眠不足も何のその、大コーフンして仕事が手につかず、同僚に大笑いされたものだった。
 約2週間して届いたブツは梱包に激しくダメージを負っていた(←海外からLPを買う時はコレが一番のネックやね... >_< )が中身は何とか無事で一安心。「スキッツォイド・マン」のド迫力でありながらどこまでもナチュラルなサウンドは圧巻だし、「風に語りて」のフルートもエエ感じ。「エピタフ」のフォルティッシモなんてゾクゾクしてしまうし、「クリムゾン・キングの宮殿」におけるメロトロンの響きなんかアナログの良さを存分に味わえる素晴らしいものだ。「ムーンチャイルド」の静かなパートではプチプチ・ノイズが入るも十分許容範囲でコスト・パフォーマンスは抜群に高かった。
 ノイズレスでディテールまで楽しめる究極の “オリジナル・マスター・エディション” CD と、家宝ともいえる “ピンク i レーベル” LP 、今度こそ私の「宮殿」は完結と言いたいところだが、果たしてどーなることやら...(笑)

King Crimson - In The Court Of The Crimson King