shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Good Evening New York City (Pt. 2)/ Paul McCartney

2009-12-30 | Paul McCartney
 DVD1はまず、シェア・スタジアムのステージへと向かうビートルズのモノクロ映像から始まる。“ニューヨーク・シェア・スタジアム 1965年8月15日 歴史に残る音楽イベントが開かれた 世界記録となる55,600の観客を熱狂させたのはザ・ビートルズだった... 2008年7月8日 同スタジアムでの最後のコンサートとなるビリージョエルのコンサートにポールがゲスト出演... 1年後シェアの跡地に建てられたシティ・フィールドでオープニングを飾ったのはポールだった... ビートルズが同じステージに立ってから44年後 再び記憶に残る一夜となった...” と、ナレーションがこれまたカッコイイ(^.^)
 ステージに現れたポールは黒の上下に身を包み、44年前と同じヘフナーのヴァイオリン・ベースを手に颯爽と①「ドライヴ・マイ・カー」を歌う。いきなりのビートルズ・ナンバーに観客も大喜び... つかみはOKである。続く②「ジェット」もノリノリだ。 “ラスト・チャンス、マリー・ミー・ポール!” というプラカードが大写しになる(笑)。この曲を聴くといつも76年の「ロック・ショー」を思い出してしまうが、あれから33年経った今も同じように歌うポールとそれを聴いて感動する自分がいる... 何か感無量である。CDではカットされていたMCもバッチリ入っている。③「オンリー・ママ・ノウズ」の最中で観客のドアップ&喋りを挿入する編集は要らない(>_<) ソリッドな演奏が楽しめる④「フレイミング・パイ」が終わると上着を脱ぎ棄てるポール、エンジンがかかってきたのかシャツの袖をまくりあげる。⑤「ガット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」ではバックの巨大スクリーンに「ロックバンド」のCG映像が映し出されるのが嬉しい。ここでベースからド派手なギターに持ち替えての⑥「レット・ミー・ロール・イット」、最後のパートにジミヘンに捧げる「フォクシー・レディ」を付け加えてハードなギター・ソロを披露、曲が終わった後もペパーズ絡みのジミヘンの思い出話を懐かしそうに語ってくれる。まさに It was more than 40 years agoだ。「ファイアーマン」からの⑦「ハイウェイ」ではバンドが一体となったタイトな演奏が楽しめる。ポールの調子は数年前よりも良さそうに思えるくらいだ。
 ここでピアノの前に座ったポールは⑧「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」、リンダに捧げた⑨「マイ・ラヴ」と、バラッドを2連発。こんな美しいバラッドの名曲を何十曲も書いてるんやからポールは凄い!今度はアコギを手にして“クラシックのモノマネでバッハごっこしてたらこの曲ができたんだ...” と言って歌い出したのが⑩「ブラックバード」... 心に沁み入る歌声だ。MCでさっきの “マリー・ミー...” ボードで笑いを取った後、ジョンに捧げる⑪「ヒア・トゥデイ」だ。途中、1本のマイクでハモるジョンとポールの映像がオーヴァーラップするシーンはビートルズ・ファンなら涙なしには見れない。ポールも時折声を詰まらせながら歌っている。ましてやここはジョンがこよなく愛したニューヨーク、やはり万感胸に迫るものがあるのだろう。
 しんみりした気分を振り払うかのように⑫「ダンス・トゥナイト」ではマンドリンに持ち替えて軽快に歌う。次は⑬「カリコ・スカイズ」だ。アコギとアコーディオンの柔らかい音色のブレンドに心が和む。続いては私の大好きな⑭「ミセス・ヴァンデビルト」、今回のライヴではポール屈指の名作「バンド・オン・ザ・ラン」から4曲と大盤振る舞いだ(^o^)丿 ザッザッというアコギのリズム・カッティングから滑り出す⑮「エリナー・リグビー」のカッコ良さを何と表現しよう(≧▽≦) ハッキリ言って鳥肌モノだ。そして「ファイアーマン」からの⑯「シング・ザ・チェンジズ」は70年代のポールを彷彿とさせるノリの良い曲で、これがまた絶妙な形で⑰「バンド・オン・ザ・ラン」への橋渡しをしているのだ。今回は歴史に残るライヴだけあってセット・リストの曲の流れも実によく考えられている。その「バンド・オン・ザ・ラン」では巨大スクリーンに映ったアルバム・ジャケの撮影シーンをバックにノリノリの演奏を聴かせてくれる。オーディエンスもリズムに合わせて身体を揺すりながら歌っている。まさに老若男女すべてが楽しめるマッカートニー・ミュージックの真髄ここにありと言える素晴らしいライヴだと思う。 (つづく)

Here Today (in remembrance of John Lennon), Paul McCartney: Good Evening New York City 2009