shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Good Vibrations: Thirty Years of the Beach Boys

2009-12-27 | Oldies (50's & 60's)
 今日も“阪神レコードCD バーゲン” の続編だ。単品 CD をほぼ見終えてふと目についたのがいわゆるボックス・セットだった。単品CDに関してはそれほどレアな盤はなかったように思うし価格面でも一部の例外(←plinco さんと 901 さんはブルーノートやプレスティッジの国内盤CDの音の良いヤツを1枚480円でそれぞれ十数枚ずつ買われました... 安っ!)を除いてネットで買う方が安いように思うが、ことボックス・セットに関しては時々入手困難盤を見かけるし、送料を考えればネットよりも割安になるケースも多い。今回もビートルズの「キャピトル・ボックス」を始め、ポールの「フラワーズ・イン・ザ・ダート・ワールド・ツアー・パック」、フィル・スペクターの「バック・トゥ・モノ」、ゼッペリンの「4CD BOX」、スプリングスティーンの「ボーン・トゥ・ラン・30th エディション」etc、色んなボックスが並んでいたが、私が目をつけたのは1993年に出たビーチ・ボーイズの「グッド・ヴァイブレーションズ・ボックス」だ。
 以前このブログでも書いたように私はビーチ・ボーイズに関しては超初心者である。一応62年のデビュー・アルバム「サーフィン・サファリ」から66年の「ペット・サウンズ」までのオリジナル・アルバムは CD で持ってはいるが、一向にそこから先へは進まない。つまり “サーフィンと車と女の子” を歌った初期の曲はめっちゃ好きなのだが、最高傑作の呼び声も高くポールやジョージ・マーティンが絶賛したという「ペット・サウンズ」のどこが良いのかサッパリわからないのだ。これってちょうど “「シー・ラヴズ・ユー」や「抱きしめたい」、「ア・ハード・デイズ・ナイト」といった初期ビートルズの音楽は何も考えなくても身体が動いてしまうけれど、「リヴォルヴァー」や「サージェント・ペパーズ」はストレートなロックンロール色が後退しててイマイチ楽しめない......” って言ってる人と同じ感覚なのかもしれない。
 このように “気にはなってるけど先へ進まない” 状況だった私のBB5だが、以前 moondreams さんのブログでこのボックス・セットが取り上げられているのを見て、それ以来ずーっと心の隅に引っ掛かっていた。それが今、目の前に並んでいるのだ。価格は4,980円... 貧乏性の私はいつもヤフオクやアマゾンで相場を調べてから買うことにしているのだが、5枚組(実際はもう1枚ボーナスCDが入った6枚組だった...)で5,000円を切るならお買い得(セコイけど、ネットで買ったら送料だけで数百円取られるし...)やし、“previously unreleased”、つまり未発表曲が満載やし、自分の持ってる旧規格のCD(←カッティング・レベル低すぎ!)よりも音が良さそうということもあって、迷わずに買いを決めた。
 この「グッド・ヴァイブレーションズ・ボックス」、昨日買ってきたばかりでまだ全部聴き終えていないのだが、これは聴き応え十分だ。Disc-1 は「サーフィンUSA」のデモ・ヴァージョンで始まるが、いきなりのブライアンのピアノ弾き語りにビックリ... まるでビートルズの「アンソロジー」を聴いているようだ。音が良くなったせいか、私の大好きなアップテンポの曲はより躍動感に磨きがかかり輝きを増している。「サーフィンUSA」や「ファン・ファン・ファン」、「アイ・ゲット・アラウンド」といった超有名曲は言うまでもないが、「リトル・ホンダ」や「ダンス・ダンス・ダンス」(←この2曲めっちゃ好き!)の楽しさはBB5の魅力ここに極まれりといった感じだし、「409」や「キャッチ・ア・ウエイヴ」といった隠れ名曲の魅力も再認識させられる。「ホワイ・ドゥー・フールズ・フォール・イン・ラヴ」、「ドゥー・ユー・ウォナ・ダンス」、「ハッシャバイ」といったカヴァー曲もオリジナルを凌駕する圧倒的な素晴らしさだ(^o^)丿
 Disc-2 前半は「カリフォルニア・ガールズ」、「ヘルプ・ミー・ロンダ」、「バーバラ・アン」、「スループ・ジョン・B」と怒涛の名曲名演ラッシュが圧巻だが、心底楽しめるのは「ウドゥント・イット・ビー・ナイス」あたりまでで、やはりアルバム「ペット・サウンズ」の内省的な曲~幻の「スマイル」音源になると難解すぎてちょっと辛い。そんな中で「グッド・ヴァイブレーションズ」はまさに地獄で仏(笑)という感じで、あくまでもポップでありながら実はめちゃくちゃプログレッシヴという、狂気をはらんだ天才ブライアン・ウィルソン渾身の一撃であり、ポップス史上に残る大傑作だと思う。Disc-3 以降は未聴だが、これからゆっくり時間をかけて楽しむとしよう。

The Beach Boys - Dance, Dance, Dance

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