shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

This Is It (Pt. 2) / Michael Jackson

2009-12-17 | Rock & Pops (80's)
 今日も昨日に続いてマイケルの映画「ディス・イズ・イット」だ。わずか11才で全米№1になった約40年前と同じ振り付けで「ザ・ラヴ・ユー・セイヴ」を活き活きと歌い踊り、屈指の名曲「アイル・ビー・ゼア」でスーパースターのオーラをまき散らしながら熱唱するマイケルに、客席で見ていたダンサーたちも完全に一ファンに戻って両手を上げて左右に振っている。「アイ・ジャスト・キャント・ストップ・ラヴィング・ユー」でサイーダ・ギャレット役の女性のヴォーカルがやや弱いように感じるが、そのことが逆にマイケルの歌声の芯の強さを浮き彫りにしている。そう、マイケルのヴォーカルは細くて高い声と言うイメージがあるが、あれは声帯に負担をかけないためだそうで、地声は太くて力強いのだ。「スリラー」では毒グモタランチュラの中から登場する新ワザを披露、定番の “スリラー・ダンス” が懐かしいが、何度見ても引き込まれてしまうコリオグラフィーの大傑作だ。ここでもゾンビの役者の一人(←ステージ上ではone of them なのに...)に対して “カメラの方に手を伸ばして!” とアドバイスする完璧主義者ぶりには恐れ入った。
 マイケルがクレーンに乗って登場する「ビート・イット」では新進気鋭の女性ギタリスト、オリアンティに注目だ。この曲の一番のウリは何と言ってもエディー・ヴァン・ヘイレンが全世界に衝撃を与えた例のギター・ソロで、バッド・ツアー、デンジャラス・ツアー、そしてヒストリー・ツアーとマイケルを支えた爆発ヘアーの女性ギタリスト、ジェニファー・バトゥン(←ジェフ・ベックのサポート・ギタリストとして来日してタイマン張ってた凄腕!)の超絶プレイが圧巻だったが、このオリアンティもサンタナが絶賛する腕前だけあって涼しい顔してスリリングなプレイを聴かせてくれる。こんな凄い女性ギタリスト達を次々と見つけてくるマイケルの慧眼には脱帽だ。
 このオリアンティ嬢を始め、パーカッション、キーボード、ベース、そしてドラムスと、主要なバック・ミュージシャンたちが憧れのマイケル・ジャクソンと共にステージに立てる喜びを語るシーンを挟んで、曲は「ブラック・オア・ホワイト」へ。ここでも又々彼女が大活躍で、下から風を受けるシーン(← “30周年記念特番” でのスラッシュを思い出して下さい...)では髪を逆立ててマイケル以上に目立っている(笑)。ただ、マイケルが彼女に “もっと高い音を!” と要求するシーンを見ていて、この点ではジェニファーの超高音に一日の長アリかと思った。ただ、このオリちゃん(笑)は弱冠24才とのことなので、末恐ろしいギタリストには違いないし、この映画がキッカケで世界的にブレイクしそうな勢いだ。
 「アース・ソング」で崩れ逝く地球の映像をバックに絶唱するマイケルとコーラス隊の掛け合いは大げさではなく鳥肌モノ。これはぜひ正規版DVDのハイファイ・サウンドで聴きたい。早速アマゾンで予約せねば...(>_<) あのフレッド・アステアが絶賛し、ムーンウォークで全米にマイケル現象を巻き起こした “モータウン25” 以来何百回見たか分からない「ビリー・ジーン」は人類ダンス史上(?)最高ののパフォーマンスと信じて疑わない。神ワザ・ダンスを披露するマイケルにバック・コーラス隊の目が釘付け(笑)で、曲が終わるとステージ上やステージ下にいたダンサーたちから一斉に大歓声が沸き起こる。それを見たケニー・オルテガ(←製作総指揮)がステージに上がり “Church... church of rock n’ roll !” と呟くシーンがめっちゃ感動的だ(≧▽≦)。
 映画のエンディングでは全員で円陣を組むシーンにグッとくる... コンサートの成功にかけるマイケルの強い意志とファンを想う心、そしてスタッフへの気遣い... 今日のヤフー・ニュースでこの「ディス・イズ・イット」が映画の満足度年間総合ランキングでトップに輝いたという記事を読んだが、マイケルの卓越した歌とダンスの才能が堪能できるだけでなく、その愛に溢れた人間性がビンビン伝わってくる所が見る者を魅きつけてやまないのだと思う。この映画は改めて我々が失ったものの大きさを教えてくれる貴重なドキュメンタリーなのだ。

Orianthi shreds Michael Jackson


【オマケ】↓YouTube で見つけたオモシロ映像。死してなおこの絶対的影響力!まさにKing of Popである。
しかしその場に居合わせた観光客はさぞかしビックリしたやろなぁ...(゜o゜)
[OFFICIAL] Michael Jackson Dance Tribute - STOCKHOLM