shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

星に願いを / リンダ・ロンシュタット

2009-12-28 | Standard Songs
 私がまだ若かった頃、ディズニー・ソングというとどうしても “お子様向け” というイメージがあって全く眼中になかった。しかし30才を過ぎてジャズを聴き始めると、驚いたことに様々なジャズ・ミュージシャンがディズニー・ソングを取り上げていた。大人の音楽ジャズでディズニー??? 最初はワケが分からなかったが、実際に色々聴いてみるとこれがめっちゃエエ感じなのだ。私が “子供向け” とバカにしていた楽曲は逆に言えば子供でも分かるくらい素直でキャッチーなメロディーを持っており、それがジャズというフォーマットで演奏されることによって見事な “大人の音楽” になっていた。私は先入観で音楽を聴く愚かさを反省し、それ以来 “どんなジャンルでもとにかく実際に自分の耳で聴いてみて判断する” ようになった。今ではディズニーの曲は大好き(←単純!)なのだが、そんな中でも特に私が気に入っているのがこの「星に願いを」である。先月の G3 でディズニー特集をやった時に久々にこの曲をじっくり聴いてそのメロディーの素晴らしさを再認識した次第。ということで今日は「星に願いを」愛聴ヴァージョン5連発です:

①Linda Ronstadt
 私がこの曲にハマるきっかけになったのがリンロン姐さんの “スタンダード三部作” の最後を飾る「フォー・センチメンタル・リーズンズ」の冒頭に収められていたこのヴァージョン。超有名スタンダード・ナンバーを見事に自分のカラーに染め上げてしまうリンロン姐さんの安定した歌いっぷりが一番の聴き所。「ブルー・バイユー」や「ラヴ・ミー・テンダー」と同様、歌詞の一言一言が心に響いてくるヴォーカルの吸引力は圧巻だ。
When You Wish Upon a Star - Linda Ronstadt


②Hilary Duff
 これは先月の G3 でヒラリー・ダフ・マニア(笑)の plinco さんに教えていただいた。1年ほど前にソフトバンクのテレビCMで頻繁に流れていたということだが、全く知らなかった(>_<) この曲はスロー・バラッドで歌われることが多いのだが、このヒラリーちゃんのヴァージョンは意表を突いたノリノリのポップなナンバーになっており、めちゃくちゃ楽しい(^o^)丿 これは絶対に欲しいっ!と思って調べてみると残念なことにCDにはなっていないらしい。何で??? CD化を激しく希望したい1曲だ。
Hilary Duff-When you wish upon a star


③Dave Brubeck
 ジャズのディズニー集アルバムといえば私の場合は真っ先にデイヴ・ブルーベックの「デイヴ・ディグズ・ディズニー」が思い浮かぶ。普段はハードボイルドなブロック・コードの波状攻撃でガンガン弾きまくるブルーベックがしらじらしくも(笑)リリカルな演奏に終始しているところがいい。ポール・デズモンドのアルトの典雅な音色といい、ジョー・モレロの瀟洒なブラッシュの味わいといい、絵に描いたような名曲名演とはこういうのを言うのだろう。
When You Wish Upon A Star


④Dion and the Belmonts
 ディオンって誰?という人でもあの “トンデヘレヘレ♪” の掛け声で有名な「浮気なスー」はどこかで一度は聴いたことがあるかもしれない。そんな彼がベルモンツを従え、白人ドゥーワップ・グループの最高峰としてスタンダード・ナンバーに取り組んだのが「ウイッシュ・アポン・ア・スター」。オールディーズ・ファンなら涙ちょちょぎれそうな、古き良きアメリカが蘇る名唱が堪能できるヴァージョンだ。
DION & BELMONTS = WHEN YOU WISH UPON A STAR ( GREAT VERSION )


⑤Gary Scott
 アドリブがスベッただのインプロヴィゼイションがコロンだだのと、ブヒバヒ吹きまくるだけがジャズではない。ストレートにメロディーを唄い上げて聴く者を感動させる、というのも一流の証だろう。スタン・ゲッツが憑依したかのようなゲイリー・スコットのこのプレイ、夜空を見上げながら聴きたくなるようなロマンチックなムードが横溢しており、この曲の隠れ名演といっていい素晴らしい出来映えだ。
星に願いを
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