元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

机禅文庫発足

2008-01-21 | 仕事について
お客様に店内で自由に読んでいただきたいと思い、数人の方のご協力を得て、万年筆などに関係のある本をご用意していました。
しかし、そこにある本を売ってほしいというお客様の声にはお応えできず、お互いにもどかしい想いをしていました。
書店ではありませんので扱える本には限界があり、販売用にいろんな種類の本を揃えるということができませんでした。
そこで古書業のT氏と相談して私の蔵書やこのために入手した本を販売することにしました。
中には定価よりも高い本もありますが、一般的に取引されている相場を参考にした価格を後ろ表紙内側にシールを貼って記しています。
興味を持っていただけるものもあると思いますので、ぜひ見に来てください。
品揃えは随時追加し、より魅力的な本の売り場にしていきたいと思っています。

賑やかな金曜日の夜

2008-01-19 | 仕事について
夕方まではとてもゆっくりした日で、あまりお客様も来られなかったので、古書業のTさんと仕事の打ち合わせをしたりしていました。
夕方になって、当店のアイドルYさんが来られてから、お客様が次々に来られ、先日鳥鍋でご一緒させていただいたライターのNさんもいて、とても賑やかな状態になりました。
レイアウトを変更したことにより、2つのテーブルの距離が狭まり、お客様同士のコミュニケーションがとても取りやすくなっているようです。
それにしてもYさんは自分の主な万年筆を全て持ち歩いていて、それを皆に書かせてくれるという気前の良さで、さすがアイドルだけのことはあると感心してしまいました。
Yさんを中心にPen and message.の夜は更けていきました。

大変申し訳ありません。昨日から発売しておりましたオリジナルインク冬枯れが完売直前の状況です。
次回入荷は2月1日頃になりますので、もしよろしければご予約ください。取り置きいたします。
よろしくお願いいたします。

ペリカンM205デモンストレーター

2008-01-17 | お店からのお知らせ
透明万年筆の定番中の定番にして、限定発売の不思議な万年筆ペリカンM205デモンストレーターが入荷しました。
このペンが他の透明万年筆と比べて優れているところは、透明のボディによってその吸入機構の全てを見ることができる吸入式であるということと、10,500円という万年筆としては比較的安価な価格です。
明るめの色のインクを入れて、透明ボディを通してインクの色と吸入機構を眺める。
今までと違った万年筆の楽しみ方ができるのではないでしょうか。
F,M,Bの字幅が入荷しました。(10,500円です。)

オリジナルインク“冬枯れ”

2008-01-16 | お店からのお知らせ
手前味噌で恐縮ですが、自分が愛用しているインクをオリジナルインクとして発売することになりました。
色名は冬枯れといい、私たち日本人が心で美しいと思える寂しげな墨絵の世界をイメージした色になっています。
冬枯れは、雑記に使う黒のインクということで生まれました。
文字の色は黒っぽいものが好みですが、黒すぎるインクはページいっぱいに書いてしまうと真っ黒になってしまい、あまり好きではありません。
黒とグレーの中間くらいの色が私にとってはちょうどいい黒の色でした。
数年前からセーラーのインクブレンダー石丸さんにその手の色を作ってもらって使っていましたが、昨年の9月オリジナルインクとして発売を前提として打ち合わせたのが、この冬枯れです。
それからかなり時間が経ってしまいましたが、応援してくださった方々の尽力もありやっと発売にこぎつけました。
瓶のラベルと箱のシールは、シルバーアクセサリーを作っている桐さんが20種類くらいのパターンを出してくれたものの中から選びました。
なかなかインクの色や雰囲気を表した良いデザインのラベルだと思って気に入っています。

今後日本の四季を自分なりにイメージした色を続けてだしていきたいと思っている、第1弾の冬のイメージです。
(1,260円です。)

新入荷商品

2008-01-11 | お店からのお知らせ
デルタ ビンテージコレクション(万年筆18,900円、ボールペン14,700円)
始めて万年筆を使いたいと思っている人をターゲットに開発された、シンプルでオーソドックスなデザインのペンです。
大きさ、太さもちょうどよく持ちやすいところもおすすめです。

新入荷商品

2008-01-11 | お店からのお知らせ
デルタ エンリコ・カルーソ(レバー吸入式189,000円 両用式157,500円)
セルロイド製のとてもかっこいいペンです。レバー式は限定873本、両用式は限定1873本です。
エンリコ・カルーソはナポリ生まれのオペラ市場最も有名なテノール歌手です。地元ナポリにこだわるデルタが同郷の歌手に敬意を表したペンです。

新入荷商品

2008-01-11 | お店からのお知らせ
ラミーCP-1(万年筆36,750円ボールペン28,350円)
ラミー2000に次ぐペンとして、1970年代に作られたペン。
当時流行の細身のシリンダー型ボディはこの手のものが少なくなってしまった現在、かえって新鮮な印象を受けます。
システム手帳など手帳のペンホルダーに差しておくのに最適なサイズです。

新入荷商品

2008-01-11 | お店からのお知らせ

ディビーナブラックマキシ万年筆(134,400円)
黄金比をボディデザインに盛り込んだデヴァインプロポーションと同デザインで、より品質が安定しているアクリルをボディ素材にしています。
吸入は回転式になっていて、吸入ノブをひっぱり出してから回転させる構造になっています。
非常に存在感のあるペンです。

えべっさんと鳥鍋の宴会

2008-01-11 | 万年筆

定休日の昨日、商売人の端くれなので兵庫区の柳原えびす神社にお参りに行きました。

夜は大騒ぎになる兵庫駅前の通りも、昼は比較的静かで穏やかな気分で神社に入りました。境内では人形浄瑠璃を演っていて、なかなか熱気溢れる雰囲気でした。そんな中、お参りをして、お札を手に入れて、駅に戻る途中の屋台を堪能しました。

大学時代の彼女から夜店を楽しむにはひたすら食べることだと教えられてから、それを守り続けている情の厚い私は、ポテト、たこ焼き、とうもろこし、たい焼きなどを食べ、屋台で豪遊しました。

 夕方からは、ル・ボナーの松本さんからお誘いいただいた「やたら美味い」という鳥鍋を食べることになっていて、店に行き、灯りを点けて待っていました。すぐに松本さんと著名なライターNさんが入って来られるました。お二人とも、分度器ドットコムの加藤製作所製の鉛筆エクステンダーに食いついていて、絶対に必要ではないけれど使っていて可笑しいというその物の魅力を理解してくれました。

Nさんは20数年間いろんな雑誌にいろんなジャンルの記事を書いてこられた有名なライターで、その話題の豊富さと面白さに引き込まれてしまいました。モンブランピックスを買い集めた話などを聞いているうちに時間になりましたので、もう一人の参加者鞄職人のバゲラさんhttp://www.bagera.jp/と落ち合うため、三宮に出ました。

松本さんのブログで何度かお名前は拝見していましたが、バゲラさんとお会いするのは初めてでした。職人らしい個性的な風貌でしたが、腰が低く、話していてとても楽しい人でした。

何と四人ともお酒が飲めないということで、ノンアルコールの鳥鍋の宴会が始まりました。絶品の鳥しゃぶとつくね、底に沈んでいる鶏肉が特に美味しく、お腹いっぱいになりましたが、「ものすごく美味い」最後のラーメンまで何とかがんんばらないといけません。Nさんと松本さんのスケールの大きな道楽話(Nさんは趣味が仕事でもありますが)にもお腹がいっぱいになりました。自分たちのビジネスに関するシリアスな話もしながら、中身の充実した宴会は、鳥のダシがたっぷり出た、鍋に入れられたラーメンで仕上がりました。

2軒目はすぐ隣のバーヘミングウェイでした。そこではシガーも吸うことができて、バゲラさんと私が試してみることになりました。手に慣れない太い葉巻をぎこちない手付きで、二人で燻らしていましたが、何かリッチな気分で口元がほころんでしまいます。バゲラさんは私より5つ年下ですが自分の工房を持ち、職人さんが4人もいるそうです。とても素直で心の大きな人で、本当は耳が痛いであろう松本さんの率直な意見にも真摯に聞いていました。

Nさんは知らないことはないのではないかと思えるほどの博識な人でしたが、その話の上手さはとても勉強になりました。これだけおもしろい話をする人の文章はきっとものすごくおもしろいと思いましたし(恥ずかしながら、まだNさんの文章をご本人のものだと意識して読んだことがありませんでした)本当の大人の道楽人に初めて会って、それは周りの人をも幸せな気分にするものだと初めて知りました。大阪行きの終電間近、車で帰る松本さんとバゲラさんと別れた後、三宮駅でNさんと握手をして別れました。


季節のお粥と賑やかな話し声

2008-01-08 | 仕事について
昨日はスタッフKが店で七草粥を作り、昼食にいただきました。
玄米で炊かれた健康的な野菜の入ったお粥は、これだけ食べておけば人間他の栄養はいらないのではないかと思えるほど、簡潔に、でも全てが入っているものに感じられ、大切に食べました。
お正月休み明けということで、あまりお客様が来られないと思っていましたが、お昼過ぎ、開店祝いに招き猫を持ってきてくれたOさんが店に来られてから、次々とお客様が来られました。
高校生のTくんは、万年筆の道に引き込むために後輩二人を連れて来てくれて、見事にはまって、お小遣いをはたいてペリカーノとサファリをそれぞれ買って行かれ、様子を見に立ち寄ってくれたコーヒーアカデミーでお世話になった先生もスタッフKとの話の中で、ギロシェの万年筆を取り寄せることになり、大学院で経済学を研究している美人のペンマニアYさんは私のM1000の調整を待つ間、Tくんや後輩たちと万年筆談義をしていて、いつものサイクルに戻った暦の中、店は活気と話し声に溢れていました。
そんな賑やかな時間が落ち着いた夕方、開店から来てくれているK氏とコーヒーを飲みながら、震災の時の話などをしていました。
K氏とは同い年で、今年から厄年に入ります。気持ちは震災の時と全く変わっていないつもりですが、もう13年も経ち、不惑と言われる年齢になろうとしています。