ひびレビ

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機動新世紀ガンダムX 第28話「撃つしかないのか!」

2024-05-29 07:00:31 | アニメ・ゲーム
機動新世紀ガンダムX 第28話「撃つしかないのか!」

 サラッとGコン無しでGXを動かせるように改修しているキッド、凄くない?

 とうとう全面降伏を決めたエスタルド政府。ルクスはウィリスが提案するフリーデンとの会食を「他にやらねばならぬことが数多くございます」と一旦は否定しつつ、「ですが、ご命令ならば意義を唱えるものはございません」と続け、子供のように顔をほころばせて「命令」するウィリスに対し「ただしウィリス様、命令というお言葉は、使うべきところでお使いなされませ」と国家主席たるウィリスの「命令」の意味を諭していました。
 もしもこのやり取りがなければ、ウィリスは「子供のわがまま」じみた「命令」を続け、いつまでも国家主席としての自覚が得られなかったかもしれません。「命令」は国の行く末を左右する重要な局面でこそ使わなければ重みが失われかねず、例えどんな愚策であったとしても従わざるを得ない強制力を持つ。敢えて軽々しく「命令」を使わせることで、それが持つ重みと力を認識させる、良いやり取りでした。


 一方でロアビィはといえば、ユリナが隠し持っていた武器を見て「どいつもこいつも」と呆れたように呟いていました。そんな彼にも哀しい別れが待っていました……あの局面で必死に彼女を励ますのは、彼の優しさ故でしょう。ですが、あそこも既に戦場。一歩間違えれば次は自分も命を落としかねない状況で、いつまでも仲間の死を嘆いているわけにはいきません。涙を流すロアビィと、戦い続けるリーダーと思しき人物の違いは歴然です。
 「おい!おめぇは仲間のもとにもどれ!ここはおめぇみてぇな奴が来るところじゃねぇんだ!」。状況が状況とはいえ、勧誘時の落ち着いた口調とはまるで異なります。恐らく勧誘時はロアビィを「大人」として扱っていたものの、その後のやり取りを経て「子供」だと認識を改めたからではないかと。
 いつまでも嫌だ嫌だで避けてばかりもいられない。エスタルド関連の話は、ガロードのみならずウィリスやロアビィらが、子供が大人にならざるを得ない状況を描いた話だったのかなと。

 その後の戦闘においては、髪を振り乱し、いつになく荒々しい戦法で状況を一変させたロアビィ。ですが大勢のガスタール軍を前に「一気に突破するか!?」など冷静な判断が出来なくなっていたのも確か。影響を受けすぎて、自身の命すら惜しくはないと思ってしまっていたのかもしれませんね。
 
 そしてガロードがサテライトキャノンの使用を迫られた時、ウィリスはとある決断を下すことに。
 ここで冒頭の「命令」のみならず「やらねばならぬこと」が生きてくるのが素晴らしいですね。ルクスの言葉からも温かみが感じられるのがとても良い。「そのため(国家主席の身代わりになるため)に生きてまいりました」なんて言葉、例え家臣であったとしてもそう簡単に口にできるものではないでしょう。久々に見た時は「パッと見、裏切りそう」とか思ってごめん……


 南アジアにおける戦いは一旦終結したものの、時代の変化はそれに留まらない。まだまだ揺れ動いていく世界を見つめるあまり、最も近くにいるティファのことを見ていないガロード。次回はそんなティファの思いがあふれ出す話となっております。とうとうあの甘ったるい夢が見られるのか……!
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