ひびレビ

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「その着せ替え人形は恋をする」第13巻を読んで

2024-05-30 08:18:05 | 本・音楽
 「その着せ替え人形は恋をする」第13巻を読みました。若干のネタバレを含みます。


 11巻から続いていた、漫画「天命」に登場する大天使ハニエルのコスプレ編は一区切り……でしょうか?
 これまで描かれていた「天命」原作者の人物像からして「こうなるんじゃないか」という予想は立てていました。立てていましたが、想像以上のものが返ってきました。
 撮影開始前は「衣装は素晴らしいが、表情が海夢ちゃん過ぎる」的な理由で不評を買ってしまうなどもあり得るのではないかと思っていたら……あんなんお出しされたら、そりゃああなるわと。アキラさん、初登場時のクールさの面影が全く見られないほどに感動していて可愛かったです。

 ただ、その一方で何やら五条くんの様子がおかしい。最初は「我がままに付き合わせてしまった後悔」かと思いましたが、その件は13巻の冒頭で決着がついているから多分違う。となると、思い浮かぶのは「独占欲」ぐらいでした。
 そもそも五条くんの夢は「頭師になること」(1巻より)で、幼い五条くんが語った夢は「お雛様作れるようになりたい」(3巻より)。もしかすると、五条くんが雛人形の練習に励んでいたのは「頭師として生計を立てる」ためではなく、ただただ単純に「奇麗なものを手元に置いておきたい」「自分だけのものにしたい」という独占欲に由来するものだったのではないかと。これまでは少人数の撮影で自分の目の届くところにいたから気づけなかった感情を、今回のような事態になって初めて「海夢ちゃんは自分だけのものではない」ことを痛感させられてしまったのかもしれません。

 7巻、8巻のあのシーンを回想していたのは、それぞれ「自分の着せ替え人形が他人に着せ替えられている」「自分だけの奇麗なものであって欲しいのに、大勢の人の目にさらされている」とも読み取れるシーン。もしかすると、あの時既に暗い感情が渦巻いていたことを示唆したものかもしれません。
 13巻ラストのセリフも、海夢ちゃんを放っておけば「奇麗」が台無しになるのは明らかだから、距離は置きつつ今後は食事処的な感じで接していくつもりですかね……?

 奇麗な衣装とメイクを施すことで、理想の着せ替え人形に近づいていくが、一方で自分だけの着せ替え人形ではなくなっていく。そんな矛盾が感じられた13巻でした。単行本勢故、五条くんの本当の気持ちは分かりません。何やら二人の距離が離れる可能性もありますし、どうなることやら……助けてジュジュ様!涼香さんたち!


 余談ですが、本作のフィギュアやグッズはチラホラ見かけますが、もうちょっとジュジュ様のをですね、充実させていただけると大変嬉しく……え?アニメ新作の出番?……うるせぇ!くれ!(笑。
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