ひびレビ

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もう何度目かわからない「千と千尋の神隠し」

2019-08-17 09:06:49 | テレビ・映画・ドラマ
 そんなわけで金曜ロードショーの「千と千尋の神隠し」を見ました。家にあるビデオを含めると、もう何度目ですかね・・・

 小学生の女の子・荻野千尋は両親と引越し先に向かう途中、奇妙なトンネルの向こうに広がっていた街と神様たちの宿屋「湯屋」に迷い込む。ハクという少年からすぐ帰るように言われた千尋だったが、店先に並んでいたものを勝手に食べてしまった両親は豚と化していた。
 千尋は両親と共に元の世界に帰るべく、ハクやボイラー室を担当する釜爺、姉貴分のリンらの協力を得て、「湯屋」の主人である湯婆婆と契約し、働くことになり・・・

 
 
 不思議な街に迷い込んだ時の静けさから始まり、橋の上でハクと出会ってからの両親の豚化、千尋消失の聞きという不気味さに続き、湯婆婆のもとに会いに行くまでの静かな緊張感と、長い1日がようやく終わった時の解放感と涙・・・

 今見ても本当に素晴らしい作品だなぁと。湯婆婆や釜爺、巨大な赤ん坊である坊や、様々な姿形をした神様など、見た目もユニークなキャラクターたちの活躍はもちろんのこと、舞台が宿屋(温泉)という非日常的な場所であることも相まってか、非常に独特な空気を醸し出していると思います。
 何度か話したことがあるのですが、予告で両親が豚化したシーンを見た時は「やべぇ、ホラーだ!」と思ってしまいまして(苦笑。実際そのシーンの前後は今見ても怖いんですけども、怖さもあるけど「不思議さ」もあるから、「見たくない」レベルの怖さではないんですよね。

 そんな「千と千尋の神隠し」における独特の空気の最たるものとして、個人的には兄役たちを喰らって更に肥大化したカオナシと千尋が対峙するシーンを挙げます。
 不気味な襖に囲まれた、豪華な料理が並び散乱する部屋において、少女(と鳥とネズミ)が蛙男たちを喰らって肥大化した化け物と対峙する・・・静けさと不気味さ、緊張感、ハクを早く助けなければならないという焦りのような空気すらも感じられる、凄く印象的なシーンです。
 そこからのカオナシの暴走と沈静化、そしてそんなカオナシと一緒に電車に乗る・・・という流れもまた印象的でした。向かう先は「怖い魔女」と噂される銭婆のところ。隣にはさっきまで暴走していたカオナシ。電車に乗っているのは影のような人ばかり。行きはあるけど帰りの切符はない・・・言葉で語らず、表情や雰囲気だけで察せられる空気感がまた良いんですよねぇ・・・


 また、主人公である千尋の反応が個人的に結構ツボ、というのもこの作品の魅力です(笑。
 存在が消えかかっていた時、ハクのおかげで実体を保てるようになった時のホッとした表情や、その後ハクに壁ドンをされた(千尋を湯バードから隠した)時のドキッとした表情、風呂の湯を溢れさせた時の「ああっ!」や、壁に収納されていた戸にぶつかった時の「わっ!」、ニガダンゴを食べた際に全身を強張らせながらも甘い饅頭で中和しようとする仕草などなど・・・飾らない可愛らしさがあるなーと。
 他人を気遣う優しさ、必要なものを必要な分だけ得ようとする謙虚さ、目的を果たすために自分の意思を貫く強さ。そんな千尋の魅力がどんどん溢れてくるのもまた、この作品の魅力の1つかなと、今回見直していて改めて感じました。

 あとは、初めて見た時から十数年ぶりに、序盤でハクが千尋に丸薬のようなものを食べさせるシーンと、中盤千尋がハクにニガダンゴを食べさせるシーンって、対になっているんだなぁということに気がつきました(汗。
 他にもハクが「千」になりかけていた千尋に名前を思い出させたのに対し、千尋もハクの本当の名を思い出させていたんだなぁ・・・と。やっぱり知ったつもりでも、何度も見ることで気づかされることもあるから、面白い映画って何度も見たくなりますね。
 そして何度見ても、恋愛感情は見られないものの、恋人以上に強い絆で結ばれている感が漂う千尋とハクの関係性って良いよね・・・となります(笑。愛だよ、愛。
 

 ラストシーンで「湯屋での出来事は幻だったのか」みたいな雰囲気漂う中、みんなが作ってくれた髪留めが光るのが凄く好きです。あそこでの経験が千尋の今後にどう影響していくのか、ハクとは再び会えたのか・・・
 ありきたりですが、ハクには千尋の学校に転校生としてやってきて欲しい気もするし、コハク川のあった場所で再会して欲しい気もするし・・・公式で「その後」が描かれるのもいいのですが、自分で想像するのもまた楽しいものです。


 そんなこんなで何度目か分からない「千と千尋の神隠し」も楽しかったです。「いのちの名前」も凄く名曲だから聴こう!
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