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本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

永畑道子 著 『恋の華・白蓮事件』

2014-06-12 | 本の紹介
毎日、朝の連続ドラマ「花子とアン」を楽しみに観ていますが、
女学校時代に花子と「腹心の友」になった柳原白蓮の様子も花子と並行して描かれています。
その白蓮についてのドキュメンタリー本を読みました。

永畑道子 著 『恋の華・白蓮事件』

新聞記者だった作者が、関係者を訪ねて話を伺う取材を繰り返し、新聞社や図書館、資料館で資料を読んで書き上げた作品で、
昭和60年に日本文芸大賞ノンフィクション賞を受賞しました。

歌人としての白蓮を高校時代に知っていましたが、まさか村岡花子と女学校時代の親友とは思わなかったです!
花子も時代を切り開いた女性でしたが、白蓮の生涯はそれはもう波乱万丈です!

父は柳原前光伯爵ですが、実母は前光の妾のひとりで、芸妓となっていた没落士族の娘です。
柳原子(本名)は大正天皇の従妹という高貴な身分で、生まれてすぐ乳母に預けられ9歳の時にはすでに結婚相手を決められます。
15歳で結婚し、憎悪の果てに5年後に破婚。
出戻りの娘は世間体が悪いと幽閉生活をさせられますが、腹違いの姉の力添えで東洋英和女学校へ入学し花子と会います。

その後、資産1000億円ともいわれた筑豊の炭鉱王、25歳年上の伊藤伝右衛門と再婚、
柳原白蓮の名で歌集『踏絵』を自費出版し、類まれな美貌と文学の才に恵まれた「筑紫の女王」として時の人となります。
やがて、東京から芝居の話でやって来た7歳年下の東京帝大の学生、宮崎竜介と恋に落ち妊娠、
新聞紙上に夫への絶縁状を公表すると同時に、身一つで駆け落ちします。
1000億円のお金より年下男性への愛情!それほどの恋だったのですね!!

3度目の結婚で一男一女に恵まれますが、夫は結核で病床につき、長男は学徒出陣して第二次世界大戦終戦4日前に戦死。
精力的な執筆活動で家計を支えると共に、「悲母の会」を結成しそれが「国際悲母の会」となり、
さらに「世界連邦運動婦人部」と発展し、世界連邦婦人部部長にまでなります!

何人分もの人生を生きたかのようです!
愛がなく、価値観や文化があまりにも違う結婚は、「話が合わない」ことになって上手くいかないのでしょうね。
TVドラマでは仲間由紀恵さんが演じていますが、この本を読んでなおさら配役がピッタリだと思いました!
ただ彼女の生涯は「朝のドラマ」には向かないかも…昼ドラの「真珠夫人」の原作だったとか。

身分や収入が高い人ほどたくさんの妾を持ち、嫡子と非嫡子、正妻と妾が一緒に住むなんていう複雑な家庭も多かったそうです。
加えて、女性は自由に生きられず、学問や仕事をすることも良く言われない。
男女差別の困難に抗い、時代を切り開いてくれた、花子や白蓮、与謝野晶子、平塚らいてう、市川房枝、奥むめお…etc…
女性の大先輩たちに大大大感謝です!
いまだに封建的な古い考えを変えられない側面や地域や人々もありますが、明治・大正時代に比べれば雲泥の差でしょう。
今は「レディースディ」なんていう嬉しいものもありますものね♪