とにかく早く目覚める。雷が鳴っている以外は静かである。パラパラと本をめくってやり過ごす。不思議なもので日中に考えていたことと同じようなことが本の中で語られていたりする。シンクロというかデジャヴというか、ちょっと不思議な気分があるが、なに、気になっていたことがたまたま目につきやすいということなんだろう。
本当は雨だと困るのである。正確には僕ではないが、息子が順延になった運動会の朝なのだ。激しい雨音と雷の閃光が、心を乱す感じなのである。
別の本を手に取ってまた走り読みする。古典である。当時は驚きの書だったが、今では当たり前になったようなことが書いてある。さらに時代が下って今の僕が読んでみると、また別の新鮮を覚える。万物流転、そんなこと思ったりする。古いものが案外新しい。そうして今になって過激になったりもする。世の中柔らかくなったもんだ。
いつの間にか雨は止んで、しめしめという感じか。朝からビーフカレーとヨーグルトを食べて持病の薬を飲む。空も明るくなってきたな。
つれあいが千円という。実は雨か晴れかを賭けていて、今は晴れだという意味らしい。明日という範囲でいうと、今のタイミングはそうなのか。そういう疑問も忘れて千円出そうとしてしまった。支払った方が雨が落ちないかもしれない。そんな期待もあるのかもしれない。