確かに政治家の失言などを見ていると、罵倒したくなる気持ちは分からないでは無い。なんでこんなバカげたことを平気(そうに)で言えるのだろう? もっと?????をたくさんつけるだけでなく、本当にこの人は馬鹿なのではないかと思えてくるのかもしれない。しかしまあそういうことになってくると、怒りの方が膨らんできて、その人を罵倒せずには居られなくなるということなのかもしれない。馬鹿な人に馬鹿といって何が悪い。むしろこのような気分にさせられた自分という人間の方が被害者なのだ。
そういう心情は理解できる訳だが、しかし実際に罵倒の言葉を聞いたり見たりすると、それなりに見苦しい。本人の怒りはとめどなく放出され、さらに増殖して、そうして後戻りできないように見えなくもない。同意する場合もあるし、そうでない場合もあって温度差がある訳だが、そういう差が大きくなるほど、当然ながら見苦しい風景にも違いはあるようだ。
ところで、確か村上春樹だったと思うが、ある人を指して、無能で人に迷惑をかけるような困った人だと思うが、しかし彼も奥さんに愛されている(つまりいいところだってあるのだろう)。ということを書いていたのを思い出すのである。
仮に鳩山さんという人がいて(故意に言ってますね、完全に)、本当にバカにしか見えない訳であるが、彼にだって家族が居て、そうしてひょっとすると「お父さんって立派だ」と慕う子供がいるのかもしれない。身家だから当たり前だという言い方もあるかもしれないが、そういう顔が完全に嘘であると誰が言えるのか。
ま、僕もひとの事をボロクソいうことがある訳で、自戒という意味ですな。すんまへん。