宮崎駿の引退。最初に思ったのは「風立ちぬ」が予想より売れてないのかな?というもの。このタイミングだから宣伝としてのテコ入れは当然あるだろう。さらに興味を引くにはこれ以上は無いだろうし。まあ、実際に最後の作品となるのなら、観ておこうと思う人が増えるに違いない。
残念に思う気持ちは分からんではないが、何となく分かっていたことじゃなかったか。宮崎自身は、だいぶ以前から「辞める辞める」と言っていた気がする。アニメーションは体力的に厳しい仕事なのだという。やったこと無いけど、それはそうだろうという気はする。
ジブリという会社が大きくなると、維持するのが大変になるのではないか。ヒットを飛ばせばいいのだろうけど、いくら人気があるからといって、必ずヒットを飛ばせるというものではない。今と昔は違うとはいえ、「カリオストロの城」だって興行的にはコケたのではなかったか。さすがに現在の宮崎ブランドならある程度はヒットしない訳は無いが、コンピュータを使わないジブリのようなやり方でアニメーションを作ることは、相当な資金を必要とするらしいという話は聞いたことがある。実際の話、手書きのアニメーションは、韓国などへの下請けが主流になっているようだ。売れ続けているから何とか維持できているものの、さらに売れなければ危ないという会社の認識もあるのではないか。
何度でも使える手では無いとは思うが、いくら引退しても、また作りたくなれば作ればいいだけのことだ。いつまでも期待される重圧に耐える方が、残りの人生がつらいということもあるだろう。本当に期待が消えるとは考えにくいが、幾分でも弱まると、逆に創作意欲が湧く可能性だってあるだろう。むしろ、引退したことで、次回作が作られる可能性が高くなることもあるかもしれない。