蛇の世紀はよみがへりなむ

2007-04-24 | 【断想】蛇
 空間に秘色ながれてぬばたまの蛇の世紀はよみがへりなむ

 今、手にしている本に、うえの一首があった。山中智恵子という歌人の作である。その歌人のことは、まったく知らない。その一首が、いつ、どのような背景をもってできたものかも分からない。ただ、このように詠うひとがいるのかと思った。
 蛇は大地の豊饒、生命、再生のシンボルでもある。そこには、豊かな森がある。人間が生きていくために必要なものである。蛇を忌み嫌ってきた時代が過ぎるとき、人類の前に存続の道が開けるのでないかと思う。