あの桜を観ない春なんて

2007-04-03 | 【樹木】櫻
 知恩院の前を通って、円山公園に入った。広く知れ渡っている枝垂れ桜の周りには、人のにぎわいがあった。車椅子を止めて、ゆっくり眺めている人も何人かいた。長年、あの桜を観てきた人かなあと思った。からだは不自由になっても、桜は観なくてはということなのかなと、勝手に想像して、なんだか嬉しかった。この前の日曜日のことだ。
 そう言えば、車椅子に座っていたのは、みな姥桜だったな。

姥桜の色香

2007-04-03 | 【樹木】櫻
 今は桜の季節。京の桜守である佐野藤右衛門の「櫻よ」を手に取った。数年前、読んだ本である。とても楽しく読んだ。一昨日、大津からの帰りに観た円山公園の枝垂れ桜のことにふれて、次のようなことも語られている。

 姥桜はええなぁ。「色香」がある。花にはみな「色気」があるんです。
 その「色気」を通り越すと、「色香」にかわる。これが、日本語表現のええとこです。桜も姥桜になると、それまでの「色気」にかわって、ものすごい「色香」が出る。この桜も、満開になったら、誰もがきっと「色気」を感じますわ。それが、時がたち、その「色気」がいつか「色香」にかわる。それで、場所が祇園やから、ますます「色は匂へど散りぬるを」ですわ。

 姥桜と言うが、老女のなかには時折、何とも言えぬ色香をただよわす人がいる。気品がともなう。そうなるには、それなりの生き方、さまざまな条件もあろうが・・・・・。
 年老いた男はどうだろうか。