いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

我が心にうつりゆく由なしノスタルジーをそこはかとなく踏みにじられければ

2010-07-25 00:10:03 | 新・いぶたろう日記
「宇宙戦艦ヤマト復活編」を、買ってしまった。
旧作よりいいはずがない。
残念な思いをさせられるのは間違いない。
わかりきっていたはずなのに、
35歳という年齢が持ち始めた重厚なノスタルジーには勝てなかった・・・。
ましてや、石原慎太郎がなぜか絡んでいる。
となればもうそれはそれはライトな作品になっているはず。

一言で言ってしまえば、最低でした。
思い出を汚された、と言って過言ではないでしょう。
必殺ジャニーズに匹敵する陵辱ぶりです。

ヤマトの音楽がかかり、真田さんや佐渡先生の声が聞ければ、
おお、ヤマトだ~なんて、錯覚してしまうのですが、
実際は似ても似つかぬ三流アニメでした。
「ヤマト」の看板でなければ見もしなかったのは間違いない。

以下、箇条書き。
【嬉しかったこと】
・真田さん(青野武)佐渡先生(永井一郎)ゴルイ提督(伊武雅刀)の声が聞けたこと
・最近のCG技術で描かれた(であろう)リニューアルヤマトの絵はかっこよかったこと

それだけ。

【悲しかったこと/腹立ったこと/笑っちゃうこと】
・キャラクターの絵がものすごく淡泊。表情がない。人形みたい。
・特に敵役の宇宙人はふた昔前のセンス。
・キャラクター設定が軽薄で、まったく魅力を感じない。
・ストーリーに深みがなく、展開もありがちすぎて、すべて読める。
・伏線張るだけ張っておいて、進行は乱暴、感情移入できない。
・年輪を重ねたようにはとても見えないばかりか、ほぼ別人と化した「古代進」の設定
・ヤマト復活を何の感動もなく淡々と受け入れるシラけきった進行
・ユキ失踪の伏線は完全放置
・よくある仕事に没頭する父と犠牲になる娘、対立の図式をだらだら書いた割には、どさくさで解決
・ご都合主義が露骨すぎ
①散々殺し合っておいて、突如「相手の正義」を汲み取り、攻撃を辞めるゴルイ提督
②いくら悲惨な攻撃を喰らってもほぼ無傷なヤマト
③悪天候の中、飛行機が墜落してもただ一人生き残る古代の娘
④見ず知らずの他の星(地球)の人のために、自ら進んで犠牲になって死んでいく宇宙人がやたら多い
・波動砲6連射のインフレじみた安っぽさ(小学生みたい)
・最大の問題点(移動性ブラックホール地球接近)のクリアの仕方が、あまりにもあっけない
・理由もない安易な神風特攻が多すぎる(そのくせ命を粗末にするなとかなんとか)
・艦長は軽率に動き回り、部下は独断傾向、艦内の規律はゼロ、まるで子どもの遊び場
・自己顕示欲の強すぎるプロデューサー「西崎義展」のクレジットが画面の半分を占拠
・石原慎太郎の原案参加(だからカミカゼが多いのか)
・よその星の文化設定がどうみてもいい加減な外国へのイメージを使い回したそれ

実際この年になってアニメで楽しめるわけもないんだけども。
子供時代にたくさん夢をもらったアニメだったからね。
ついつい、見ちゃった。
やられたよ。子供時代の思い出につけ込まれて小銭巻き上げられちゃった。
西崎もまあ松本零士と同じ、ただの誇大妄想症だからね。
それでもまだ、松本の画だったらもう少し愛着持って見られたんだが。

久しぶりにとても残念な思いをさせられましたね。
まあホント、買って損しました。
どうして必殺といいヤマトといい、
みんなして僕の子供の頃の思い出をぶちこわすのであろうか。
亡くなった富山敬とか阿久悠、宮川泰らに「捧げ」られていたが、
こんなの見せられたら怒ると思うよ、みんな(笑)。
しかしなあ。
どうして誰も止めなかったんだろ、これ。
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