いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

最近よく耳にするメロディ

2007-08-26 11:16:05 | いぶたろう日記クラシック
が、ふたつある。
いつかも書いたけれど、歌って不思議だ。
なんてことない一言がメロディに乗ると、
それだけで胸に染みこんでくるような力を備えてしまう。
反面、何の思いもなく売らんがために作られた歌は、
煩わしくうっとうしく感じられ、
琴線どころか逆鱗に触れるようなときもある。
メロディは音の羅列に過ぎず、言葉は共有の記号に過ぎない。
なのにこの差異はどこから生まれてくるのだろうか。

「なんだか泣けてく~る」
CMで繰り返し聞こえるこの歌は、
ほんとに何だか泣けてくるような気にさせられる。
説明は、ない。
「何だか」泣けてくる。
理屈でなく、そういう気持ちが湧くこともある。
それを思い起こさせるに十分な、哀愁を帯びたメロディが効いているのである。

一方で。
「この夏僕たちは、より強く輝きを増す」
この何にも考えてない、カンペキ空っぽな歌詞、
ラーメン屋で、コンビニで、CD屋で、もう何度耳にしたろうか。
その都度、本当にイヤーな気持ちになる。

「今をただ 大切にして」
要するに先のことなんか何にも考えてない、
目先のことが全てという典型的なガキの価値観だ。
成長の一過程として十代の子がそういう時期を過ごすのは仕方ないとしても、
オトナがそれを肯定し、あまつさえいつまでもそこに耽溺する姿はみっともない。
まあ、要するに十代の子からなけなしの小遣いを巻き上げるために、
いかにも解ってくれてる感じの歌を作ったわけだが、
それを商業的な成功モデルとして賛美する価値観に僕は賛同できない。
ハンパに経営とか業界とかかじった奴に多いんだけども。
あとはムダにキャリアの長いバンドマンとかさ(笑)。

いくら売れてようが、ダメなもんはダメだ。
そう言い切れる個人の価値観はもっと大切にされていい。
売れているものはいいものだ、ていうのは一見真理のようでいて、
ただの資本主義に毒された主体のない思いこみ、いや、「思いこまされ」だ。
たしかにカップラーメンにはカップラーメンなりの存在価値がある、
しかし一番うまいラーメンは何かという話の土俵に載せるべきではない。
どんなに世間が支持しようが、周りからひねくれ者扱いされようが、
自分の価値観に照らして疑うところがなければ、
ダメだと言い切る勇気を携えていたいものだ。

それにしても。
本当にこんな歌、よくも世に出せるよなあ。
抑揚も何もない、悩んだ跡も何もない、
「歌なんか本当に必要とはしていない腐れ大衆の鼻歌」か。
こんなん、その辺の中学生がデモでライブハウスもってって、
速攻ダメ出しされるレベルだぜ。
「何が言いたいのかわかんないな~」
とか言われてさ(笑)。
サイバーの2階でY田さんとかに(笑)。

何だか、泣けてくるよなぁ。