いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

一寸先は闇と言うけれど

2007-04-21 01:28:28 | せんせいとよばれて
うららかな春だ。
例年僕を苦しめる花粉症も、そもそもの今年の飛散量の少なさと、
昨年出会った劇的に効く薬のおかげで、ほとんど自覚症状なく過ごせている。
鼻水も、鼻づまりも、頭痛も、目のかゆみもまったくなし。
快適な春を満喫できる身の嬉しさよ。
家の周りでは遊歩道沿いに赤白のツツジが咲き始め、
雨上がりの夜なんかに歩くと、照明に映えてじっつにきれいだ。
ちょうど5月の連休を呼ぶように咲くこれを、僕は毎年楽しみにしている。

さて、そんな優雅な季節にも、なんともはや・・・な事件は起こる。
今日、中3生徒がわいわいと話し込んでいるところに通りすがると、

生徒「先生、知ってる?なんか、男が立て込んでるらしいよ?」
息「へ?」
生徒「立て込んでるんだってば。」

・・・・・・忙しいのか?

息「おい、それはひょっとして『立て籠もってる』んじゃないのか?」
生徒「・・・・あ、そうかも。」
息「どこで?」
生徒「わかんない。東京じゃん?」
息「なんで?」
生徒「さあ。」

さすが感性とパッションの10代。まるで要領を得ない。

息「建物に?」
生徒「ああ、なんか自分の家みたいだよ」
息「・・・・それは・・・立て籠もりというより『ひきこもり』じゃないのか?」
生徒「いやいや、でもニュースでやってるよ!」
息「話を総合すると、仕事が立て込んでて、家に引きこもってて、それは俺もよくやるけどなあ」
生徒「・・・ちがうんだって~」

のほほんを画に描いたような日常である。
こういうの、割とキライじゃない。

かと思えば。
海を越えた隣国ではこんな大惨事。

ーーー
2007年4月18日午前7時45分ごろ、遼寧省鉄嶺市の清河特殊鋼有限会社の工場内で、30トンの溶鉄を鋳型に流し込む作業中、溶鉄を入れた釜が突然機械から脱落。超高熱の溶けた鉄が、あたり一面に飛び散り、すさまじい流れとなって、あっというまに5メートル離れた引継ぎ室の中へと流れ込んだ。
ちょうど会議中でその場にいた32名全員が死亡、作業中の職員2名が軽傷を負った。軽傷者2名は現場から自力で脱出したが、そのほかの者は現場から逃げることはできなかったもよう。
事故発生の通報で駆けつけた消防隊員やレスキュー隊員も、現場があまりにも高温のため近づけず、救出活動は難航した。
(Record China/yahoo記事より)
ーーー

ううーーーん・・・・・。
すさまじい。すさまじすぎるぞ。
ターミネーター2じゃあるまいし。
この日死んだ32名は、まさか自分が溶けた鉄に呑み込まれて死ぬなんて、
鍼治療の鍼の先ほども考えなかったに違いない。
人生わからんなあ・・・。
コワかっただろうなあ・・・。

俺は割とよく、色んなこと想像しちゃう方だ。
クルマをたくさん摘んだトレーラーの後ろをバイクで走ってると、
なんかクルマが外れて落ちてきそうな気がして避けちゃったりとか、
何かが落ちてくるような気がして建物に入ると必ず上をチェックしたりとか。
サイバーなんかでも天井やキャットウォークが崩れ落ちてきても、
自分だけは生き残れるようなポジション探してたし、
その他の場所でも、まちがってもエアコンやシャンデリアの下には居ない。
ちょっとゴルゴっぽい(笑)。
でも、死ぬか生きるかの運不運なんて、まさに紙一重の差でもたらされたりする。
はだしのゲンが小学校のコンクリ壁に助けられたように。
自分のちょっとした心がけでその確率が少しでも上がるなら、
まあやっておいて損はない。
気分的にも悪くない。

でも、でも。
まさか会議中に溶けた鉄が流れ込んでくるなんて思わない。
9/11テロの犠牲者も、
まさか飛行機がオフィスに突っ込んでくるなんて思わなかったろう。
アメリカの銃乱射事件もそうだ。
まさか学校で撃たれて死ぬなんて思いもよらない。
とかなんとか言ってるこの瞬間に、
核が落ちて蒸発しちゃうかも知れない。
まったくもって、先がわからんというのは恐ろしい。
怖いけれど何をどう怖がっていいのか解らんとこがまたコワイ。

一方で。
先がずーっと見通せるのはもっとコワイ。
このまま仕事続けて、たぶんこの人と結婚して、
で、この辺に住んで、このくらいに死んで・・・みたいなの。
俺はそういう人生は本当にコワイ。
なんだか、生きてる実感というヤツが失われてしまう感じがするからだ。

一寸先は闇だけども、だからこそ進んでいきがいがあるというか。
ひょっとしたら3年後には予想もつかないような仕事してるかも知れないし、
5年後には意外な相手と結婚してるかも知れないし、
一生しないかも知れないし(笑)、
10年後には想像もしなかったような所に住んでいるかも知れない。
そういうのが、いい。
進んでわざと無軌道・無鉄砲・無茶苦茶をやる必要はないけれど、
常に変化に対して可能性のトビラを閉じてしまわないような生き方はしていたい。

この先、意外とあっけなく死んじゃうのかもしれないけれど、
それが見えてるとしたら大変オソロシイ(笑)。
その意味で、戦場というのは狂ってるとしか思えない場所だ。
俺は誰に何と言われようとも、絶対に戦争にだけは参加したくない。
殺すのも殺されるのもまっぴらだからだ。
…仕事人?
仕事人は良いのだ。悪を討つのだ。
なんてーかこう、政府の命令で命を無駄に捨てるのがイヤなのだ。
あんな、たかが時速90キロで道路走っただけで10万もむしり取るような政府の。
だから、例えば公安委員会とか、国土交通省とか、
検察とか、警察トップを仕置きするのはいいのだ。

溶けた鉄に呑み込まれて死ぬのはイヤだけど、
一寸先も百里先も、闇でいい。
闇の中にあればこそ、蛍の光くらいのささやかな輝きをも、
見つけることが出来るのだ。
花粉症が軽い、とかね。
闇でいいんだけれど、少なくとも、
授業中に溶けた鉄が流れ込んできて、侵入者が銃を乱射して、そこにハイジャックされた旅客機が突っ込んできて・・・っていうのはさすがにイヤだなあ。
てか、それでも生き残っちゃう自分でありたい。だったらいいや。
そう、いつかも言った、人生フォワード。
この先もずっと、神様に特別扱いされていたいぞ。

…本気でこういうこと言うから、人格疑われるんだよねえ。。。
Comments (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする