(1)2月9日、報道関係者や学者らが記者会見を開いて、発表した。
「翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明」
インターネットなどを通じて名を連ねたのは、
是枝裕和、坂本龍一、香山リカ、内田樹、吉田照美、福岡政行、
森永卓郎、前泊博盛、青木理、今井一、古賀茂明
など各界で活躍する人々。現職のNHKや民放のプロデューサーやディレクター、新聞記者も名を連ねた。
声明は、
「現政権を批判することを自粛する空気が国会議員、マスメディアから日本社会まで支配しつつある」
「『非常時』であることを理由に政権批判を自粛すべきだという理屈を認めてしまうなら、
あらゆる『非常時』に政権批判ができなくなる」
などと警鐘を鳴らしている。
ネットで署名を呼びかけてから1週間で1,200人の署名が集まった。その後も続々増加中だ。
今日の状況に危機意識を抱いている人々がいかに多いか、ということがわかる。
(2)最近、政権批判をすると激しいバッシングが起こる。
「バカ」「極左」という誹謗中傷にとどまらず、「死ね」「次はお前だ」などと生命に危険を感じるような言葉も浴びせられる。
大手テレビ局のプロデューサーやディレクター、新聞記者は悩みを抱えている。
<例1>「子どもが小さいので、先のことを考えると、どうしても名前を出す勇気がでない。社内での立場が悪くなるから」という声が意外と多い。
<例2>「賛同者として名を連ねたいが、社内の手続きが必要だ」という人に、「では、その手続きをとったらどうですか」と訊けば、 「そういう雰囲気ではないんです」という答え。
・・・・いずれのケースも、上からの命令ではない。具体的な圧力でもない。ただの「雰囲気」に支配されている。
(3)先進国では考えられない事態が生じている。今日では、各社のトップが、これ見よがしに安倍晋三・総理と会食し、中にはゴルフに興じて、親密ぶりを競い合うのだ。
ここまで露骨に経営トップが政権に擦り寄れば、役員クラスは出世のために経営トップの意向を忖度し始め、その雰囲気はすぐさま全社に蔓延する。
かくて、官邸や自民党から日常的に揚げ足取りのようなクレームが入ると、多くの記者はこれまでのように無視したり反論したりできず、その対応に追われることになる。
彼らの日々の仕事は時間との勝負だ。そんな中で、過去の記事や過去の放送のクレーム処理に追われていては、仕事に大きな支障になるし、精神的にもストレスになる。さらに、取材先の役所や政治家に情報をもらえなくなるかもしれない、という恐怖感も胸をよぎる。
その結果、特に具体的な圧力がかかっていなくても、自然と政権に問題視されそうなことは避ける行動をとるようになる。それを繰り返しているうちに、こうした行動がもつ問題点すら認識できない記者が増えつつある。
(4)悩みを打ち明けてくる記者は、かなり良心的なほうだ(実情)。
彼らが自由に政権批判をできる環境を整えるためには、各社のトップを監視し、おかしな経営者には辞任を求めていくような国民運動も必要だろう。
今、先の声明文への賛同者有志の間で、マスコミ各社の会長や社長に、声明文を携えて面会に行こうという相談が行われている。
□古賀茂明「報道自粛に抗する声明 ~官々愕々第143回~」(「週刊現代」2015年2月28日号)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【古賀茂明】「戦争実現国会」への動き」
「【古賀茂明】日本人を見捨てた安倍首相 ~二つのウソ~」
「【古賀茂明】盗人猛々しい安倍政権とテレビ局」
「【古賀茂明】安倍政権が露骨な沖縄バッシングを行っている」
「【古賀茂明】官僚の暴走 ~経産省と防衛省~」
「【古賀茂明】安倍政権が、官僚主導によって再び動き出す」
「【古賀茂明】自民党の圧力文書 ~表現の自由を侵害~」
「【古賀茂明】自民党が犯した最大の罪 ~自民党若手政治家による自己批判~」
「【古賀茂明】解散と安倍政権の暴走 ~傾向と対策~」
「【古賀茂明】解散と安倍政権の暴走」
「【古賀茂明】文書通信交通滞在費と維新の法案」
「【古賀茂明】宮沢経産相は「官僚の守護神」 ~原発再稼働~」
「【古賀茂明】再生エネルギー買い取り停止の裏で」
「【古賀茂明】女性活用に本気でない安部政権」
「【古賀茂明】【原発】中間貯蔵施設で官僚焼け太り」
「【古賀茂明】御嶽山で多数の死者が出た背景 ~政治家の都合、官僚と学者の利権~」
「【古賀茂明】従順な小渕大臣と暴走する官僚 ~原発再稼働~」
「【古賀茂明】イスラム国との戦争 ~集団的自衛権~」
「【古賀茂明】「地方創生」は地方衰退への近道 ~虚構のアベノミクス~」
「【古賀茂明】【原発】原子力ムラの最終兵器」
「【古賀茂明】【原発】凍らない凍土壁に税金を投入し続けたわけ」
「【古賀茂明】【原発】勝俣恒久・元東電会長らの起訴 ~検察審査会~」
「【古賀茂明】安倍政権の武器輸出 ~時代遅れの「正義の味方」~」
「【古賀茂明】またも折れそうな第三の矢 ~医薬品ネット販売解禁の大嘘~」
「【古賀茂明】「1年後の夏」に向けた布石 ~集団的自衛権~」
「【古賀茂明】法人減税で浮き彫りにされる本当の支配者 ~官僚と経団連~」
「【古賀茂明】都議会「暴言問題」の真実 ~記者クラブによる隠蔽~」
「古賀茂明】集団的自衛権とワールドカップ」
「【古賀茂明】野党再編のカギは「戦争」」
「【古賀茂明】電力会社の歪んだ「競争」 ~税金をもらって商売~」
「【原発】【古賀茂明】規制委員会人事とメディアの責任」
「【古賀茂明】医師と官僚の癒着の構造」
「【古賀茂明】電力会社「値上げ救済」の愚 ~経営難は自業自得~」
「【古賀茂明】竹富町「教科書問題」の本質 ~原発推進教科書~」
「【古賀茂明】安部総理の「11本の矢」 ~戦争国家への道~」
「【古賀茂明】理研は利権 ~文科官僚~」
「【古賀茂明】「武器・原発・外国人」が成長戦略 ~アベノミクスの今~」
「【古賀茂明】マイナンバーを政治資金の監視に ~渡辺・猪瀬問題~」
「【古賀茂明】東電を絶対に潰さずに銀行を守る ~新再建計画~」
「【古賀茂明】「避難計画」なき原発再稼働」
「【古賀茂明】「建設バブル」の本当の問題 ~公共事業中毒の悪循環経済~ 」
「【古賀茂明】安倍政権の戦争準備 ~恐怖の3点セット~」
「【原発】【古賀茂明】利権構造が完全復活 ~東日本大震災3年~」
「【古賀茂明】アベノミクスの限界 ~笑いの止まらない経産省~」
「【古賀茂明】労働者派遣法改正前にすべきこと」
「【古賀茂明】時代遅れな、あまりにも時代遅れな ~安部政権のエネルギー戦略~」
「【古賀茂明】森元首相の二枚舌 ~オリンピックの政治的利用~」
「【古賀茂明】若者を虜にする「安部の詐術」 ~脱出の道は一つ~」
「翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明」
インターネットなどを通じて名を連ねたのは、
是枝裕和、坂本龍一、香山リカ、内田樹、吉田照美、福岡政行、
森永卓郎、前泊博盛、青木理、今井一、古賀茂明
など各界で活躍する人々。現職のNHKや民放のプロデューサーやディレクター、新聞記者も名を連ねた。
声明は、
「現政権を批判することを自粛する空気が国会議員、マスメディアから日本社会まで支配しつつある」
「『非常時』であることを理由に政権批判を自粛すべきだという理屈を認めてしまうなら、
あらゆる『非常時』に政権批判ができなくなる」
などと警鐘を鳴らしている。
ネットで署名を呼びかけてから1週間で1,200人の署名が集まった。その後も続々増加中だ。
今日の状況に危機意識を抱いている人々がいかに多いか、ということがわかる。
(2)最近、政権批判をすると激しいバッシングが起こる。
「バカ」「極左」という誹謗中傷にとどまらず、「死ね」「次はお前だ」などと生命に危険を感じるような言葉も浴びせられる。
大手テレビ局のプロデューサーやディレクター、新聞記者は悩みを抱えている。
<例1>「子どもが小さいので、先のことを考えると、どうしても名前を出す勇気がでない。社内での立場が悪くなるから」という声が意外と多い。
<例2>「賛同者として名を連ねたいが、社内の手続きが必要だ」という人に、「では、その手続きをとったらどうですか」と訊けば、 「そういう雰囲気ではないんです」という答え。
・・・・いずれのケースも、上からの命令ではない。具体的な圧力でもない。ただの「雰囲気」に支配されている。
(3)先進国では考えられない事態が生じている。今日では、各社のトップが、これ見よがしに安倍晋三・総理と会食し、中にはゴルフに興じて、親密ぶりを競い合うのだ。
ここまで露骨に経営トップが政権に擦り寄れば、役員クラスは出世のために経営トップの意向を忖度し始め、その雰囲気はすぐさま全社に蔓延する。
かくて、官邸や自民党から日常的に揚げ足取りのようなクレームが入ると、多くの記者はこれまでのように無視したり反論したりできず、その対応に追われることになる。
彼らの日々の仕事は時間との勝負だ。そんな中で、過去の記事や過去の放送のクレーム処理に追われていては、仕事に大きな支障になるし、精神的にもストレスになる。さらに、取材先の役所や政治家に情報をもらえなくなるかもしれない、という恐怖感も胸をよぎる。
その結果、特に具体的な圧力がかかっていなくても、自然と政権に問題視されそうなことは避ける行動をとるようになる。それを繰り返しているうちに、こうした行動がもつ問題点すら認識できない記者が増えつつある。
(4)悩みを打ち明けてくる記者は、かなり良心的なほうだ(実情)。
彼らが自由に政権批判をできる環境を整えるためには、各社のトップを監視し、おかしな経営者には辞任を求めていくような国民運動も必要だろう。
今、先の声明文への賛同者有志の間で、マスコミ各社の会長や社長に、声明文を携えて面会に行こうという相談が行われている。
□古賀茂明「報道自粛に抗する声明 ~官々愕々第143回~」(「週刊現代」2015年2月28日号)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【古賀茂明】「戦争実現国会」への動き」
「【古賀茂明】日本人を見捨てた安倍首相 ~二つのウソ~」
「【古賀茂明】盗人猛々しい安倍政権とテレビ局」
「【古賀茂明】安倍政権が露骨な沖縄バッシングを行っている」
「【古賀茂明】官僚の暴走 ~経産省と防衛省~」
「【古賀茂明】安倍政権が、官僚主導によって再び動き出す」
「【古賀茂明】自民党の圧力文書 ~表現の自由を侵害~」
「【古賀茂明】自民党が犯した最大の罪 ~自民党若手政治家による自己批判~」
「【古賀茂明】解散と安倍政権の暴走 ~傾向と対策~」
「【古賀茂明】解散と安倍政権の暴走」
「【古賀茂明】文書通信交通滞在費と維新の法案」
「【古賀茂明】宮沢経産相は「官僚の守護神」 ~原発再稼働~」
「【古賀茂明】再生エネルギー買い取り停止の裏で」
「【古賀茂明】女性活用に本気でない安部政権」
「【古賀茂明】【原発】中間貯蔵施設で官僚焼け太り」
「【古賀茂明】御嶽山で多数の死者が出た背景 ~政治家の都合、官僚と学者の利権~」
「【古賀茂明】従順な小渕大臣と暴走する官僚 ~原発再稼働~」
「【古賀茂明】イスラム国との戦争 ~集団的自衛権~」
「【古賀茂明】「地方創生」は地方衰退への近道 ~虚構のアベノミクス~」
「【古賀茂明】【原発】原子力ムラの最終兵器」
「【古賀茂明】【原発】凍らない凍土壁に税金を投入し続けたわけ」
「【古賀茂明】【原発】勝俣恒久・元東電会長らの起訴 ~検察審査会~」
「【古賀茂明】安倍政権の武器輸出 ~時代遅れの「正義の味方」~」
「【古賀茂明】またも折れそうな第三の矢 ~医薬品ネット販売解禁の大嘘~」
「【古賀茂明】「1年後の夏」に向けた布石 ~集団的自衛権~」
「【古賀茂明】法人減税で浮き彫りにされる本当の支配者 ~官僚と経団連~」
「【古賀茂明】都議会「暴言問題」の真実 ~記者クラブによる隠蔽~」
「古賀茂明】集団的自衛権とワールドカップ」
「【古賀茂明】野党再編のカギは「戦争」」
「【古賀茂明】電力会社の歪んだ「競争」 ~税金をもらって商売~」
「【原発】【古賀茂明】規制委員会人事とメディアの責任」
「【古賀茂明】医師と官僚の癒着の構造」
「【古賀茂明】電力会社「値上げ救済」の愚 ~経営難は自業自得~」
「【古賀茂明】竹富町「教科書問題」の本質 ~原発推進教科書~」
「【古賀茂明】安部総理の「11本の矢」 ~戦争国家への道~」
「【古賀茂明】理研は利権 ~文科官僚~」
「【古賀茂明】「武器・原発・外国人」が成長戦略 ~アベノミクスの今~」
「【古賀茂明】マイナンバーを政治資金の監視に ~渡辺・猪瀬問題~」
「【古賀茂明】東電を絶対に潰さずに銀行を守る ~新再建計画~」
「【古賀茂明】「避難計画」なき原発再稼働」
「【古賀茂明】「建設バブル」の本当の問題 ~公共事業中毒の悪循環経済~ 」
「【古賀茂明】安倍政権の戦争準備 ~恐怖の3点セット~」
「【原発】【古賀茂明】利権構造が完全復活 ~東日本大震災3年~」
「【古賀茂明】アベノミクスの限界 ~笑いの止まらない経産省~」
「【古賀茂明】労働者派遣法改正前にすべきこと」
「【古賀茂明】時代遅れな、あまりにも時代遅れな ~安部政権のエネルギー戦略~」
「【古賀茂明】森元首相の二枚舌 ~オリンピックの政治的利用~」
「【古賀茂明】若者を虜にする「安部の詐術」 ~脱出の道は一つ~」