語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【食】炭酸水の飲み方には気をつけたい ~糖類や食品添加物~

2016年04月23日 | 医療・保健・福祉・介護
  ①コカ・コーラカスタマーマーケティング「い・ろ・は・す スパーリングれもん(炭酸水 瀬戸内産れもん)」
  ②サントリーフーズ「南アルプスの天然水 スパークリングレモン」
  ③アサヒ飲料「ウィルキンソン タンサンレモン」
  ④キリンンビバレッジ(セブン&アイ・ホールディングス「セブンプレミアム ほんのりレモン炭酸水」

 (1)炭酸水は、水に二酸化炭素を加圧しながら溶かして作る。水に溶けた二酸化炭素は、炭酸に変化するため、弱い酸性となる。ボトルの栓を開けると、圧力が下がって炭酸が二酸化炭素に戻り、気泡が出てくる。
 二酸化炭素は、食品添加物の一つ。
 各メーカーは、フレーバー入り炭酸水を次々に発売し、さらなる売上げアップを図っている。
 しかし、注意を要する。特に水代わりに飲むのは適切でない。

 (2)まず問題なのは、①のように糖類(砂糖や果糖など)が入っている製品だ。1本(515ml)に
   炭水化物(糖類)が24.72g、
   エネルギーが97.85kcal、
も含まれる。現代日本では、炭水化物や脂肪などの過剰摂取によって肥満の人が増えている傾向がある。糖類を含む炭酸水を水代わりに飲めば、さらにカロリーの摂りすぎが助長され、肥満を加速する。

 (3)ついで問題なのは、①には食品添加物の香料が使われていることだ。香料は、合成が約150品目、天然が約600品目もあって、それらを数品目から数十品目組み合わせて独特のにおいが作られている。
  (a)合成香料の中には毒性の強いものがある。
   ・サリチル酸メチルは、2%含む餌をラットに食べさせた実験で、49週ですべて死亡。
   ・ベンズアルデヒドは、マウスに1日に体重1kg当たり0.2~0.6gを週5日2年間投与した実験で、前胃の腫瘍発生率を増加させた。
   ・このほか、フェノール類、イソチオシアン酸アリル、エーテル類なども毒性がある。

  (b)天然香料のほとんどは、植物から抽出される。原料に使われる植物の多くは、食用として利用されている。ただし、コカ(COCA:麻薬の原料)やヤドリギ、スイセンなど食用でないものもある。オケラなど正体不明のものもある。

  (c)香料の製法は企業秘密になっている。そのため、香料を使っている大手食品メーカーですら、正体を知らないケースが珍しくない。①に使われているのはレモンの風味を出すものだが、実際に何が使われているか、不明だ。

 (4)さらに酸味料は、乳酸やクエン酸、アジピン酸など25品目程度ある。いずれも毒性の強いものは見当たらないが、具体名が表示されていないので、不安要因になっている。

 (5)消費者が毎日食べている食品には、食品添加物や残留農薬、抗生物質など、安全性に問題のある化学物質が数多く含まれている。それらが、胃腸などを汚染している。
 それを水を飲むことで洗い流している面がある。
 しかるに、①を飲んだ場合、新たに香料や酸味料を胃や腸の中に入れてしまうことになり、汚染がさらに進む。
 よって、香料などの添加物が入った飲料を水代わりに飲むのは好ましいことではない。

 (6)同じことは、②、③、④にも言える。これらにも香料や酸味料が添加されている。

 (7)そもそも、水に二酸化炭素を溶かしただけの通常の炭酸水でも、水代わりに飲むのは疑問だ。
  (a)炭酸水を飲むと膨満感を覚え、あまり食事が摂れなくなる。その結果体重が減っていくから「ダイエット効果がある」などとネット上で言われているが、この状態が続けば栄養不足に陥る危険性がある。 
  (b)炭酸水は胃を刺激するから、胃酸の分泌が活発になる。そのため消化がよくなるメリットがある半面、飲み過ぎると胃酸過多になり、胃粘膜を損傷する恐れがある。胃もたれの時などに適宜飲むのはよいとしても、毎日水代わりに飲むのは避けるべきだ。

□渡辺雄二「人気上昇中の「炭酸水」は飲み方に気をつけたい ~新買ってはいけない 219~」(「週刊金曜日」2016年4月15日号)
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