語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【保健】香料による健康被害 ~宅配業者~

2016年04月28日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)洗濯用柔軟剤・洗剤、香料が添加された整髪料・制汗剤、芳香剤・芳香消臭スプレーなどが巷にあふれ、多用されている。
 香料から健康被害を受ける人がいる。香料自体が嫌な人もいる。

 (2)2013年6月、環境省は女性クールビズで香りが着いている製品(着香製品)を推奨したが、健康被害を危惧する市民団体らの反対で撤回した。
 同年9月、洗濯用柔軟剤を中心に香料被害の苦情が増加したことで、国民生活センターが「柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供」を報道発表。各地の消費センターも、着香製品使用の注意について広報している。
 メーカー各社も、「香りのマナー」として「周囲の方へご配慮のうえ、お使いください」(花王)などと、ホームページやCMで記すようになった。
 2005年の岐阜市を皮切りに、「香料自粛のお願い」などのポスターの掲示が、市民団体らの働きかけで各地でなされている。

 (3)日本消費者連盟関西グループが、2013年10月に行った同会会員へのアンケート調査では、香りで気分が悪くなる原因として挙がった項目の中に、
   「宅配便などの配達員の「衣類(の匂い)」
   「宅配荷物に付いた柔軟剤臭」
があった。中には「(香料が)ひどく臭うときは、お店の責任者に話して対処してもらう」という回答もあった。
 しかし、その後も被害を訴える声は続いているいるので、着香製品による健康被害そのものの認知度が低いらしい。

 (4)これまで香料問題に取り組んできた各務原ワークショップ、香料自粛を求める会、反農薬東京グループ、日本消費者連盟関西グループの4団体は、2016年1月末、宅配会社6社の社長宛に
  (a)要望「着香製品使用についての配慮のお願い」
  (b)質問「香料への対応について(4項目)」
という2件の文書を郵送した。
 (a)は、配達車両では芳香剤などの使用は止め、配達員は無香料を基本にしてほしい、というもの。
 (b)は、着香製品の被害について、①2010-15年の香料苦情件数と内容、②車両や配達員の香料使用規定、③(a)を受けて②をどう改善するか、④会社の香料被害窓口。
 〆切りまでに回答してきた会社はゼロ。架電し催促すると、5社が「回答しない」。理由はハッキリ述べていない。福山通運のみ文書で回答があったが、「香料に関する苦情なし」を理由に、着香製品への対応は見られない。

 (5)<日本では香料成分の表示義務がまだないが、EU(欧州連合)では2013年から、アレルゲン性香料の一部分を成分表示する規制が始まっている。専門家は香料に、アレルギーや神経毒性、内分泌攪乱作用、デトックス阻害作用などの健康影響があると指摘し、そうした被害が実際に生じている>

 (6)今回の宅配各社の姿勢は、香料に関する苦情には対応しない、利用者や配達員の健康には配慮しない、とも取れる。

□村田直美「香料による健康被害に目を向けてほしいと宅配会社にアンケートしてみたら」(「週刊金曜日」2016年4月1日号)
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