語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【古賀茂明】氏を視聴者の7割が支持 ~テレ朝問題(4)~

2015年04月09日 | 社会
 (1)あの日の放送後、テレビ朝日には国の視聴者から電話が殺到した。集計すると、7割が古賀茂明を称賛する声だった。のみならず、報道局の若手スタッフたちも、「古賀さん、よくやった」と密かに喝采している。【テレビ朝日のある中堅幹部】

 (2)古館伊知郎の性格をひと言でいえば、繊細、気弱、クソ真面目。本来の古館は、政治にも経済にも関心がなくて、無趣味な人だ。硬派の報道番組など似合わないのに、無理を重ねて還暦を迎えた現在まで報ステに出続けてきた。それが、いつしか、自分が国を動かしていると勘違いしてしまったのかもしれない。今回の古賀氏とのバトルは、図らずも古舘の本来の姿を露呈させてしまった。【古舘を旧くから知る人物】

 (3)安倍官邸からの圧力が強まったのは、昨年末の総選挙からだ。安倍は衆議院を解散した晩、報ステの出演だけ拒否。自民党からは、「選挙時期に一層の公平中立な報道を求める」という文書を渡された。総選挙後、自民党が圧勝すると、官邸はさらに強気になった。こうした中で、局の上層部が過敏に反応した。選挙直後から報ステの出演者にはすべて事前にコメントする内容を聞き、そのメモを上層部に見せてお伺いを立てるという悪しき習慣が始まった。【番組のあるスタッフ】

 (4)今年1月23日、あの「官邸メール事件」が起きた。
 この日、報ステに出演した古賀茂明氏は、後藤健二さんと湯川遙菜さん人質事件に関して、安倍首相の責任を追及した。
 番組の放送中、菅官房長官の秘書官から、報ステの中村直樹・編集長に抗議の電話がかかってきた。彼がたまたま電話を取り損ねたら、ショートメールが入った。「古賀は万死に値する」のごとき激越な内容が書いてあった。【前記、番組のあるスタッフ】
 篠塚浩・報道局長および藤岡信夫・政治局長は、直ちにチーフプロデューサー(CP)を呼びつけ、「今日の放送はまずい」と厳重注意した。毎日の番組終了時に行っている反省会では、古舘まで「これからどんどん官邸から抗議がくるようになるな」と漏らしてた。【同】

 (5)同じ23日、官邸サイドでは何が起きていたか。
 あの夜、ある秘書菅が菅官房長官と一緒に官邸で報ステを見ていた。すると、菅官房長官が古賀氏の発言に怒り始めた。横にいた秘書菅は、すぐに抗議しなきゃいけない。関係者に片っ端から連絡したが、つながらない。放送中に菅官房長官の目の前で連絡しようとして、最後は編集長にショートメールを送った。【官邸のあるスタッフ「】
 菅官房長官は、秘書菅のまどろっこしいやり方を横で見ていたから、後日、番記者との「オフレコ懇談」で「オレなら放送法違反だ」と威勢のいいことを語ったのだろう。【同】

 (6)早河洋・会長は、3月31日の記者会見で、「菅官房長官にお詫びしないといけない心境です」と白旗を掲げた。
 官邸は、これまで「敵は朝日新聞と報道ステーション」と思っていたが、朝日新聞は昨夏に自滅し、続いて報ステが倒れた。これで大手を振って、安倍独裁体制に突っ走れる。【官邸担当者】
 かつてプロディーサーとして「ニュースステーション」「朝まで生テレビ」に携わり、政権の監視機関たるテレ朝を牽引したのは早河会長だ。それが、このていらく。
 新しいCPは、「上の意向」を窺うばかりで、まるでNHKのような無難なニュース放送をめざしている。もうテレ朝は死んだも同然だ。【番組の(4)とは別のスタッフ】
 古舘とテレ朝の腰抜け対応が、「テレビ報道の死」の引き金をひいた。

□記事「古賀茂明はなぜ怒ったのか 「腰抜け」古舘伊知郎に告ぐ!」(「週刊現代」2015年4月18日号)
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 【参考】
【古賀茂明】氏、何があったかを全部話す ~テレ朝「報ステ」問題(3)~
【古賀茂明】氏に係る官邸の圧力 ~テレ朝「報道ステーション」(2)~
【古賀茂明】氏に対するバッシング ~テレ朝「報道ステーション」問題~



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