電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【黄昏と箱根山】
2020年6月7日
【黄昏と箱根山】
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蘆花の書いた黄昏の二文字に「こうかん」とルビがあり、辞書を引くと「こうこん」はあっても「こうかん」という読みはない。原本にそうルビがふられているのだろうか。電子化のとき「クワウクワン」と「クワウクヲン」を間違っていないかな。iOS では「たそがれ」と打たないと変換されないので「こうこん」を辞書登録した。
時に夕陽(せきよう)函嶺(かんれい)に落ち、一鴉(いちあ)空(くう)を度(わた)り、群山(ぐんざん)蒼々(そうそう)として暮れむとす。寺内(じない)、人なく、唯(ただ)梅花(ばいか)両三珠(りょうさんしゅ)雪の如く黄昏(こうこん)に立てり。――徳冨蘆花
※両三珠(?)は「二三本(株?)」と解すればよいのではないかと思う。
「じしょとうろく」と打つと「地所登録」が候補に出る。地所登録といえば、いま読んでいる本で蘆花が函嶺(かんれい)を旅している。子どもの頃、堤(西武)と五島(東急)の箱根戦争を描いた映画を見た。たしか若い勝呂誉と大空真弓が共演していたように思う。「箱根の山は喧嘩のケン」という替え歌が印象深い。原作の獅子文六『箱根山』を読みたいと思ったことはないけれど、郷里の静岡市立芹沢銈介美術館に展示されていた芹沢の装幀による『箱根山』は美しい。レプリカでいいからあれは欲しい…と書いて検索したら、オリンピック景気に沸いた 1962 年の箱付きが安く出ていたので注文した。
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