【タンポポの長さ】

【タンポポの長さ】

(『電脳六義園通信所』アーカイブに加筆訂正した 2003 年 4 月 12 日の日記再掲)

コンクリートだらけの町を歩いていて、ちょっとでも土が露出している場所があると、タンポポの黄色い花を見る季節になった。

今年のタンポポはヘンだなぁと思う。
茎が短くて、もうないに等しく、誰かが花先を摘んで地面に撒いたように見え、それでいてちゃんと地面から生えて咲いているのである。見かけるたびに気になっていたのだけれど、今年はとくに極端に茎の短いものが多い。

どうしても理由が知りたいので調べてみたら、『科学する農業』というインターネット上のページに、軒先にタンポポを植えて季節の農作業の参考にされているお百姓さんの事例が一件だけ紹介されていた。(※ 2003 年 4 月 12 日現在)
 
10  月から 12 月にかけて積算気温の低い年は、タンポポはロゼット状に温かい地表すれすれで広範囲に葉を広げ、効率よく太陽光を受けようとする。そういう冬を経たタンポポは茎が短く、逆に言うならば、春に花開くタンポポの茎の長さを測れば冬の間の積算気温がわかるのだそうだ。

植物の仕組みに驚くとともに、科学するお百姓さんの知恵に感心した。

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