接点

2017年3月10日
僕の寄り道――接点

買い物帰りに隣り町を通ったら道に面した勝手口に回覧板が置かれていた。この町会ではそういうルールになっているのだろう。置かれた家の不在宣言になるからと嫌う町会もあるらしい。

よその事情は知らないけれど、この界隈の町会は林町や上富士町や神明町などの旧町名になっている。お祭りのこともあるし、そうでないと困ることが多々あるのだろう。

他人との付き合いを煩わしく感じて、隣り組や町内会や回覧板の廃止を主張する人も増えている。とはいえ個人的な権利主張は過剰にあるので、他者が煩わしいだけで自身の存在を消して透明人間になりたいわけではないらしい。

人との接点、地域との接点、社会との接点などと人は言う。接点というのは点であって大きさをもたない。直線と直線、平面と平面が接しても接点はもたない。曲線が線、局面が面と接するときに生まれる点というのが接点の定義になっている。

人や地域や社会との接点が煩わしいと感じるとき、曲がりをもった線や面である自分自身の側の問題ではないかと問うてみる必要がある。数学で学んだとおり、面積を持たないはずの点に「大きさ」を与えてしまって、心の負担を自分でつくっていることが多い。住民自治会の長を三年間任され、他者との接点を多くもってみてわかったことだ。

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